ギリアドとKiteのオンコロジー部門、広範にわたる 多様なオンコロジーポートフォリオをASCO 2024で発表
ギリアド・サイエンシズ株式会社
ギリアドとKiteのオンコロジー部門、広範にわたる
多様なオンコロジーポートフォリオをASCO 2024で発表
-第III相EVOKE-01試験を含む、非小細胞肺がんの開発プログラムのデータを発表- -Fc-サイレント抗TIGIT抗体のdomvanalimabおよび抗PD-1抗体のzimberelimabに関する第II相EDGE-Gastric試験の最新結果を発表- -アンメットメディカルニーズ領域である、再発/難治性の原発性および二次性中枢神経系リンパ腫に対するイエスカルタ(R)について、パイロット試験の結果を口演-
ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下「ギリアド」)およびギリアド・カンパニーであるKite(本社:米カリフォルニア州サンタモニカ)は、2024年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で、18の抄録を発表します。これらのデータは、がんの治療法を変革し、肺がん、乳がん、消化器 がん、大腸がんなどの固形がんや白血病およびリンパ腫などの血液がんまでの差別化されたアプローチを開発することに対する継続的な取り組みを示すものです。
非小細胞肺がん(NSCLC)に対するsacituzumab govitecan-hziyの詳細な新しいデータを発表
ギリアドは、プラチナ製剤ベースの化学療法後、あるいはチェックポイント阻害剤による治療中または治療後に疾患進行した、進行/転移性のNSCLC患者さんを対象とした、sacituzumab govitecan-hziyをドセタキセルと比較するグローバル第III相EVOKE-01試験の主たる結果について発表します。さらに、進行/転移性のPD-L1高発現扁平上皮/非扁平上皮NSCLCの一次治療におけるsacituzumab govitecan-hziyとキイトルーダ(R)(ペムブロリズマブ)との併用に関する第II相EVOKE-02試験のコホートAについて、長期の結果を発表します。
ギリアド、消化器がんパイプラインでの前進を発表
第II相EDGE-Gastric試験の最新解析について、Arcus Biosciencesと共同で短時間の口演を行います。上部消化器がんの一次治療としてのFc-サイレント抗TIGIT抗体のdomvanalimabと抗PD-1抗体のzimberelimab、および化学療法に関するこれらの長期有効性および安全性の結果は、2023年11月のASCOバーチャルプレナリーセッションで発表された中間解析での有望な奏効率(ORR)および6カ月の無増悪生存期間(PFS)に続くものです。
さらに、ARC-9試験のコホートBから得られたデータについて、当社のパートナーであるArcus Biosciencesと共同で口頭発表を行います。ARC-9試験は、転移性大腸がん(mCRC)の三次治療における、アデノシンA2a/b受容体二重拮抗薬であるetrumadenantとzimberelimabおよびFOLFOX/bevacizumabの安全性および有効性を評価する第Ib/II相試験です。
Kite、CAR T細胞療法に関する新たなデータを発表
再発/難治性(R/R)の原発性および二次性中枢神経系リンパ腫(PCNSLおよびSCNSL)の治療としてイエスカルタ(R)(アキシカブタゲン シロルユーセル)を評価するパイロット共同試験について、口頭発表が行われます。これらの最新データは、重要なアンメットニーズを有する本患者集団における、イエスカルタの有効性および安全性を明らかにするものです。
さらに、Tecartus(R)(brexucabtagene autoleucel)について、現在4年以上のフォローアップ期間を経た、ピボタル第I/II相ZUMA-3試験の全生存期間(OS)の最新結果が発表されます。ZUMA-3試験は、成人のみを対象とした、R/R B細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)に対するCAR T細胞療法の最長フォローアップ試験です。これらのデータは、Tecartusによる長期生存および持続性を引き続き支持するものです。
発表概要
2024年ASCO年次総会に受領された抄録は、以下の通りです。
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106647/202405150790/_prw_PT1fl_LmUce9cR.png】
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106647/202405150790/_prw_PT2fl_7Eistr4s.png】
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M106647/202405150790/_prw_PT3fl_43eFL62y.png】
*ダナ・ファーバーがん研究所との共同研究
**共同研究
domvanalimab、zimberelimabおよびetrumadenantは開発中の薬剤です。ギリアド、Arcus両社とも、これらの分子医薬品のいずれの使用についても、いずれの規制当局からも承認は取得しておらず、上記3剤の消化器がんおよび肺がん治療に対する安全性および有効性は確立されていません。
sacituzumab govitecan-hziyは転移性NSCLCの治療薬として、いかなる規制当局にも承認されていません。本適応症に対する同剤の安全性および有効性は確立されていません。sacituzumab govitecan-hziyには、重度または生命を脅かす好中球減少症および重度の下痢に関する枠組み警告があります。米国で承認されている適応症およびその他の重要な安全性情報については、後述をご参照ください。
sacituzumab govitecan-hziyについて
sacituzumab govitecan-hziyは、ファースト・イン・クラスのTrop-2を標的とした抗体薬物複合体です。Trop-2は、乳がん、膀胱がんおよび肺がんの90%以上を含む複数のがん種で高発現する細胞表面抗原です。sacituzumab govitecan-hziyは、トポイソメラーゼI阻害剤であるSN-38のペイロードを独自の加水分解性リンカーで抗体に結合できるよう意図的に設計されています。この独自の組み合わせにより、Trop-2発現細胞と微小環境の両方にバイスタンダー効果を介して強力な活性をもたらします。
sacituzumab govitecan-hziyは、2つ以上の全身療法歴があり、そのうち少なくとも1つは転移性疾患に対する治療歴を有する切除不能な局所進行または転移性トリプルネガティブ乳がん(TNBC)成人患者さんの治療薬として、約50カ国で承認されており、世界各国で規制当局による複数の審査が行われています。
sacituzumab govitecan-hziyは、治療歴のある転移性HR+/HER2-乳がん患者さんの治療薬としても、オーストラリア、ブラジル、カナダ、欧州連合(EU)、イスラエル、アラブ首長国連邦および米国で承認されています。また米国では、二次治療を受けた転移性尿路上皮がん(UC)の治療薬としても迅速承認されています。米国での適応の詳細については以下をご参照ください。
また、他のTNBC、HR+/HER2-乳がん、および転移性UCのほか、転移性NSCLC、頭頸部がん、婦人科がんおよび消化管がんを含むTrop-2を高発現しているさまざまながん種に対する治験薬としての検証が進められています。
米国におけるsacituzumab govitecan-hziyの適応について
米国では、以下の成人患者さんに対する治療が適応とされています。
・2つ以上の全身療法歴があり、そのうち1つ以上は転移性疾患に対する治療歴を有する、切除不能な局所進行または転移性TNBC(mTNBC)成人患者さん
・内分泌療法をベースとする治療および転移性乳がんに対して2つ以上の全身療法を受けた、切除不能な局所進行または転移性ホルモン受容体(HR)陽性ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性(IHCスコア0、IHCスコア1+、またはIHCスコア2+/ISH検査陰性)の乳がん成人患者さん
・プラチナ製剤を含む化学療法およびPD-1阻害剤、またはPD-L1阻害剤の投与歴がある局所進行または転移性UC成人患者さん。本適応症は、奏効率および奏効期間に基づき迅速承認されました。本適応症の承認を継続するには、検証的試験で臨床ベネフィットを検証し、説明することが条件となります。
米国におけるsacituzumab govitecan-hziyに関する重要な安全性情報
枠組み警告:好中球減少症および下痢
・重度または生命を脅かす好中球減少症が生じる可能性があります。好中球絶対数が1500/mm3以下の場合や発熱性好中球減少性の場合は、sacituzumab govitecan-hziy の投与を延期してください。治療中は定期的に血球数を測定してください。二次予防のためにG-CSFを検討してください。発熱性好中球減少症の患者には、遅滞なく感染症治療を開始してください。
・重度の下痢が生じる可能性があります。下痢が生じた場合には、患者の様子を観察し、必要に応じて水分と電解液を投与してください。下痢の発現時には、感染性の原因を評価し、陰性の場合は速やかにロペラミドの投与を開始してください。重度の下痢が発生した場合は、グレード1以下になるまで sacituzumab govitecan-hziy の投与を中断し、その後は投与量を減らしてください。
禁忌
・sacituzumab govitecan-hziyに対する重度の過敏症反応
警告および使用上の注意
好中球減少症:重度、生命を脅かす、または致命的な好中球減少症が発生する可能性があり、投与量の変更が必要になる場合があります。sacituzumab govitecan-hziyで治療を受けた患者の64%に好中球減少症、49%の患者にグレード3~4の好中球減少症、6%の患者に発熱性好中球減少症、1.4%の患者に好中球減少性腸炎が認められました。いずれかのサイクルの第1日目に好中球絶対数が1500/mm3以下の場合、またはいずれかのサイクルの第8日目に好中球数が1000/mm3以下の場合、sacituzumab govitecan-hziyの投与を延期してください。発熱性好中球減少が発生した場合は、sacituzumab govitecan-hziyの投与を延期してください。臨床的に必要な場合または米国の添付文書(USPI)の表1が示す場合、G-CSFを投与してください。
下痢:sacituzumab govitecan-hziyを投与された全患者の64%に下痢の症状がみられました。11%の患者において、グレード3~4の下痢が認められました。1名の患者に下痢の後の腸管穿孔がみられました。脱水およびその後の急性腎障害に至る下痢は、全患者の0.7%で認められました。グレード3~4の下痢が認められた場合、sacituzumab govitecan-hziyの投与を中断し、グレード1以下に回復した時点で投与を再開してください。発現時には感染性の原因を評価し、陰性の場合は速やかに初回に4mg、その後は下痢のたびに2mg、最大で1日16mgまでロペラミドを投与してください。下痢が治まってから12時間後にロペラミドを中止してください。臨床的に必要であれば、追加の支持療法(例:水分と電解液の補給)を受けることができます。治療に対して過剰なコリン作動性反応を示す患者は、その後の治療のために適切な前投薬(例:アトロピン)を受けることができます。
過敏症および注入に伴う反応: sacituzumab govitecan-hziyで、生命を脅かすアナフィラキシー反応を含む重篤な過敏症反応が発現しています。重篤な徴候・症状には、心停止、低血圧、喘鳴、血管性浮腫、腫脹、肺臓炎、皮膚反応などがあります。投与後24時間以内に、35%の患者において過敏症反応が発現しました。グレード3~4の過敏症は、患者の2%に発現しました。sacituzumab govitecan-hziy投与の永続的な中止に至った過敏症反応の発現率は0.2%でした。アナフィラキシー反応の発現率は0.2%でした。前投薬が推奨されます。このような反応を治療するための薬や緊急用の器具をすぐに使用できるようにしてください。投与中および投与終了後少なくとも30分間は、過敏症および注入に伴う反応について患者を注意深く観察してください。注入に伴うグレード4の反応がみられた場合は、sacituzumab govitecan-hziyの投与を永続的に中止してください。
悪心および嘔吐:sacituzumab govitecan-hziyの投与を受けた全患者の64%に悪心が発現し、このうち3%にグレード3~4の悪心がみられました。35%の患者に嘔吐が認められ、このうち2%の患者にグレード3~4の嘔吐がみられました。化学療法誘発性の悪心・嘔吐(CINV)の予防のために、2剤または3剤の併用療法(例:デキサメタゾンと5-HT3受容体拮抗薬またはNK1受容体拮抗薬のいずれか、および適応となる他の薬剤)で前投薬するようにしてください。グレード3の悪心またはグレード3~4の嘔吐に対してはsacituzumab govitecan-hziyの投与を中止し、グレード1以下に回復した時点で追加の支持療法を用いて再開してください。臨床的に必要な場合には、制吐剤およびその他の支持療法を追加することができます。全ての患者に対し、悪心と嘔吐の予防および治療に関する明確な指示とともに、自宅で服用する薬剤を処方してください。
UGT1A1活性の低下した患者における副作用リスクの上昇:ウリジン二リン酸-グルクロノシルトランスフェラーゼ1A1(UGT1A1)*28対立遺伝子がホモ接合体の患者において、好中球減少症、発熱性好中球減少症および貧血のリスク、sacituzumab govitecan-hziyによるその他の副作用のリスクも高くなる可能性があります。グレード3~4の好中球減少症の発現率は、UGT1A1*28対立遺伝子がホモ接合体の患者で58%、UGT1A1*28対立遺伝子がヘテロ接合体の患者では49%、野生型対立遺伝子がホモ接合体の患者では43%でした。グレード3~4の貧血の発現率は、UGT1A1*28対立遺伝子がホモ接合体の患者では21%、UGT1A1*28対立遺伝子がヘテロ接合体の患者では10%、野生型対立遺伝子がホモ接合体の患者では9%でした。UGT1A1の活性の低下が認められた患者については、副作用を注意深く観察してください。UGT1A1の機能低下を示す可能性がある、急性の早期発症または異常に重度の副作用が認められた患者においては、観察された副作用の発現、持続時間および重症度の臨床的評価に基づいて、sacituzumab govitecan-hziyの投与を中断、または永続的に中止してください。
胚・胎児への毒性:その作用機序から、妊婦に投与すると催奇形性および/または胚・胎児致死を引き起こす可能性があります。sacituzumab govitecan-hziyには遺伝毒性成分であるSN-38が含まれており、急速に分裂する細胞を標的としています。妊婦や妊娠可能な女性には、胎児への潜在的なリスクについて説明してください。妊娠可能な女性には、sacituzumab govitecan-hziyの投与中および最終投与後6カ月間は有効な避妊法を使用するよう指導してください。妊娠可能な女性パートナーを持つ男性患者には、sacituzumab govitecan-hziyの投与中および最終投与後3カ月間は有効な避妊法を使用するよう指導してください。
副作用
安全性解析対象集団において、臨床検査値異常を含め最も多くみられた副作用(発現率25%以上)は、白血球数減少(84%)、好中球数減少(75%)、ヘモグロビン減少(69%)、下痢(64%)、悪心(64%)、リンパ球数減少(63%)、倦怠感(51%)、脱毛(45%)、便秘(37%)、ブドウ糖増加(37%)、アルブミン減少(35%)、嘔吐(35%)、食欲減退(30%)、クレアチニン・クリアランス減少(28%)、アルカリホスファターゼ増加(28%)、マグネシウム減少(27%)、カリウム減少(26%)およびナトリウム減少(26%)でした。
ASCENT試験(局所進行または転移性TNBC)において、最も多くみられた副作用(発現率25%以上)は、倦怠感、下痢、悪心、脱毛、便秘、嘔吐、腹痛および食欲減退でした。1%を超える頻度で認められた重篤な副作用(SAR)は、好中球減少症(7%)、下痢(4%)、肺炎(3%)でした。27%の患者においてSARが報告され、5%の患者が副作用により治療を中止しました。ASCENT試験で最も多く認められたグレード3~4の臨床検査値異常(発現率25%以上)は、好中球数、白血球数、リンパ球数の減少でした。
TROPiCS-02試験(局所進行またはHR+/HER2-転移性乳がん)において、最も多くみられた副作用(発現率25%以上)は、下痢、倦怠感、悪心、脱毛および便秘でした。1%を超える頻度で認められた重篤な副作用(SAR)は、下痢(5%)、発熱性好中球減少症(4%)、好中球減少症(3%)、腹痛、大腸炎、好中球減少性腸炎、肺炎および嘔吐(それぞれ2%)でした。28%の患者においてSARが報告され、6%の患者が副作用により治療を中止しました。TROPiCS-02試験において、最も多く認められたグレード3~4の臨床検査値異常(発現率25%以上)は、好中球および白血球の減少でした。
TROPHY試験(局所進行または転移性UC)において、最も多くみられた副作用(発現率25%以上)は、下痢、倦怠感、悪心、感染症、脱毛、食欲減退、便秘、嘔吐、発疹、腹痛でした。最も高頻度(5%以上)で認められたSARは、感染症(18%)、好中球減少症(12%、うち発熱性好中球減少症は10%)、急性腎障害(6%)、尿路感染(6%)、敗血症または菌血症(5%)でした。SARは44%の患者で報告され、10%が副作用により治療を中止しました。TROPHY試験で最も多かったグレード3~4の臨床検査値異常(発現率25%以上)は、好中球数、白血球数、リンパ球数の減少でした。
薬物相互作用
UGT1A1阻害剤:UGT1A1阻害剤とsacituzumab govitecan-hziyを併用すると、SN-38の全身曝露量が増加する可能性があるため、副作用の発現率が高まる可能性があります。UGT1A1阻害剤とsacituzumab govitecan-hziyの併用は避けてください。
UGT1A1誘導剤:UGT1A1誘導剤を併用している患者において、SN-38への曝露量が減少する可能性があります。UGT1A1誘導剤とsacituzumab govitecan-hziyの併用は避けてください。
枠組み警告文を含む添付文書(完全版)を参照してください。
Tecartusについて
効能・効果、警告、禁忌・禁止および医薬品情報を含む添付文書(完全版)をご参照ください。
Tecartusは、CD19を標的とした遺伝子改変自家T細胞免疫療法で、米国においては次に挙げる患者さんの治療を適応としています。
・R/R MCL成人患者さん。本適応症は、全奏効率(ORR)および効果持続性に基づき迅速承認されました。本適応症の承認を継続するには、検証的試験で臨床的ベネフィットを検証し、証明することが条件となります。
・R/R pre B-ALL成人患者さん
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