1960 年生まれ。秋田県出身。東北大学経済学部を卒業後、株式会社日本リクルートセンター(現・株式会社リクルートホールディングス)へ入社。
その後日本火災海上保険株式会社(現・SOMPOホールディングス株式会社)支店長、株式会社オークネット執行役員、株式会社アソシア(現・株式会社あそしあ少額短期保険)代表取締役社長を歴任。
2020年4月に当社入社、本部長、取締役を経て2022年10月より代表取締役社長。趣味は登山、ゴルフ等。
「よりよい人生をつくる。」という企業理念と、「創造する力とおもいやり、おもてなしで、人々の心を満たし、活力ある社会の実現を支えます。」という存在意義(パーパス)のもと、婚活、カジュアルウェディング、ライフ&テック、地方創生領域において、お客様が求める独自サービスを創出。起点となる婚活・カジュアルウェディング領域の主なサービスとして、結婚相談所「パートナーエージェント」、挙式披露宴等プロデュース「スマ婚」、結婚式二次会「2次会くん」、フォトウェディング「studio LUMINOUS」を展開。加えて、ライフ&テック領域として、保険販売や婚活事業者間の相互会員紹介プラットフォーム「CONNECT-ship」を運営。
地方創生領域では、婚活支援システム「parms(パームス)」の提供、婚活支援センターの運営受託、各種イベント・セミナーの運営を行う。年間の成婚組数と結婚式プロデュースの総数は7,000組を超える。
貴社のこれまでの事業変遷について
当社はもともと、婚活事業を営む「株式会社パートナーエージェント」という会社でした。この会社が2019年4月にカジュアルウェディング事業を営む「株式会社メイション」をグループ化し、2020年10月に両社を統合し、新しく「タメニー株式会社」となりました。
私は2020年に取締役として当社に参画しました。そして、「婚活事業」「カジュアルウェディング事業」に続く第三の事業として、結婚から墓場までの様々なライフイベントに対応した商品やサービスを提供する「ライフスタイル事業」を確立するミッションを担いました。しかし、コロナ禍の影響によってカジュアルウェディング事業が大打撃を受け、現在はライフスタイル事業の確立まで至っていない状況です。但し、今期の重点テーマである、この状況からいかにV字転換を図るかについては、各種取り組みが着実に進展していると感じています。
これまでぶつかってきた組織課題
一番大きな組織課題となったのはコロナ禍に伴う従業員の退職です。
繰り返しになりますが、2020年4月のコロナ禍で、特にカジュアルウェディング事業が大きな打撃を受け、同事業の売上はピーク時の約30%まで落ち込みました。結婚相談所の店舗数も、27店舗あったものが17店舗まで減少し、結果として会社全体の売上も半分程度に落ち込みました。これにより、従業員数はピーク時の約600人から309人(2023年9月30日時点)まで減少しました。
こうしたなかで、半減した従業員でどのように事業を立て直すかを考え、改めて生産性を見直すこととしました。これはもともとの課題でもありましたが、コロナ禍を機により迅速に進めたことで、現在の組織規模は事業規模に合った適正な人数になり、筋肉質でスリムな組織のもと業績も徐々に回復が見えてきました。当社に残ってくれた従業員には非常に感謝しています。
社長が考える、今の時代に必要な従業員との向き合い方
当社では「従業員のウェルビーイングの実現」を大切にしています。この想いを明文化したものが2020年10月の経営統合の際に定めた「よりよい人生をつくる。」という企業理念です。
この理念はもちろん、お客様や会員様の人生をよりよいものにすることが目的ですが、「ウェルビーイングの実現は、従業員から始まる」というのが私たちのモットーでもあります。まずは従業員自身が幸せな人生を送ることが大切で、その結果としてお客様や会員様の人生をよりよいものにしていきたいと考えています。
従業員の価値(人的資本)向上に向けて取り組んでいることやこれから取り組もうと思っていること
人事制度や福利厚生などにおいてまだまだ様々な問題はありますが、従業員のウェルビーイングを生み出す上で最も重要なのは「評価の適正度」だと考えています。これを実現するために、人事評価制度を刷新し、MBO評価を2020年に導入しました。徐々にではありますが、定着してきていると感じています。
また、当社独自の取り組みとして身の回りの人の誕生月に休暇を取得することができる「パートナーバースデー休暇」という制度があります。以前、この制度は交際相手または配偶者の誕生月にしか取得できなかったのですが、従業員の多様性を考慮し、独身の従業員やシングルで子育てをしている従業員など、様々な状況に対応できるように改善しました。具体的には、二親等までの範囲へ対象が拡大されたことで、例えば、自分の親の誕生月にも休暇を取得できるようになりました。
この変更は、従業員からの意見を受けた人事部門が迅速に対応し、制度として反映したものです。今後も、従業員からの意見を積極的に取り入れ、よりよい制度を構築していきます。
今後の展望と従業員への期待について
我々の婚活事業は、少子化緩和という国家課題を解決することができると思っています。
今後は、自治体に対する地方創生事業にもますます力を入れ、日本全国の社会課題を解決していきたいと考えています。加えて、従業員の賃上げにも取り組んでいきます。賃上げをしっかりと実現していくためにも、まずは主力事業での黒字化を達成し、原資の拡充に努めます。
- 氏名
- 栗沢 研丞(くりさわ けんすけ)
- 会社名
- タメニー株式会社
- 役職
- 代表取締役社長