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自分に合ったアセットアロケーションの探し方|資産配分の考え方と具体例を解説


アセットアロケーションとは何か

資産クラス(asset)には、株式、債券、不動産、現金、金、暗号資産(BTCなど)のような種類があります。これらをどのように組み合わせて(allocation)資産形成を行うかを決めることをアセットアロケーションと言います。

アセットアロケーションの多様化は、個別資産の価格変動リスクを抑え、全体のポートフォリオの値動きを安定させることができます。どんなに優れた投資家でも未来を完璧に予測することはできないですね。そのため、分散によって不確実性に備えることが重要です。

投資のリターンの大部分はこの資産配分によって決まるといってよいでしょう。個々の銘柄選定やタイミングよりも、どの資産クラスにどれだけ配分するかが長期的な成果を大きく左右しますね。

アセットアロケーションとポートフォリオ

アセットアロケーションは資産の組み合わせや配分そのものを指します。ポートフォリオはそれを具体的な金融商品(ETFや投資信託、個別株など)で実現したものを意味します。たとえば、米国株式80%、現金20%の配分のアセットアロケーションを組んだ場合、具体的には資産の80%をVOO(バンガード・S&P500 ETF)で保有し、残りは普通預金で運用するといった形ですね。

資産配分の具体例

・60:40ポートフォリオ

株式60%、債券40%の構成は、今日では伝統的と称される基本のような配分ですね。

20世紀前半、株式の比率は低いのが一般的でした。1950年代以降の好調な米国経済のもと、機関投資家も株式の比率を増やしたのがこの頃でした。誰が最初に提唱したかは定かではありません。しかし、少なくとも1960年代から使われ始めました。

今でも、ことあるごとに基本となる資産配分として用いられていますね。

・パーマネントポートフォリオ

大統領候補にもなったハリー・ブラウン氏が提唱した資産配分です。配分は、米国株25%、米国長期債25%、現金25%、金25%です。

これは、4つに分かれる経済の波に基づく配分です。好景気時は株式も好調となります。デフレや金利の低下時には長期債が効果を発揮します。インフレや経済危機の時には金が保護手段となりえます。そして不況時に備えて現金を保有するという形です。

・オールウェザーポートフォリオ

著名な投資家レイ・ダリオ氏が推奨する資産配分です。配分は、米国株30%、米国長期債40%、米国中期債15%、金7.5%、コモディティ7.5%です。

経済には経済成長期、経済停滞期、インフレ期、デフレ期の季節があり、どの時にも堅実にリターンを得られるような配分となっています。オールシーズンズ戦略とも呼ばれていますね。経済の波を意識する考えは、パーマネントポートフォリオに近いです。

オールウェザーポートフォリオは、のちにリスクパリティ型の配分の初期として知られるようになります。リスクパリティとは、各アセットのボラティリティの割合を均等に分散させる投資手法です。価格変動をマイルドに抑えることで、どのような相場でも持ち続けられるよう設計されているわけですね。

・カウチポテトポートフォリオ

米国の金融記者スコット・バーンズ氏が1991年に提唱した資産配分です。非常にシンプルで、株式50%、債券(+現金)50%という構成です。管理が簡単で、資産の入れ替えも最小限で済みます。そのため、コストもかからず合理的な運用といえますね。

カウチはソファーを意味します。ポテトは直訳すればジャガイモですが、スラングとして、怠け者、だらだら過ごす人といった意味を含みます。カウチポテトポートフォリオは、ソファーの上でごろごろしている人のように、頑張らなくても気楽に資産運用ができるという意味合いですね。それだけ管理がシンプルで簡単な資産配分というわけです。

・ウォーレンバフェットが妻にあてた遺言

著名な投資家ウォーレン・バフェットが妻に宛てた遺言に、資産をどのように運用するかが示されています。この内容は、彼が立ち上げた投資持株会社バークシャーハサウェイが発行する2013年の株主への手紙に書かれています。その内容はとてもシンプルで、米国短期債10%、S&P500に90%というものです。

彼自身はアクティブに運用していますが、投資に明るくない彼の妻に関しては、この資産配分が最適と考えてのことなのでしょう。様々紹介してきましたが、現時点で見ると、やはりバフェット氏の提案がもっともしっくりくるように思います。

たぱぞう的アセットアロケーション

ご紹介の通り、伝統的なアセットアロケーションは、株式と債券から構成されています。主にキャピタルを狙う株式と、主にインカムを得る債券ですね。ただし、昨今の債券安は示唆に富むものとなりました。つまり、ゼロ金利時の債券購入はリスクが高いということです。先の様々なポートフォリオですが、金利安の時に提案されているものもあります。

機関投資家でも債券安の影響で大きく損失を出しているところがあります。逆に、現状のような金利高では比較的安心して入れるアセットとなるでしょう。

最近はオルタナティブなアセットを組み入れるアセットアロケーションも推奨されるケースが増えてきました。伝統的な株式や債券以外、不動産や金、石油などが代表的な例ですね。

私自身が実際に行っている運用は、債券の代わりにハードアセットやBTCなどを取りいれています。個人的には70%〜80%が米国を中心とした株、BTCまたは金10%〜20%、現金〜10%程度が心地よいかと思います。

米国株市場の安定性・成長性は投資対象として外せません。私はまだ資産の大部分を米国株に投資するのが最適だと考えています。次に多いのはBTCまたは金としています。いろいろと議論はありますが、特にBTCは長期的な目線では持っていてよい資産だと考えています。

暗号資産は数年前に米政府がETFを承認したことなどをきっかけに、海外では投資対象として考えられるようになってきました。日本ではまだ認められていませんが、今後日本でも同様の展開が期待されます。BTCに抵抗がある場合は金でも良いでしょう。

現金は多くて10%程度としています。これは少ないほうだと思います。全員に合うわけではないので、過度なリスクは禁物です。とはいえ、運用年数が取れ、インカムに恵まれる勤め人であれば、生活防衛資金を半年ほど用意し、残りをリスク資産に振り分けるぐらいが程よいでしょう。ただし、変動が激しくなりますので、繰り返しますがリスク許容度との兼ね合いになります。

最適なアセットアロケーションとは

このように、いくつかのアセットアロケーションを示しました。日本人は金融資産の多くを日本円の預金や国内資産に偏っています。海外資産への分散投資はリスク低減だけでなく、将来性を見据えても必須といえるでしょう。

では、最適なアセットアロケーションとはどの資産をそれぞれどの割合で持つことなのでしょうか。あえて答えるならば、投資家の数だけ答えがある、となります。

アセットアロケーションは年齢やライフステージ、資産規模、リスク許容度によって最適解が異なります。例えば、若い世代や資産形成期には株式比率を高めてリターンを狙うのが良いでしょう。長期的な運用は勝率を高めますし、稼ぐ力があり、資産額も少ないうちはやりなおしやすいからですね。

資産を拡大したいならば、事業性のある実物不動産を取り入れることも考えられますね。そして、ある程度資産が増えてきたら債券や現金、REITの比率を高めて守りを固めていくのも良いでしょう。

いずれにせよ、自分のゴールやリスク許容度を明確にし、それに合わせて配分も調整していくことが重要ですね。今回、多くのアセットアロケーションを例示しましたが、それぞれにストーリーがあり、投資哲学があります。それらも参考にしつつ、自分なりのアセットアロケーションを組んでいくのが何よりの最適な投資法といえるでしょう。

※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。
※本稿は著者の見解に基づくものであり、Wealth Roadの運営会社の見解を示すものではありません。


著者:たぱぞう(資産管理会社経営/投資顧問会社アドバイザー)
2000年より投資を始める。2010年以降、米国株投資を中心に行う。2016年自らの投資観をブログにて書き始める。投資に特化したブログとしては出色のPVを誇る。2017年から2025年春まで、某投資顧問業にてアドバイザーを務める。この間、日経マネー、日経ヴェリタス、ダイヤモンドZAI、ITmediaなどのメディアに複数回取り上げられる。「誰でもできる投資術」「誰でもわかる海外投資」をモットーに執筆中。「米国株を語る会」を開き、投資について語り合う場づくりをしている。

参考文献

パーマネントポートフォリオ
https://en.wikipedia.org/wiki/Fail-Safe_Investing

オールウェザーポートフォリオ
https://www.youtube.com/watch?v=AAGlL7VPNDQ

リスクパリティ
https://en.wikipedia.org/wiki/Risk_parity

60:40
https://www.vtx-is.com/research_colum_data/detail/1

60:40は20世紀後半、1960年台にようやく出てきた
Chambers et al.(2020)Financial Analysts Journal
https://www.tandfonline.com/doi/pdf/10.1080/0015198X.2020.1802984

1950-60年代は好調だった米国経済
http://kccn.konan-u.ac.jp/keizai/america/02/frame.html

カウチポテトポートフォリオ
https://en.wikipedia.org/wiki/Scott_Burns_(newspaper_columnist)

バークシャーハサウェイ株主への手紙2013
https://www.berkshirehathaway.com/2013ar/2013ar.pdf

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