EY調査、企業の気候変動対策の遅れが世界の環境目標を危険にさらす
EYの2024年グローバル気候変動アクションバロメーターによると、気候変動リスクに対する計画を策定している企業はわずか41%で、ほとんどが財務上の具体的なコミットメントを持たない現状が明らかになりました。特に中国や米国など大排出国の対応が遅れており、パリ協定の目標達成に大きな影響を及ぼす可能性があります。多くの企業が短期的な温室効果ガス削減目標を持つ一方で、長期的な視点に欠けており、このままではネットゼロの目標達成を妨げる恐れがあります。EYは企業に対し、迅速に対策を講じ、詳細で科学的根拠に基づくシナリオを策定することを求めています。
- 大多数の企業は、ネットゼロに備えるための財務上のコミットメントを行っておらず、事業運営費の支出(OPEX)を開示したのはわずか4%、設備投資の支出(CAPEX)を報告したのはわずか17%
- 温室効果ガス排出に関する長期的なコミットメントを世界的に設定しておらず、ほとんどの企業は、あらゆる種類の排出に対して寛容な態度を示している
EYは、世界中の組織が気候変動によってもたらされるリスクをどの程度開示し、対処するための行動をとっているかを調査する「2024 グローバル気候変動アクションバロメーター(以下、バロメーター)」を公開しました。本調査により、気候変動リスクに取り組むためのアクションプランや財務上のコミットメントを世界的に怠ったことが、重要な地球環境目標の進捗の停滞を招いていることが明らかになりました。
2024年で6年目を迎える当バロメーターは、51カ国、13業種、約1,400社の企業の移行計画(*)や、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)が定めた11の提言に基づく情報開示を通じて、その取り組みを精査しています。TCFDは、気候関連の財務データの報告の改善と増加を目的として設立されています。
(*) 企業が低炭素経済への移行のために1.5℃目標に整合した目標を掲げ、削減目標の達成に向けて取り組む計画のこと。
当バロメーターは、企業の開示提言の数(カバレッジ)と、各開示提言において提供される詳細の程度(品質)で企業を採点します。調査が始まって以来、提言において少なくともある一定の情報を提供している企業の数は、最高水準にあることが示されています。スコアが100%の場合、すべての提言について情報が開示されていることを意味し、2024年のカバレッジの平均スコアは94%で、2023年の90%から向上しています。
しかし、開示の質は依然として憂慮するほど低いままです。平均品質スコアは54%で、昨年2023年の50%からはわずかに上昇しているものの、多くの企業が顧客や投資家、その他のステークホルダーに対する詳細情報の共有を避けていることを示しています。スコアが100%の場合は、必要なすべての詳細が開示されていることを示します。開示記録の質が最も高い国・地域は、英国(69%)、韓国(62%)、日本(61%)、南ヨーロッパ(61%)、西・北ヨーロッパ(61%)で、中東(29%)は最下位に位置しています。
この最新のバロメーターは、企業が、排出量や気温上昇の抑制、気候変動の影響への適応能力の強化といった2015年のパリ協定の重要目標を達成するための準備ができていないことを鮮明に示しています。気候変動のリスクを軽減するための移行計画を策定していると回答した企業は5分の2強(41%)に過ぎず、5分の1強(21%)が将来的に策定する予定であると回答し、38%はそのつもりはないと回答しています。
世界最大の排出国における移行計画の採用率はさらに低く、中国ではわずか8%、米国ではわずか32%です。対照的に、英国とヨーロッパにおける移行計画の採用率はそれぞれ66%と59%で、これは主に規制制度の功績であり、行動を推進する手段として規制が重要であることに基づいています。
移行計画のための明確な財務上のコミットメントを行っている企業がさらに少ないことが、この問題を悪化させています。日々の事業運営から生じる支出(OPEX)を開示しているのはわずか4%、設備投資(CAPEX)を報告しているのは17%であり、企業がアクションプランを持っていても、それを実行する準備ができていないことを示しています。
EY Global Climate Change and Sustainability Services(以下、CCaSS)リーダーのMatthew Bell(博士)のコメント:
「行動を伴わない野心はどんなに良い時でも無意味ですが、地球規模の気候緊急事態に直面している時、それは危険な状態と言えます。企業は気候変動リスクに関する報告の改善に向けて小さな一歩を踏み出しているようですが、それは、全力疾走が必要とされているにもかかわらずゆっくりと這(は)うようなペースであり、リスクはこれ以上ないほど高くなっています。
気候変動に真剣に取り組む企業は、猛烈なスピードで行動し、真に厳しい目標に基づいて移行計画を策定する必要があります。現状では、そういった企業は非常に不足しており、企業の未来、そして地球全体の未来に壊滅的な結果をもたらす可能性があります」
バロメーターにおける明るい結果は、TCFDが推奨するシナリオ分析を使用し、気候変動リスクの規模とタイミングを評価する企業が増えていることです。その数は全体で67%、2023年の58%から上昇しており、過去数年からも上昇傾向が続いています。また、そのうちほぼ4分の3(71%)が定性分析と定量分析の両方を使用しています。
しかし、シナリオの調査結果を財務報告書に反映している企業はわずか36%と非常に少なくなっています(2023年の33%、2022年の29%からわずかに改善しています)。財務的な影響が大きい気候変動リスクを開示している企業はさらに少なく(32%)、つまり、自社の財務への影響を検討する際に潜在的な盲点に直面していることを意味します。さらに、気候変動の影響を最も受ける地域のリスクに対する認識がいっそう顕著に欠如しています。例えば、南北アメリカの企業のうち、気候変動が自社のビジネスに大きな影響を与える可能性があると報告している企業はわずか17%です。米国とカナダは気候変動がGDPに悪影響を与えるリスクが最も高い経済国に属するという事実に反する結果です。
また、この結果から、短期的な思考になる傾向が明確かつ広範囲に及んでいることが明らかになり、ネットゼロへの進展が妨げられる可能性があります。10社中8社以上(83%)が2030年までの温室効果ガス排出量削減の短期目標を設定していますが、長期的な目標を設定しているのは半数強(51%)に過ぎません。そのうち、企業が排出量を削減するための基準を策定する組織であるScience Based Targets Initiative(SBTi)によって目標が検証されたのは、4分の1弱(24%)に過ぎません。
EY Global Climate and Decarbonization リーダーのChristophe Lumsdenのコメント:
「短期的な目標がうまくいくこともあるかもしれませんが、今はそのような時ではありません。間違いなく、企業は長期目標の追求を困難な課題と見なしており、それは事実です。しかし、実際の変化に対処したいと考える人々にとって近道はなく、今後5年間の目標は、2050年のネットゼロ目標への足がかりと見なすべきであり、それ自体は決して目的ではありません」
さらに、企業は移行計画において、あらゆる排出量を無視しているようです。企業の脱炭素化イニシアチブの半数強(55%)はいわゆる「スコープ2排出量」、つまり購入したエネルギーからの間接的な排出を対象としており、おそらく最も削減が容易な排出量であるからだと考えられます。しかし、企業が管理する発生源から直接排出されるスコープ1排出量が含まれているのは3分の1強(34%)に過ぎず、原材料の供給者など、バリューチェーンを通じたすべての間接排出が含まれるスコープ3排出量をカバーしているのはたった10分の1強(11%)です。
レポートによると、ほとんどの企業(84%)がリスク分析を行っていると回答しており、気候変動による経済の変化に起因する「移行リスク」と、気候変動の直接的な結果である「物理的リスク」を同等に重視しています。しかし、シナリオプランニングの場合と同様に、企業はこれらのリスクを財務計画に反映していません。
このレポートでは、必要な変化をもたらすために企業が今すぐ実行できる6つのアクションを示しています。
1. 科学的根拠に基づく目標に根ざし、詳細なシナリオに基づいて情報を提供し、金融投資に裏打ちされた強固なアクションプランを策定。
2. 気候変動リスクを財務諸表に反映し、財務機会を探る。
3. データを使用して意思決定を行い、リスクと機会に対する対応を促進。
4. サステナビリティチームに十分なリソース、つまり、定められた目標を達成するために必要な資金、情報、人材を提供。
5. 移行戦略に関する効果的なガバナンスを提供するスキルを取締役会に身に付けさせる。
6. 政府や公共部門の組織など、セクター横断的なコラボレーションを探る。
Matthew Bellのコメント:
「商業的な現実、つまり環境目標と収益性のバランスを取らなければならないプレッシャー、グリーンスキルの不足、またはタスクの複雑さは、気候変動リスクを管理する取り組みの大きな足かせになる可能性があります。しかし、どのような課題があろうとも、顧客、株主、規制当局、従業員全員が行動を求めているという事実から逃れることはできません。 そして、地球の気温が過去最高を記録している今、無関心と怠慢の結果は誰の目にも明らかです」
EY Japan 気候変動・サステナビリティ・サービス(CCaSS)リーダーの牛島 慶一(うしじま けいいち)のコメント:
「『量』から『質』に焦点が移行する中、2023年からの進歩の停滞が見られ、引き続き厳しい結果となりました。一方、日本企業はこれまで通り優等生で、もっと世界から評価されても良いように思います。そうした意味では、気候変動分野において世界をけん引するチャンスが到来しているのかもしれません。ただ、政策的な後押しは十分でなく、2024年12月に日本政府が公開した『第7次エネルギー基本計画(原案)』に対して、一部のステークホルダーからは十分でないとの声が聞かれます。エネルギー自給率は国富の海外流出とも密接に関係しており、2023年には昨今の円安も相まって、約27兆円が化石燃料輸入にかかっており、日本における貿易赤字の要因の一つになっています。投資、技術、経営、政策、市場をいかに同期させ、激変緩和しながら新たな気候秩序に移行させるか、日本の手腕が問われると思います」
※本ニュースリリースは、2024年11月12日(現地時間)にEYが発表したニュースリリースを翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合は原文を優先します。
英語版ニュースリリース:Businesses’ slow crawl on climate action jeopardizing global environmental goals
[EYについて]
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