相撲も心も「真っすぐに」＝阿炎、出直し１年新関脇―大相撲・なにわで飛躍（中）

　幕下から出直し、丸１年かけて自己最高位の関脇にたどり着いた。阿炎は３年前、新小結に昇進している。当時の自分自身と比べ、「気持ちの部分で大きく違うと思うし、違うようにしていかないといけない」と話し、春場所へ闘志を燃やす。 　幕内に復帰した昨年の九州場所で１２勝。続く先場所でも照ノ富士から金星を獲得するなど１２勝を挙げた。いずれも終盤まで優勝争いに絡み、「引き、いなしはすごく減った。攻める気持ちがすごく表れている」。相撲が変わってきたという実感がある。 　日本相撲協会が定めた新型コロナウイルス対策のガイドラインに違反し、一昨年に出場停止３場所などの処分を受けた。そこから、「相撲道について自分なりに考えるようになった」と言う。 　見詰め直したのが、「曲がらないメンタル面。気持ちの部分で真っすぐな人だな、と思われた方がいい」。目先の白星にこだわらない、迷いのない心が攻撃相撲を支えている。 　錣山部屋での生活を義務付けられて妻子と別居していたが、春場所後には一緒に暮らす予定だ。それも大きな励みで、「ここで満足してはいけない。たくさんの人に認めてもらえるような相撲取りになりたいと思っている」。父親として、さらに上を目指す力士として、なお成長する姿を見せたい。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕春場所へ向けて稽古をする阿炎（右）＝７日、東京都江東区の錣山部屋（日本相撲協会提供）