田中将、ピンチに動じず＝日本復帰後初の完封―プロ野球・楽天

　楽天の田中将はロッテ打線に付け入る隙を与えなかった。「やっぱりよかった。気持ちがいい」と表情を和らげた。日本での完封は、米大リーグのヤンキースに移籍する前の２０１３年７月以来だ。 　チームは連勝中で、その勢いに自らも乗った。「１０連勝中でマウンドに上がる機会は、なかなかない。いい緊張感の中で投げることができた」 　五回はさすがの投球術が光った。連打で無死一、二塁となり、先制点を奪われかねないピンチ。続く山口はバントの構えを見せた。「第一優先は前に転がさせない、バントをさせない」。追い込んだ後はヒッティングへの切り替えも想定し、ストライクゾーンからボールに外れていくカットボールで空振り三振に仕留めた。 　終盤になっても球威は抜群。八回の代打藤原に投じた４球目。ほえながら投げた直球は、捕手のミット目掛けて一直線。思わず球審が後ずさりするほどのすごみがあった。その裏には味方が５点を加え、完封をお膳立て。「僕一人の力じゃない。攻撃のサポートもあって、いろんなことがかみ合ってこういう投球ができた」と、仲間への感謝も忘れなかった。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕力投する楽天先発の田中将＝１０日、楽天生命パーク 〔写真説明〕ロッテに完封勝ちし、笑顔の田中将（左）＝１０日、楽天生命パーク