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男子100キロ超級、20歳の大器が初陣=斉藤、けが乗り越え―世界柔道


 柔道の世界選手権が10月6日にタシケントで開幕する。2024年パリ五輪まで約2年。日本勢の注目階級を探った。  ◇険しい日々を経て  豪快に一本を狙う20歳の心の内は繊細だ。男子100キロ超級で初の大舞台に挑む斉藤立(国士舘大)にとって、4月に体重無差別で日本一を争う全日本選手権を制してからの日々は険しかった。  全日本で右膝を負傷した後、学生大会に練習不足のまま出場して手や足首も痛め、悪循環に陥っていた。「自分は24時間、柔道をしている。私生活も練習のうち」と言うように、寝不足など小さな悩みも解消しないままでは、試合に臨みたくない性格。それだけに、けがと闘う中で感じていた不安の大きさは計り知れない。  7月のグランドスラム(GS)ハンガリー大会欠場が決まったときは、落ち込んだ。そんな斉藤に男子代表の鈴木桂治監督が声を掛けた。「現地で見るのと、映像で見るのとでは全然違う」。そう言われ、遠征に同行した。  最重量級に長年君臨するテディ・リネール(フランス)の優勝を、そこで目の当たりにした。「すごく組み手が速い。うまかった」と感じ、自分と戦う姿を思い浮かべた。世界選手権での対戦はリネールの欠場でかなわないが、高校時代に乱取りをしてもらった憧れの存在が避けて通れない相手だと改めて認識した。  我慢のときを経て、夏の代表合宿では乱取りができるまで復調した。2年後のパリ五輪を見据え、「自分の人生の全てを懸けて戦いにいく。勝ちにいく」と熱い思いを隠さない。苦しい時間を糧に、亡き父の仁さんが39年前に無差別級で頂点に立った畳へ上がる。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕柔道の世界選手権に向けた男子日本代表の強化合宿で、調整する100キロ超級の斉藤立(上)=8月2日、宮崎県延岡市
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