<日本生命セ・パ交流戦:阪神2-1日本ハム>◇18日◇甲子園
阪神村上頌樹投手(25)の勝ち星は、スルリと消えた。5回2安打無失点。0-0で迎えた5回裏1死満塁で、日本ハムが2番手宮西にスイッチしたタイミングだった。1度は打席に向かう準備をしていたものの、代打原口が送られ交代。原口は右邪飛に倒れたが、兵庫・淡路島の先輩でもある1番近本が中前打適時打で先制点を挙げた。“滑り込み”で勝ち投手の権利を得た。
ただ、7回に桐敷が同点打を浴びた。この時点で村上の勝利は消えた。4月30日の広島戦で2勝目を挙げて以来、これで6試合勝ち星がついていない。この日は打順のめぐり合わせで5回で降板となったが、7奪三振でバトンをつないだ。「状態もよかったので球数少なくもっと長いイニングを投げていきたかった」。納得はしなかったが次につながる87球だ。
後輩に負けるわけにはいかなかった。相手先発の細野は東洋大の3学年後輩。村上にとって、東洋大の後輩と投げ合うのはプロ初のことだった。大学4年時、当時1年生の細野を見て「投げている球はすごかった」と回想する。150キロオーバーを連発した後輩に対し、先輩はさすがの制球力で意地を見せた。【中野椋】