<欧州選手権(ユーロ2024):スペイン2-1(延長)ドイツ>◇5日(日本時間6日)◇準々決勝◇シュツットガルト
スペインが開催国ドイツとの延長戦にもつれ込む死闘を制し、4強に駒を進めた。延長後半14分、クロスボールを途中出場のMFミケル・メリーノ(28=レアル・ソシエダード)がヘディングでゴール。土壇場で決勝点が飛び出した。決勝点の前にはドイツFWジャマル・ムシアラ(21=バイエルン・ミュンヘン)のシュートが相手選手に手に当たったが、PKは与えられなかった。
優勝候補同士の対戦。先制したのはスペインだった。後半6分、右サイドからFWヤマルが中央へ送ったグラウンダーのパスをMFダニ・オルモが右足インサイドでゴール左隅に流し込んだ。これが決勝点となった。
注目の16歳ヤマルは、前半15分にFKから壁の足元を抜くグラウンダーシュートでゴールを狙うなど、個人技を生かしたプレーでチャンスを演出。今大会3つ目のアシストとなった。しかし同18分に途中交代。期待された大会史上最年少ゴールは持ち越しとなった。
1点を追うドイツも反撃に出た。後半25分、波状攻撃からMFアンドリッヒがコースを突く決定的なシュートを打つが、スペインGKシモンのファインセーブに遭った。
後半32分にもMFビルツの折り返しからFWフュルクルクが滑り込みながら右足でシュートしたが、ここは右ポストを直撃。刻一刻と時間が過ぎていく。
しかし後半44分、不屈のゲルマン魂を発揮した。クロスボールをDFキミッヒが頭で落としたところ、後半から出場していたMFビルツが右足で蹴り込み、土壇場で1-1の同点。延長戦に突入した。
一進一退の攻防が続く。延長前半15分にはドイツが決定機を迎える。左からの折り返すをビルツが左足で狙ったが、ゴール右へわずかに外れた。
延長後半1分、ドイツは絶好機を迎える。FWフュルクルクのポストプレーからMFムシアラが右足シュート。これがスペインDFククレジャの左手を直撃した。ハンドを主張したが、イングランドのテイラー主審は意図的でなく不可抗力によるものと判断して流した。ただ左手は胴体から離れており、意見が分かれそうな微妙なものだった。
延長後半12分、ドイツが再び決定機を迎えた。クロスボールにフュルクルクがダイビングヘッド。ゴール枠を捉えたが、スペインGKシモンがここもファインセーブし、ピンチを逃れた。
そしてPK戦突入と思われた延長後半14分、スペインが決勝点を奪った。左サイドからダニ・オルモがクロスボールを送ると、レアル・ソシエダード所属で久保建英の同僚MFミケル・メリーノがヘディングシュートを決めた。その後のドイツの猛攻をしのぎ切り、2-1で競り勝った。
今大会を最後に引退する34歳のドイツMFクロースは、120分間にフル出場し、正確なパスで攻撃を組み立てた。後半41分にFKから柔らかなパスを送り、FWハバーツのヘディングシュートにつなげるなど、今なお世界トップレベルにあるプレーを披露した。惜しまれつつも、これがラストゲームとなった。