地元に歓喜もたらした２５歳＝バーティ、４４年ぶりに壁破る―全豪テニス

　クロスのパッシングショットを決めた瞬間、バーティは拳を握って雄たけびを上げた。４４年ぶりに地元にシングルスのタイトルをもたらし、「皆さんのおかげで思い切りプレーできた」。四大大会１１勝のロッド・レーバーの名を冠するセンターコートで、２５歳が大声援に応えた。 　安定感のあるプレーで第１セットを危なげなく先取した。第２セットはコリンズのパワーに押され、１―５とリードを許したものの、ここから逆襲。スライスショットで相手の勢いをいなし、回り込んでのフォアハンドも効果的に決まった。 　守勢でもベースライン深くにしっかりコントロールしたショットで、相手の動きを制限。最後のタイブレークは７―２と一方的だった。 　地元勢が優勝から遠ざかっていた間、全豪以外の四大大会は男子がパトリック・ラフター、レイトン・ヒューイット、女子ではサマンサ・ストーサーらが制していた。なぜか全豪制覇は高い壁となり、バーティは決勝へ進んだのも初めてだった。 　歴史を刻んだ世界１位は「夢が実現した瞬間。オーストラリア人であることを誇りに思う」と感慨を込めて話した。輝かしい勝利で四大大会全制覇へも全米オープンを残すだけになった。（時事）【時事通信社】