【ベルリンAFP=時事】ドイツ沖のバルト海で先月、海底で70年以上にわたり眠っていたナチス・ドイツの暗号機「エニグマ」が見つかった。発見したダイバーらは4日、この暗号機を修復作業のため博物館に引き渡した。(写真はドイツ北部沖のバルト海の海底で見つかったナチス・ドイツの暗号機「エニグマ」)
 ダイバーらは、世界自然保護基金からの依頼でドイツ北東部ゲルティング湾に潜り、廃棄された漁網を探していた際に暗号機を発見した。
 ダイバーのフロリアン・フーバーさんはDPA通信に対し「仲間の一人が上がってきて、『古いタイプライターが入っている漁網がある』と言った」と説明。ダイバーらはすぐに歴史的遺物を発見したことに気づき、当局に知らせた。
 シュレスウィヒ・ホルシュタイン州の考古学局を率いるウルフ・イッケロット氏によると、暗号機は同州にある考古学博物館で今後1年ほどかけて修復された後、展示される予定。
 ドイツ海軍協会の歴史家、ヤン・ウィット氏はDPA通信に対し、暗号機は第2次世界大戦末期、ドイツの軍艦から海中に投棄されたものとの見方を示した。暗号機には3つのローターがあり、ナチスの潜水艦Uボートはより複雑な4ローター式のエニグマを使用していたため、沈没した潜水艦で使用されていた可能性は低いという。
 エニグマの暗号は1941年、現代のコンピューターの父とされる英数学者アラン・チューリングが率いるチームが解読に成功。連合軍はこれにより、ドイツ軍の動きに関する重要な無線通信を解読することが可能となった。歴史家らはエニグマの暗号解読により、終戦が2年ほど早められたと考えている。
 暗号解読の経緯は2014年、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』として映画化され、チューリングを演じた英俳優ベネディクト・カンバーバッチさんは米アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2020/12/07-11:12)

情報提供元:時事ドットコム ワールドアイ
記事名:「海底に眠るナチス暗号機「エニグマ」 ダイバーらが発見