ヤクルトの山田、ようやく初安打＝さらに３ランも―プロ野球・日本シリーズ

　日本シリーズという大舞台で勢いを失っていた山田に、ようやく１本が出た。第１戦から快音がなく、三回に訪れた１２打席目。「一球一球、集中していくしかない」との決意を胸に、好投するオリックスの宮城からしぶとく内野安打。続く五回には均衡を破る３点本塁打を左翼席に打ち込んだ。 　第１戦で４打席連続空振り三振を喫するなど調子が上がらず、この日は中軸を外れて１番に打順変更。第１打席で三ゴロに倒れた後の第２打席。内角低めをえぐる直球に食らい付くと、打球はゆっくりと二塁手に向かって飛んだが、自慢の快足が生きた。 　トリプルスリー（打率３割、３０本塁打、３０盗塁）を３度も達成した好打者。だが、今季は打率２割４分３厘と低迷。リーグ優勝を決めた日は、「みんなの足を引っ張っていた」と涙を流した。 　高津監督は、長年チームを支えてきた山田を重要な短期決戦で控えに回すことはしなかった。「そんなに悪いとは思わない。スイングは強く振れている。まあ打ちますよ」。その信頼に応えた。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕５回、先制３ランを放つヤクルトの山田＝２５日、京セラドーム 〔写真説明〕５回、先制３ランを放ち、喜ぶヤクルトの山田（中央）＝２５日、京セラドーム