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【記者の目】時代のトレンド現れたドラフト、プロ野球選手になるため選ぶ道どんどん多様化


2023年のプロ野球ドラフト会議では、オリックスが外れ1位で富士大の麦谷を指名するなど、富士大から6名が指名され話題を集めた。また、独立リーグからも多くの選手が指名されるなど、選手の採用先が多様化しています。特に、大学生や独立リーグからの即戦力を求める傾向が強まっており、36名の指名枠のうち高校生は10名にとどまりました。一方で、有名校や都会の強豪大学の選手が指名漏れするケースも目立ち、プロ野球界における地域の格差や選手育成の多様化が進行しています。プロアマ間の壁が低くなり、動画などの技術を活用したスカウティングも行われていることで、選手たちの進路選択の幅が広がっています。

オリックスから外れ1位で指名された富士大・麦谷(左)は安田監督と握手し記念撮影(撮影・浜本神威)

<記者の目>

<プロ野球ドラフト会議>◇24日

時代のトレンドが現れた。オリックス1位の麦谷をはじめ、富士大から6人が指名された。岩手・花巻の大学だ。岡山にある環太平洋大からは、左腕の徳山が楽天に2位指名された。

ドラフト会議でよく聞く独立リーグ球団といえば、昨年も6人が指名された四国IL徳島だった。それが今年は支配下だけで独立リーグ6球団から指名があった。育成ドラフトも含めると、独立リーグ10球団からNPB選手が誕生した。

即戦力を求める傾向が強いことに変わりはない。ドラフト3位まで指名された36人のうち、高校生はわずか10人だった。それでもひと昔前とは違う学校名、チーム名が支配下指名に並ぶ。一方で甲子園常連の強豪校、首都圏や阪神圏の強豪大学の選手たちが指名漏れするケースも目立つ。

背景はいくつか考えられる。プロアマの壁が低くなった。元プロの指導者が母校のみならず、全国各地で野球を伝授する。動画の普及も大きい。選手たちがスマホの液晶越しでも野球を学ぶのは、今や日常茶飯事。スカウト陣は目の前でドラフト候補の試合を視察しつつ、手元のタブレットで全国各地の試合配信をザッピングする。NPB2軍のオイシックスや、くふうハヤテからも初指名。すでに両球団への入団を希望してプロ志望届を提出した学生たちもいる。ダイバーシティの世の中。プロ野球選手になりたい若者たちが選ぶ道も、どんどん多様化している。【金子真仁】

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