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“本音”で絆深めた和歌山大2連覇 練習中マウンド付近で緊急ミーティングも


大公大との最終節2回戦の大一番に先発し、仲間と健闘をたたえる和歌山大の島

<近畿学生野球:和歌山大7-1大阪公立大>◇4日◇第5節2回戦◇南港中央

創部100周年の国立の和歌山大が2季連続6度目の優勝を果たし、全国一番乗りで全日本大学選手権(6月10日開幕・東京ドーム、神宮)の出場切符をつかんだ。

大阪公立大に連勝して全校から勝ち点5を獲得。大原弘監督(58)は「(時間的に)全国トップちゃいますか? 何でも一番がいいですからね」と声を弾ませた。

社会人野球でのプレーを希望して“就活中”の最速142キロ左腕、島龍成投手(4年=履正社)が6回2/3を8奪三振1失点と力投。7回2死満塁であとを受けた同学年の近藤陽樹投手(市和歌山)は、見逃し三振に打ち取ってピンチを脱出し、ガッツポーズでほえた。島は「熱い男なんで、ここ大一番でほえたんじゃないのかなと。近藤さんは静かな方でなかなかほえない。かっこよかったです」とたたえた。「チームに救われてみんなで勝てた」と感謝し「みんなが大好き。みんなが誰かのためにプレーして自然に絆ができている」と目を細めた。

昨冬、過去最高のチームを目指そうと「本音」をテーマに、仲間内で思いのたけをぶつけ合った。ある選手が、練習中に自分へ憤りを感じ、その場でグラブをグラウンドへ投げつけた時のこと。丸山椰尋主将(4年=熊野)がマウンド付近にナインを集めて緊急ミーティングを行った。「なんでグローブを投げたんや。自分がどうしんどいのか、周りにも言わなわかれへん。言ってくれ」。そのナインは涙をこぼし、本音で打ち明けた。「優勝したいし、東京行って日本一になりたい」。その姿にナイン一同が「本音で言ってくれてありがとう」と泣き思いを分かち合った。島が絆を強調するように、ナインも「みんなが大好き」と口々につぶやくチームになった。

松田遼太捕手(4年=履正社)は「嫌なこと、言いたくないことは言い合った。絆でつながっていると感じます。僕らは技術だけじゃない。技術で戦っていたら僕らは勝てへん。本音や人の思いを大事に」と現チームのまとまりを明かす。

大原監督は「なんで強くなっているですか? って聞かれたら一言。『第1志望で来た子が多い』。不本意の子は踏ん張れないし、和歌山大で全国に行きたい選手が多い。今年で今の4回生は4年間で優勝が毎年できた。それがうれしい」と喜びに浸った。創立100周年で初めて秋春でリーグ連覇を達成。「報われてよかった」。監督は静かにつぶやいた。全国では初出場した17年の8強超えが最初の目標になる。【中島麗】

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