圧倒された韓国＝勢い続かず―Ｗ杯サッカー

　反撃の糸口をつかめないまま、主審のホイッスルが鳴った。韓国はブラジルに完敗。気力を絞り尽くした選手の多くは、両膝に手をついたまま動けなかった。 　相手の圧倒的な個の力にねじ伏せられた。何度もサイドを突破され、ゴール前では軽快なパス回しに対応できない。前半だけで４失点。１次リーグを粘り強く勝ち抜いた姿とは対照的に、徐々に足が止まっていった。 　センターバックで奮闘した金英権は目を赤くしながら「１次リーグを突破できたのはうれしいし、今からが大事になってくる」と先を見据えた。ポルトガルを破るなどして、３大会ぶりに決勝トーナメントに進んだ価値は薄れない。 　ベント監督は就任してからの４年間で、ボール保持を重視する攻撃的なサッカーを浸透させてきた。今大会限りで退任する意向を示し、「このチームを率いることができて誇りに思う」。最後は屈辱を味わったが、胸を張ってカタールを去る。　（ドーハ時事） 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、ブラジルに４点目を決められ、ぼうぜんとする韓国の孫興民（左）＝５日、ドーハ（ロイター時事）