Bプレミアの信州ブレイブウォリアーズは、7月29日と30日の両日、上田市でサマーキャンプを開催。ジャッド・フラベルヘッドコーチ(HC)を含むコーチ陣と日本人選手が集まり、チームの全体練習が始まった。観覧に訪れた約250人のファンが見守る中、スキルトレーニングやシューティング対決を行ったほか、試合に近い形の練習メニューも消化。29日の練習後にはフラベルHC、トビンマーカス海舟、エリエット・ドンリーが記者の質問に答えた。
ジャッド・フラベルHCの練習後のコメント
ーーチームに合流した今の気持ちは
信州に来られて本当にエキサイトしている。来たばかりだが、新しいコーチや選手みんなが「ここに来たい」と思ってきているので、すごくエネルギーを感じている。まだ始まったばかりだが、すごく良い感じでやれているので、これからが楽しみ。
ーー信州で成し遂げたいことは
最初に青野GM(ゼネラルマネジャー)と話をさせてもらって、チームに対してどうしていきたいか、Bプレミアでどのようなチャレンジをしたいかなど、彼のビジョンを聞いた。新しいブランディングにもすごく感銘を受けて、新しいチームに生まれ変わっていくようなプロセスに関わりたいと思った。
自分のキャリアを考えても、人やチームと関係性を作っていくということにすごく興味を持っている。すごく良いメンバーが集まっているこの場に来て、一からチームを作っていくことに対して、自分はすごく感銘を受けたので、ここに来ることを選んだ。

ーーどのようなチームを作りたいか
まずは「ONE TEAM」で全員で一体感を持ってやりたいと思っている。一人の選手に頼るなどするのではなく、チームで何事もやっていきたい。組織、チームが一体感を持って、コート上で新しいバスケットを表現していきたいと思っている。
ディフェンスでは、みんなで喋って、五人全員が連携を取って、一つとなって動くことを目指している。オフェンスでは、ボールを動かして相手を崩すことがバスケットボールの美しさであると思っている。それぞれの役割がある中で、しっかりとボールを動かして、コネクトされた状況で相手を崩していきたいと思う。
ーーBプレミアという大きな舞台での挑戦を前に、キャンプ初日にはどのようなことを話したか
おっしゃる通り、Bプレミアでプレーすることはビッグチャレンジになると思う。 でも、選手たちはそれに対してすでに心が整ってるというか、もう準備ができていると感じた。 たくさんのことを短い時間で学ばなきゃいけない。 本当にチームもスタッフも入れ替わってしまったので、そういった面ではやることがたくさんあると思っている。
高い価値があるということは、スタイルやアイデンティティーをどれだけ作れるかだと思っていて、どういったアイデンティティーを持てば成功できるかということを選手たちとは話した。
自分の姿勢としては、ディフェンスを最初に考えたい。 なので、コートではフィジカルなプレーをしたいし、フィジカルなチームだと相手から認められたい。 シュートは入らない時もあるので、それでも勝つ機会を得るためには、リバウンドやどれぐらい一体感を持ってプレーするかが大切になってくると思う。 シュートが本当に入る日もあると思うので、それはもうボーナスだというぐらい、毎試合勝つチャンスがあるために、ディフェンスを5人一体となってできるような、そんなチームを作りたいという話をした。
ーーニュージーランド流の指導とは
ニュージーランドはフィジカルなスタイルで、ラグビーとかでも知られていると思うが、自分にとって、それを教えることはすごく自然なこと。少しでも相手を押していきたいし、力で勝ちたいし、圧を相手に感じさせたいと思っている。 なので我々は、対戦相手から「ファーストヒットで勝つ」チームだという怖さを持ってほしいと思っている。
ーー新加入選手に求めることは
選手を選ぶにあたって、たくさんのポジションをこなせるバーサタイル(万能)な選手を探していた。 そこでまずはトビンマーカス海舟選手。 彼は複数のポジションもこなせるし、これからどんどん成長する選手だと思っている。
古川(孝敏)選手は、経験があって世界レベルのシューター。すでにチームメイトへの影響力がものすごくて、本当にいてくれるだけで価値がある選手だと思っている。
加藤ダニエル選手は、ビッグマンの選手でまだまだ若いが、信州に来た理由は「ここで成長したい」だった。我々は「信州に来たら選手もスタッフも成長できる」というチームを目指しているところもあるので、加藤選手の成長もぜひ見ていただきたい。
星野京介選手は信州に戻ってきてくれた選手(3季ぶりに復帰)。彼自身もプレミアでプレーできることを証明したいと思っていた。組織としても、ハングリーで一生懸命やりたい選手たちが、「ここに来たい」と思えるような組織を目指しているので、本当に来てくれてありがたいと思っている。
帰化選手の河田チリジ選手は本当に大きい選手。フィジカルにプレーしたいので、そこでチームをリードしてくれる選手として彼を選んだ。 本当に彼がその部分でチームを引っ張ってくれることを楽しみにしている。
ケボン・ハリス選手は二番も三番も、時には一番もこなせるガードの選手。そこでまた新しいオプションをもらえたり、バーサティリティでたくさんのポジションを一気にこなせたりということで、コーチとしてはいろんなポジションで彼を使うということで、選択肢が増えるということになる。
マーカス・リー選手は、オーストラリアのNBLから来る選手で、自分は「コネクター」って呼んでいる。小さいことを徹底して賢くやってくれる選手なので、チームの架け橋になってくれる選手だと思っている。
ーーチームには日本代表を目指す選手もいる。代表選手になるために必要なこととは何か
まずは「代表選手になりたい」と選手が強く思うこと。それは選手が自分で決めなきゃいけない。何をしたいかとかどうなりたいかとか、代表選手になりたいって正直言って誰でも言う。
一番大事なのは選手が自分自身で決断をして、その環境をチームが整えていく。そしてそれを習慣にしていくということがすごく大事。コーチというのは継続して努力できる選手とか、成長していく選手というのはすごく好き。なぜかというと、そういう選手は信頼ができる。そういったものが続いていけば代表選手という道も開けてくると思うし、信州にとって代表選手を輩出するっていうことが、おそらく究極の成功例の一つになるんじゃないかなと思っている。選手と一体となって挑戦していきたい。
トビンマーカス海舟の練習後のコメント
ーー上田でのキャンプを振り返って
楽しかった。本来外国人のコーチは遅めに来るけれど、ジャッドさんはもう一緒に練習している。コンセプトやどんなプレーをしたいかをインストールした。プレシーズン前にお客さんの前で練習できたことがとても楽しかった。キャンプだったので、仲間ともホテルで話して、仲良くなれたと思うので、それも楽しかった。

ーーフラベルHCの指導の印象は
最高だった。 僕はロサンゼルス五輪で日本代表に入るために、いろんなことができるようにならないといけない。リングにアタックしたり、スクリーンセットしたり、ドライブして仲間が空いていたらキックアウトしたりとかするプレースタイルが大好き。ジャッドさんも同じ考え方を持っていて、最高だなと楽しみながらバスケをした。
ーー信州を選択した理由は
Bリーグユナイテッド(『B.LEAGUE GLOBAL INVITATIONAL 2025』)の時に、オーストラリア人選手と勝負したら、そのバスケットスタイルが僕にはすごく合っていた。オフェンスでもディフェンスでもすごく楽しかった。Bプレミアのオン・ザ・コートルールについて心配している人もいるけれど、僕にとっては良いチャレンジだと思う。代表チームに入るだけじゃなくて、入って活躍するためにはBプレミアの雰囲気で活躍できることが大事だと思ったし、ジャッドさんはニュージーランドの代表ヘッドコーチでもあるので、信州を選んだ。あとは、エリー(エリエット・ドンリー)がハワイの人なので、それも楽しそうで選んだ。
エリエット・ドンリーの練習後のコメント
ーーフラベルHCの印象は
本当にポジティブな人だと感じている。はっきりした声で何をしてほしいのか、何をしてほしくないのかを伝えてくれる。
ーーフラベルHCから求められていることは
役割ははっきりとは言われていないが、ハンドラーなど、いろんなポジションができるような選手になりたい。このトレーニングキャンプでも4番ポジションに取り組んだ。

ーーチームの雰囲気はどうか
すごく良いと思う。みんながちゃんと話しているし、コミュニケーションも取れている。みんながリーダーシップの面でも自己責任を取っているし、やる時はちゃんとやって、やらない時は休んだりと、一生懸命頑張っていると思う。本当にポジティブな雰囲気があると思う。
ーーコミュニケーションで意識することは
ジャッドさんは日本語を知らないので、その中で僕は英語も日本語もできる。そういう点では、ミスコミュニケーションがある時や、通訳が必要な時は、ちゃんと僕からもみんなに伝えることが大事だと思っている。
ーーBプレミアへの挑戦を前にして、どんなことを意識しているか
大きなチャレンジになると思うが、メンバーの中でもハードルが高いことは知っている。僕たちができることは、プレッシャーをかけたり、ジャッドさんのオフェンスやディフェンスを成功できれば勝ちにつながると思う。細かな部分が上手くなっていければプレミアでも勝てると思う。
(芋川史貴)
