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自分にしかできない挑戦=平野歩夢選手、夏を経た心境〔五輪・スノーボード〕


 3度目の冬季五輪でスノーボード男子ハーフパイプの平野歩夢選手(TOKIOインカラミ)がついに頂点に立った。決勝3回目、最終滑走者で登場し、完璧な滑りで96.00点。スコット・ジェームズ(オーストラリア)を逆転した。「小さい頃の夢が一つかなった。やってきたことを全て出し切れた」  平野選手は、この舞台を「大きなチャレンジ」と表現した。15歳で出場した2014年ソチ五輪で銀メダル。今度こそ金と挑んだ18年平昌五輪でも2位。わずかに頂点に届かなかった。  今回、過去2大会とは全く心境が違う。18年秋にスケートボード挑戦を表明し、東京五輪に出場して考え方が変わった。「誰かと戦うというより、自分がどこまでいけるのか。今の方が気持ちが楽」と明かした。  スノーボードでは常にトップグループにいた。だがスケートボードでは下からの挑戦。目標は五輪優勝ではなく「出場」だった。「誰かに負けないようにということは考えず、自分のベストをどこまで見せられるのか。自分との戦いに集中できた」。純粋にうまくなるための努力。その感覚が新鮮で楽しかった。  東京五輪では予選落ちしたが充実感はあった。「スノーボードの大会に比べるとより楽しさが伝わり、みんなのフレンドリーさ、熱さ、ここでしか見られない景色、刺激的な部分も強かった」。冬とは「同じ五輪でも別物の世界観」と振り返る。周囲との戦いだけが競技ではないことを改めて感じ取った。  東京五輪の延期で、北京への本格的な準備期間はわずか半年しかなかったが、厳しい状況を正面から受け止めた。「自分にしかできない道を進むのが、この両立を目指したきっかけ。影響力、夢を与えられる立場になれれば」。そんな思いを込めて戦った3度目。金メダルという結果で、道を完成させた。(時事) 【時事通信社】 〔写真説明〕スノーボード男子ハーフパイプで金メダルを獲得し、日の丸を掲げる平野歩夢=11日、張家口 〔写真説明〕スノーボード男子ハーフパイプ決勝2回目の平野歩夢=11日、張家口 〔写真説明〕スノーボード男子ハーフパイプで金メダルを獲得した平野歩夢(中央)=11日、張家口 〔写真説明〕スノーボード男子ハーフパイプ決勝で演技を終えた平野歩夢=11日、張家口(AFP時事)
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