王道野球で返り討ちだ。パ・リーグのクライマックスシリーズ（CS）のファイナルステージが16日、みずほペイペイドームで開幕する。ソフトバンク小久保裕紀監督（53）は、ファーストステージを“感動采配”で勝ち上がった日本ハム新庄剛志監督（52）に対抗して冷静沈着。本拠地の全体練習前には報道陣非公開で訓示を行った。球界をにぎわす新庄マジックに対し、小久保流の「ゲキ」で士気を高めた。
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ファイナルステージ直前の全体練習は非公開から始まった。午前10時スタートも、冒頭10分は報道陣の立ち入りを禁止。チーム関係者やナインはグラウンドに輪を作り、中心にいる小久保監督が訓示を行った。「大した話はしてないよ」と言いつつも内容を明かした。
「基本、人はまだ将来に起こっていない不安に対して脳の43％を使っている。そら普通にしていれば不安に駆られる。だから不安に駆られないように自分でプラス（な気持ち）になる決めごとを決めなさい」
小久保監督にとっては現役時代からの思考法で「普段からずっと言っていること」だった。ファイナルの相手は今季12勝12敗1分の日本ハム。シーズン終盤にはカード7連敗も喫し、パ球団で唯一勝ち越せなかった。ファーストステージでは初戦黒星も2、3戦目を逆転勝利で突破した勢いもある。「ミスしたらどうしよう、打てなかったどうしようって考えるのが人間。それは普通。だから普通じゃない状態を自分で意識して作ることが大事ですよっていう」。小久保流のゲキで受けて立つ。
新庄マジックにも動じない。14日のロッテ戦では守護神・田中正を5回2死からイニングまたぎ。終始ファンの心を動かす“感動采配”で勝ち上がってきた。小久保監督は「野球の魅力を感じた3試合だった」と敬意を表しつつ「勢い？ それはあって当たり前。だって下から上がってくるから。それも踏まえて」と泰然自若。「ほぼ日本ハムが来るという準備をやっていました。イメージ通り」。継投についても「ピッチャーはあまり奇抜なことは考えてない。信頼度の高い選手から出す」と王道野球を貫く。「ファンの方々の心を動かせる舞台がここ、福岡にいよいよやってくる。ワクワクしています」。王者が新庄ハムを返り討ちにする。【只松憲】
◆CSファイナルステージの主なルール 6試合制。先に4勝したチームが日本シリーズに進出。シーズン優勝球団には1勝のアドバンテージが与えられる。引き分けが生じた場合、引き分けを除く勝利数が同じならシーズン優勝球団が進出する。延長は12回まで。12回終了時に同点の場合は引き分け。12回表終了時や12回裏の攻撃中に後攻のステージ勝ち上がりが確定した場合、その時点でコールドゲームとなる。
