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カタールにくすぶる人権問題=広がる抗議―W杯サッカー


 【ロンドン時事】中東で初開催となるサッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会開幕を20日に控え、開催国に厳しい視線が向けられている。カタールでは移民労働者や性的少数者(LGBTQ)に対する人権侵害が指摘され続け、選手の間で抗議の声が広がっている。  オーストラリア代表チームは10月下旬、カタールの人権問題を非難するメッセージ動画を公開した。「苦しんでいる移民労働者(の数)は単なる数字ではない」「性的少数者の権利を擁護する。カタールでは自らが選んだ人を愛することができない」。人権を侵害された人々の救済や同性愛関係の合法化を求めた。  欧米メディアによると、出稼ぎ労働者は競技場や地下鉄などの建設現場で過酷な労働を強いられた。人権団体は数千人が死亡したと主張。パリなどフランスの複数の都市は問題視し、パブリックビューイングを実施しない方針だ。W杯報道を拒否する仏日刊紙や、店内上映を中止するドイツのパブも出てきた。  カタールでは同性愛は違法。イングランドやフランス、ドイツなどの主将は、W杯で多様性や反差別を意味する「One Love」と記された腕章を着用する予定だ。イングランドのケーン主将は「あらゆる差別に共に立ち向かう。世界が見ている中で、明確なメッセージを発信できる」。デンマークは抗議の意を込めて、黒を基調としたユニホームを作製した。  カタール大会組織委員会は、最低賃金の導入など労働条件の改善実績を挙げ、「完璧な国はなく、どの国にも課題がある。全ての労働者の健康、安全、尊厳を守ることは優先事項だ。W杯は進歩、生活の向上といったレガシー(遺産)に貢献している」と強調した。  今月には大会アンバサダーを務める元カタール代表のハリド・サルマン氏が同性愛は「精神の傷」と発言し、批判が相次いだ。抗議の動きは、開幕が近づくにつれてさらに激しくなる可能性もある。国際サッカー連盟(FIFA)はW杯出場チームに対して、競技に集中するよう書簡で求めた。インファンティノ会長らの名義で「サッカーがイデオロギーや政治的な戦いに巻き込まれないようにしてほしい」とつづり、事態の沈静化を呼び掛けている。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕決勝会場となるルサイル競技場の建設作業の様子=2019年12月20日、カタール・ルサイル(AFP時事) 〔写真説明〕決勝会場となるルサイル競技場の建設作業に当たる労働者=2019年12月20日、カタール・ルサイル(AFP時事)
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