故障経て投げる喜び＝山崎伊、念願のプロ初白星―プロ野球・巨人

　不安なく投げられる喜びが、プロ初白星に凝縮された。巨人の２年目右腕、山崎伊は「手術を受けて、しんどい時もあったけど、いろんな人が支えてくれた。もっと勝利に貢献したい」。ヒーローインタビューで、テレビカメラにウイニングボールを掲げた。 　今季３度目の先発マウンド。切れのある球をテンポ良く投げ込んだ。五回２死一、二塁では代打藤田を変化球で二ゴロに。６回を３安打無失点の好投に「制球を意識してきた。絶対抑えようと頑張った」とうなずいた。 　嫌な記憶と決別した。東海大時代、この日と同じ横浜スタジアムで右肘を痛め、２０２０年に手術を受けた。ドラフト２位で入団した昨季はリハビリ。意識は高まり、長風呂や就寝前のケアは欠かさない。「１年前はブルペン投球すら、まだ。今は投げる喜びと感謝がある」 　登板間隔を空けるなど慎重な起用は続く。「まだ試練はあると思うが、自信にしてほしい」と桑田投手チーフコーチ。今季のチームでプロ初勝利を挙げたのは６人目。新芽が顔を出す投手陣が、好調を支えている。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕プロ初勝利を挙げた巨人の山崎伊＝２８日、横浜