<日本シリーズ:ソフトバンク-DeNA>◇第3戦◇29日◇みずほペイペイドーム
DeNA桑原将志外野手(31)が攻守にわたって、チームをけん引した。「1番中堅」で出場し初回、先頭打者として打席に立つとソフトバンク・スチュワートの2球目153キロ直球を捉えた。右翼線への二塁打を放ちいきなりチャンスを演出。梶原の犠打で三進し、牧の遊ゴロの間に先制のホームを踏んだ。日本シリーズ3戦目にして初となる待望の先制点に三塁ベンチが、青く染まった左翼スタンドが沸いた。
5回の第3打席には2番手大津の代わりばなを捉え、左中間席に運ぶソロ本塁打を放った。ベンチ前でチームメートとハイタッチを交わした後は、左翼席のファンに向かってデスターシャポーズを披露。チームの士気を高めた。
守備でもチームに流れを呼び込んだ。2回先頭の正木が放った、中堅前に落ちそうな飛球をダイビングキャッチ。ガッツあふれるプレーでチームを救った。
27日の第2戦に敗れ、シリーズ2連敗を喫した後のミーティングではナインの前に立って自らの口で思いをぶつけた。「とにかく自分たちが出せるモノを全て出さないと勝てない。それに尽きる」。戦いの舞台を福岡に移した仕切り直しの一戦で、有言実行のプレーを見せつけた。【水谷京裕】