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母国の英雄にささげた白星=ディオプさんの命日に一丸―W杯サッカー・セネガル


 先制して主導権を握っても次の1点が決め切れない。セネガルにとってもどかしい時間が続き、後半22分に同点ゴールを奪われた。流れが一気にエクアドルに傾いてもおかしくない状況だったが、セネガルは踏みとどまった。  わずか3分後。FKのこぼれ球に主将のクリバリがうまく右足で合わせ、ゴールに押し込んだ。歓喜の輪の中心にはクリバリ。腕章には「19」と記されていた。それは母国の英雄、パパ・ブバ・ディオプさんが代表で背負っていた番号だった。  11月29日は「セネガルにとって特別な日」(クリバリ)。わずか2年前にディオプさんが42歳の若さで亡くなった日だ。その名が世界にとどろいたのは、チームが初出場した2002年日韓大会。開幕戦で前回王者のフランスから決勝点を奪うなど、8強入りの立役者に。セネガルは熱狂の渦に包まれた。  当時の快進撃に力をもらった代表選手は少なくない。GKのE・メンディは「彼に私たちのことを誇らしく思ってほしかった」と笑った。試合前には選手同士で集まり、「きょうは国のためだけではなく、ディオプのためにも勝たなければならない」と誓い合ったという。  02年大会以来の決勝トーナメント進出を果たし、シセ監督は「ここからは生きるか死ぬかの一発勝負。面白い試合になるだろう」と不敵に言った。近年は低迷が続いていたが、一致団結した今のチームなら20年前の快挙を再現できるかもしれない。(ドーハ時事)。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕後半、決勝ゴールを決め、喜ぶセネガルのクリバリ(左)。右は先制ゴールを決めたI・サール=29日、ドーハ(EPA時事)
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