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選手躍動、影落とす難題=氷雪に残した汚点―北京五輪・閉会式〔五輪〕


 巨大な雪の結晶を模した聖火台の真ん中に小さく揺れる炎が、17日間の戦いを見守った。最終走者にウイグル族の選手が起用され、開会式から「五輪の政治利用か」と批判された北京五輪。しかし競技が始まると、人生を懸けて大舞台にたどり着いたアスリートの躍動と熱い思いで日々は満たされた。  二酸化炭素を使った最新の製氷技術で整えられたリンクは、選手の力を最大限に発揮させた。速度が出にくいはずの低地のスピードスケート会場では、五輪記録が連発。雪がめったに降らない張家口のスキー会場は人工雪で整備され、選手たちは最高峰の技で優雅に、激しく空中を舞った。  最大の懸念だった新型コロナウイルス感染対策は、外部との接触を徹底的に遮断した「バブル」方式が機能。大会組織委員会が連日発表した新規陽性者数は、終盤にゼロが並んだ。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は「陽性率は0.01%。世界で最も安全な場所の一つだ」と誇った。その一方で、数々の汚点が人々の記憶に残った。  スキー・ジャンプ混合団体では、スーツの規定違反により失格者が続出。唐突に思われたルールの厳格な適用に選手は心を痛め、新種目に泥を塗った。ショートトラックやスノーボードでは、不可解な判定や採点が相次ぐ。極め付きは、フィギュアスケート女子で15歳の金メダル候補によるドーピング問題の衝撃。スポーツ界が解決すべき難題が、真剣勝負の場でこれほど多く噴出した五輪も珍しい。大会前に中国共産党元高官からの性被害を告発した女子テニス選手の問題が、忘れ去られたかのようなトラブルの連続だった。  時に気温マイナス20度を下回った厳しい環境の中、91カ国・地域から約2900人が集った冬のスポーツの祭典。まつげも凍る極寒の地から世界へ発信されたのが、選手の情熱だけではなかったことが悔やまれた。2年後のパリ夏季五輪、4年後イタリアで行われる次回の冬季五輪に向け、IOCのかじ取りが厳しく問われる。(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕北京五輪の閉会式で、消えゆく聖火=20日、北京(AFP時事) 〔写真説明〕北京五輪の閉会式で入場する各国の旗手たち=20日、北京 〔写真説明〕閉会式で紹介された、次回開催地イタリアのミラノ、コルティナダンペッツォ=20日、北京
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