【ニューヨークAFP=時事】ジェニファー・エリスさん(42)は、バーニー・サンダース上院議員に会ったことは一度もない。ただ、ジョー・バイデン米大統領の就任式で話題になったサンダース氏のミトン(親指だけが分かれた手袋)を作った人物として、時の人となっている。(写真は米連邦議会議事堂前で行われた大統領就任式に出席するバーニー・サンダース上院議員)
 小学校の教員であるエリスさんは、バーモント州エセックスジャンクションで平穏な日々を送っていたが、それは就任式が行われた20日に一変した。バイデン氏が宣誓する中、エリスさんはいつも通りオンライン授業をしていると、携帯電話のメッセージ着信音が鳴り始めた。
 エリスさんがAFPのビデオインタビューで語ったところによれば、メッセージの文面はどれも一緒だった。「バーニー・サンダースがあなたのミトンをつけている!」
 ミトンはウールのセーターを再利用したもので、裏地にはペットボトルをリサイクルしたフリースが使用されている。サンダース氏のファンであるエリスさんは、2016年大統領選の民主党予備選でヒラリー・クリントン氏に敗れたサンダース氏を慰めようと、ミトンを1対贈った。同氏がそのミトンを気に入ったことは、共通の知人を介して知った。
 昨年サンダース氏が大統領選の民主党候補指名争いに再び参戦した際、エリスさんは同氏がミトンを着用していたものの他人に貸してしまったことを知った。これに感動したエリスさんは、新たに10対のミトンを同氏に贈った。その件でエリスさんは言いはやされることもあったが、今回の就任式以来の騒ぎとは比べものにならなかった。エリスさんの携帯電話が鳴りやむ気配はなく、メールの受信ボックスは爆発しそうだ。
 また、地味な冬用コート姿で足を組み、華やかさが何一つないサンダース氏を捉えた写真は、ミーム(インターネット上で共有される笑いを誘う画像)となって拡散した。
 エリスさんは「みんなとても面白いですね。これこそが今私たちが必要としているもの。多くの人にとって今は本当に厳しい時で、みんなつらい1年を送ってきた。全く無害で、政治色のない笑いが求められている」と話した。

■販売の意向なし
 手作りのミトンを買いたいという人々から2日間で約1万3000通のメールを受け取ったと、エリスさんは話す。
 大金を稼ぐことができるかもしれないが、エリスさんは殺到する要望に応えることはできない。ミシンは30年前に買ったもので、エリスさんには教員としての仕事もある。ましてやエリスさんにその気はない。
 「わたしが高値を吹っかけ始めたら、ミトンの良さが損なわれてしまうと思う」
 それよりもエリスさんは5歳の娘ら家族と過ごす時間を選び、ミトンをネット上で販売する人がいれば成功を祈るとしている。22日には複数のウェブサイトで、エリスさんが作ったものと全く同じだとうたうミトンが1対85ドル(約8800円)で販売されていた。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2021/01/25-11:28)

情報提供元:時事ドットコム ワールドアイ
記事名:「【こぼれ話】サンダース氏のミトンの作り手、一躍有名に 2日で1万3000件の問い合わせ