ソフトバンク小久保裕紀監督(53)が1日、右足首を痛めていた近藤健介外野手(31)の守備解禁を示唆した。日本シリーズで本拠地3連敗を喫し、一夜明けたこの日は空路で横浜入り。打線は26回連続無得点と苦しむ中、DHのない第1、2戦で代打待機だった近藤をスタメンで起用する可能性が高まった。ベストオーダーで逆転日本一を狙う。
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崖っぷちの小久保監督が勝負手を切る。「昨日も一昨日もそのつもりで練習はしているので」。描くのはDH制がない敵地での近藤の左翼スタメンだ。右足首を痛めたため、9月15日オリックス戦を最後に守備に就いていない。ポストシーズンはDHのみの出場だが、ここにきて守備を解禁する可能性が濃厚になった。
第1、2戦の横浜では患部への負担を考慮して代打待機だった。小久保監督は「前回(の横浜)とはそこは違いますね」とニヤリ。すでに練習では外野でバックホーム送球も行っており、近藤自身は同31日の第5戦の試合後に「行けるように準備はしているつもり。残り2試合なのでそこは大丈夫かな」と守備復帰に意欲を示していた。
「中2日」となれば、さらに追い風だ。本拠地3連敗を喫し、一夜明けた1日は空路で横浜に移動。福岡空港で取材に応じた指揮官は「あのままいったらちょっと嫌な感じ。3連敗した後の移動日は吉と出ると思っています」と前向きにとらえた。舞台を横浜に移せば、敵地であろうと流れは変わる。2日の第6戦は雨予報だ。順延になれば、さらに切り替えやすい。近藤にとっては患部の回復期間が延びることはプラス材料。リーグ首位打者が打線にいるといないでは、大きな違いだ。
最終的な判断は試合当日のミーティングで決定するが、日本一までは1敗も許されない。さらに打線はシリーズワーストタイの26イニング連続無得点と沈黙している状況にある。2勝3敗でDeNAに王手をかけられたが「あと2つ勝つ? そうよ。それしかないやん」と指揮官はファイティングポーズを崩さなかった。背水の鷹が、復活の強力打線で逆王手をかける。【只松憲】