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【長嶋茂雄さんデビュー戦復刻】開幕戦で国鉄金田正一と対戦4打席4三振「ご覧の通りです」


巨人の終身名誉監督である長嶋茂雄さんが、89歳で肺炎により亡くなりました。この記事では、長嶋さんの1958年のプロ野球デビュー戦を振り返ります。その開幕戦では、巨人と国鉄が対戦し、長嶋さんが期待の新人として出場しましたが、国鉄のエース金田の前に4打席連続三振を喫しました。試合は延長11回まで進み、国鉄が町田の3ランホームランで勝利しました。この対決は、長嶋さんの野球人生のスタートを象徴する試合となり、彼のその後の活躍の一端を形成するものでした。

58年4月、巨人対国鉄 開幕スタメン出場を果たした巨人長嶋は、金田に三振を喫する

プロ野球の巨人の監督を2期15年にわたって務めた巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄(ながしま・しげお)さんが、3日午前6時39分、肺炎のため、都内の病院で亡くなった。89歳だった。読売新聞グループ本社、読売巨人軍、オフィスエヌが連名で発表した。

長嶋さんのデビュー戦を復刻する。

<1958年(昭33)4月5日>

パの6球団制実施によって懸案のセ、パ六・六制、各リーグ26回総当たり、総試合390試合の体制を整えた待望の58年度プロ野球ペナント・レースは快晴の5日後楽園(巨人対国鉄)川崎(大洋対阪神)広島(広島対中日)小倉(西鉄対阪急)奈良(大毎対近鉄)駒沢(東映対南海)の六球場で花々しく蓋(ふた)をあけた。正力国務相の始球式で開始された後楽園の巨人対国鉄は期待のルーキー長嶋とセ・リーグNO・1金田の対決で興味をいやがうえにも高めたが、結局金田無類の快投で国鉄が金星を挙げ、広島は20安打の猛攻で中日に大勝、大洋は延長の末阪神に敗れたが、その健闘は賞してよく、総じて下位球団の充実が目をひいた。また大川総裁の始球式で火ぶたを切った駒沢の南海対東映は新人杉浦の好投と四百フィート打線の猛打で南海が先勝、西鉄は阪急を、大毎は近鉄を危なげなく下して、パの初日は対照的だった。

★6戦ぶり緒戦負け★

○…金田会心のピッチングを延長11回、勝利に結びつけた町田の痛烈な左越え3ラン初ホーマーで、開幕第一戦を飾るにふさわしい国鉄の勝ち名乗りであった。勝つべくして勝った国鉄であり、投打に圧倒された巨人は当然の敗戦といってよい。勝負を決めた11回の国鉄は2死後からの攻撃にはじまった。ちょっとした気の緩みが藤田にあったのかもしれない。この回2死後の国鉄は箱田が中堅左に安打、すかさず2盗に成功した。佐藤は3-2から四球に歩いて一、二塁。ここで町田が1-0からの内角高めの好球を左翼スタンドへあざやかなライナーでたたきつけ、一気に勝負を決したものだった。国鉄はこの回なおも四球、二盗の佐々木を鵜飼が適時打してかえしたが、勝利は町田の一発で決まったといってよい。

★国鉄、再三好機逸す★

○…それにしても国鉄は随分まわり道をした。金田の快刀乱麻を思わせるピッチングに守られ、攻撃一本の立場にありながら重なるチャンスに有効打が飛び出さなかった。1回1死後箱田、佐藤が右へ連安打して立ち上がりの藤田をおびやかしたが、この好機に箱田が藤尾のけん制球に刺されて逸機、2、5回の得点機も藤田に決定打を浴びせることが出来なかった。最大の逸機は無死鵜飼が一塁線を破る二塁打に出た7回であろう。この絶好機すら国鉄の下位打線は生かせなかった。谷田の遊ゴロで三塁から鵜飼が強引に本塁をついて憤死したが、ここで外飛が出ていたら6回まで完全試合のペースで巨人打線を完封した金田だけに、それも不可能でなかっただろう。

★金田に鳴かず飛ばず

○…金田のピッチングは満々たる自信に力がプラスして文字通りエースの貫禄十分であった。フォークボールあるいはドロップを手際よく決めてカウントを有利に勝負どころには内外角に快速球を投じて巨人打線に乗ずる隙を与えなかった。1回与那嶺に8球、広岡を3球、続く期待の新人長嶋を4球で連続三振にきって捨てたピッチングによっても金田の出来がわかる。この金田にすっかりのみこまれたかのように、巨人打線の沈黙が続いた。バットを当てるのが精いっぱいという状態であり6回まで一人の走者すらも出せなかった。7回無死ではじめて与那嶺が3-2から歩き、広岡が初安打を右前に放ったが、この唯一のチャンスに長嶋が3度目の三振、川上、宮本からも適時打が出なかった。

★連安打で零敗を免れる★

○…藤田が国鉄の攻勢をかわすのに精いっぱいという中盤であっただけにこの逸機は大きい。11回裏土屋、藤尾の連安打から一点を報いたものの、焼け石に水で土屋を除く全員が14三振を喫して金田の左腕に屈服した。4安打散発では勝てるはずもないが、公式戦初登場の長嶋が4打席4三振で期待を裏切るなど巨人にとって最悪の開幕第一戦といえよう。【湯藤保】

★ご覧の通りの力不足★

巨人長嶋選手談 ごらんの通りです。僕に力がないからああいう結果が出たんですよ。

★上下の変化球に弱い★

国鉄金田選手談 長嶋君はきょうは僕の球を4打席とも三振に倒れたが、あの振りは実に素晴らしい。彼は少し打気に出すぎるというか気負いすぎていたようだ。それと彼のフォームで気づいたことはボディーアップすることだ。とにかく振りが鋭く小さいから横に変化するボールには強いと思う。しかし上下の変化球に弱いと思う。だが絶対に油断できない。

★長嶋はリキみすぎた★

巨人水原監督談 完敗だ。要所をしめてよく投げた藤田には気の毒な敗戦だった。点が取れないのでは負けるのもしかたがないだろう。金田はたしかによかった。長嶋は意気込みすぎてボールを振っていたが、長い間にはこういうこともあるのは当たり前なのだから少しも気にすることはない。あす2つもらえばいいのだ。

★文句のない勝利だ★

国鉄宇野監督談 金田が素晴らしいピッチングをして、四番の町田が決勝の3ランを打つなどウチとしてはまったく文句のない勝利だ。巨人は金田を打ち込むことに専念してきたようだが、この試合1つでは何ともいえんが、やはり金田がいることは心強いと今更ながら感じた。

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