芯外し、ゴロの山＝東浜、９７球で大記録―プロ野球・ソフトバンク

　次第に高鳴る拍手を背に、腕を振った。ソフトバンクの東浜が９７球でノーヒットノーランを達成。「狙ってできるものでもない。プロ野球の世界でできたのは自信になる」と額の汗をぬぐった。 　カットボールやシンカーでバットの芯を外した。内野ゴロの山を築き、外野に飛んだのは１球のみ。二回と五回に四球で走者を出したが、ともに次打者を併殺に仕留めた。 　大記録が迫り「意識してマウンドに上がった」という九回。２死後、金子の詰まった打球にグラブを出して触れたが横を抜け、「いつも以上にそわそわした」。二塁手が処理し、マウンド上に祝福の輪ができた。 　２０１７年に１６勝を挙げて最多勝のタイトルを獲得し、日本一に貢献。その後も常勝チームを支えたが、２０年秋に右肩を痛めるなど故障の影響もあり、２桁勝利は１７年の一度だけ。「去年は自分の状態（けが）に目がいってしまった。その不安を取り除けたのが大きい」。ストライクゾーンで勝負できていることが今季４勝の安定感につながっている。 　来週は出身地の沖縄県で西武戦が開催される。「（プロ野球を）生で見る機会は小中学校の時はなかった。良いピッチングを子どもたちに見せられるように頑張りたい」。偉業の余韻に浸りつつ、視線を先に向けた。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕力投するソフトバンクの東浜＝１１日、ペイペイドーム 〔写真説明〕ノーヒットノーランを達成し喜ぶソフトバンクの東浜（左から２人目）とソフトバンクナイン＝１１日、ペイペイドーム