<プロ野球ドラフト会議>◇24日
“オオタニさんロード”を突き進む! プロ野球ドラフト会議が24日、都内で開催され、福岡大大濠・柴田獅子投手(3年)が日本ハムから1位指名された。最速149キロの本格派右腕で、打っては高校通算19本塁打を誇るパワーヒッター。無限の可能性を秘め、投打の二刀流でプロの世界に飛び込む。目標の選手にドジャース大谷翔平投手(30)を掲げ、北の大地でスター街道を駆け上がっていく。
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名前が呼ばれた瞬間も、柴田は表情を崩さなかった。一点だけをじっと見つめ、運命の行方を見守った。日本ハムかソフトバンクか。2球団による競合の末、新庄監督がガッツポーズ。チームメートからの「おぉ~!」の歓声に、こわばっていた顔が少し笑顔に変わった。「とてもホッとしています。1位指名していただいて光栄に思いますし、驚きの気持ちとワクワク感があります」。人生に1度の晴れ舞台をかみしめた。
目標はでっかく、明確な指針がある。憧れは誰もが知る大スターだった。「昔からずっと大谷選手を尊敬している。少しでも近づけるような存在になっていきたい」。187センチ、87キロの恵まれた体格で最速149キロを誇る本格派右腕。打っては高校通算19本塁打をマークしたスラッガーだ。「どっちも自信がある」ときっぱり。プロの世界で投打の二刀流を強く希望し、ドジャース大谷の背中を追いかける。
周囲から一目を置かれる努力家でもある。研究熱心な一面もあり、2年冬から読書を習慣化させた。手に取った1冊に大谷について書かれた本もあった。印象に残るフレーズは「不可能を可能にする」。前人未到の大記録を打ち立てる大谷の姿に大きな刺激ももらう。「自分もいろんなことに挑戦していきたい」と強い決意をにじませた。
会見後は報道陣から無数のフラッシュを浴びせられた。「今までこんなことなかった。いい経験をしたなと思います」と照れ笑いを浮かべた。色紙には「二刀流」の3文字をしたため、日本ハムの帽子も手に取った。「まずは1軍で活躍できる選手に」。憧れ続ける人もかつて北の大地でプロキャリアをスタートさせた。投げて、打ってとポテンシャル無限大の18歳が“大谷ロード”を駆け上がっていく。【佐藤究】
▽日本ハム木田GM代行 柴田君の交渉権を獲得できたことが良かった。本当に才能があふれているので、どうやったらスケールの大きな選手に育つのか、チーム全体で考えていきたい。その他も僕らが素質があると思った選手を取ろうと思った結果、投手が多くなった。それぞれが今年のアマチュア選手の中で高い才能を持っていると評価した選手ばっかりだったので、いいドラフトだった。