<明治安田J1:神戸2-0磐田>◇1日◇第35節◇ノエスタ
ヴィッセル神戸がホームでジュビロ磐田に2-0で勝利し、暫定首位に浮上した。後半2分にFW宮代大聖(24)のゴールで先制すると、同8分にはCKからDF山川哲史(27)が頭で決めて追加点。守る相手に苦しみながらも後半にこじ開けて勝ち点3を積み上げた神戸が、2日後に試合のある広島にプレッシャーをかけた。アウェーで川崎Fを3-1で下した鹿島は4位に順位を上げた。
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神戸を、宮代が救った。主導権を握りながらも得点が奪えずに終えた前半。0-0の後半2分、MF井手口がカットしたボールを受けると、左サイドでタメを作って折り返す。井手口からFW大迫に入ったパスに反応してゴール前に向かうと、最後は大迫からのラストパスを浮き球でゴールに送り込んだ。「我慢強く狙い続けた。ひと安心」。切り替えの早い守備でも貢献し、笑顔で振り返った。
宮代はアジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)の蔚山戦、天皇杯準決勝の京都戦に続く公式戦3連発。2列目の位置で新境地を開拓し続ける男は、今季加入した神戸の地で、プロ入り後初めてのシーズン得点を2桁に乗せた。これで今季の神戸は大迫とFW武藤に続く3人目の10ゴール。吉田監督が「どこのポジションに入ってもゴールを意識してくれる。チームにとって大きな存在」と信頼を寄せる24歳は、自らを連覇のキーマンに挙げた。「優勝するためには自分がもっと怖い存在にならなきゃいけないと日々感じていた。サコくん(大迫)と、よっちくん(武藤)だけじゃなく、自分が取れるように。それが優勝のキーポイントだと思っている」。自信があるからこそ、胸を張ってそう宣言した。
暫定ながら広島に勝ち点2差をつけ、約5カ月ぶりの首位。宮代は「残り3試合、絶対に3連勝する」と連覇への意欲を強くした。進化を続ける背番号9が、神戸を再び高みへと引き上げていく。【永田淳】