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「満を持して」世代交代=西武、松井監督誕生―22プロ野球回顧(6)


 西武の松井監督誕生について問われた後藤オーナーの「満を持して」という言葉に、熱い思いがこもっていた。  松井監督就任への構想は、楽天から古巣に15年ぶりに復帰し、コーチ兼任となった2018年に始まっていた。昨季の最下位から3位に巻き返した絶好のタイミングで、17年から率いた辻監督からバトンを託された。  走攻守三拍子そろい、「ミスターレオ」と呼ばれたスター。18年限りで現役を引退した後は2軍監督を3年間、ヘッドコーチを1年間務め、指導者としてじっくり経験を積んできた。球団も20年から2軍の指導陣育成に力を入れて後押しした。渡辺ゼネラルマネジャーは「コーチングだったり、コミュニケーションだったり、座学も含めて勉強してもらってきた。いろいろ学んできたと思う」と振り返る。  最終段階を踏ませるかのように、今季は1軍ヘッドコーチとしてベンチで辻監督の傍らに立って采配を学んだ。「試合は常に動いている。流れの中でどういうサインを出すのか。出した時は意図を話していただいた。提案したこともあった」。大阪・PL学園高の後輩で、来季はヘッドに昇格する平石打撃コーチを含め、試合中に3人で意見を交わす姿は日常だった。  10月の就任会見では「自分らしく思い切ってやりたい」と語った。一緒にプレーした選手も多く、慕われていることも強み。来季からの5年契約を結んだ正遊撃手の源田は「普段からいろんな話をする。包み込んでくれる」と信頼感を口にする。長期政権も期待されている松井監督がタクトを振る機は熟した。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕西武の新監督に就任した松井稼頭央氏(右)=11月14日、東京都豊島区
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