不二高圧コンクリートが熊本県に自己治癒コンクリート製品初実績
2023年2月19日
2023年2月19日
報道関係各位
不二高圧コンクリート株式会社
不二高圧コンクリートが熊本県に自己治癒コンクリート製品初実積 バクテリアによる自己治癒効果でCO2排出量合計28.42トン削減
熊本県のコンクリートメーカー、不二高圧コンクリート株式会社(本社熊本市、代表取締役社長 岸川 健太郎)は、バクテリアの代謝を活用した自己治癒コンクリートBasiliskを使用したコンクリート製品を製造・出荷しました。
熊本県で自己治癒コンクリートBasiliskによる製品の実績はこれが初めてで、コンクリートの長寿命化によって合計28.42tのCO2が削減されました。
■採用現場概要
自己治癒コンクリート材料Basilisk HAを配合したコンクリート製品FTフリュームは、次の5箇所の工事に納入されました。
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M108048/202402196739/_prw_PT1fl_mkxdtW7C.png】
※数量の単位は(本),CO2削減量の単位は(t-CO2)
この5つの現場で納入されたFTフリューム製品の納入数は307本、総延長は613m、総重量は105,575kgとなりました。Basilisk HAを使用したコンクリート製品の長寿命化によって削減できたCO2排出量は28.42t-CO2となりました。
(参考:R4年度 世帯当たり年間排出量 2.57t-CO2)
■自己治癒コンクリート Basiliskについて
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202402196739-O1-gtepUvvB】 自己治癒コンクリートBasiliskは、アルカリ耐性のある特殊培養したバクテリアとポリ乳酸を生コンクリート製造時に混入することで、経年で“壊れて行く”通常のコンクリートを、ひび割れが発生しても自動的に治し続ける自己治癒型のスマートマテリアルへと転換する、バイオと素材技術を融合させたテクノロジーです。
バクテリアの代謝活動によりコンクリートの表面のひび割れが修復される自己治癒メカニズムが絶えず繰り返されることで、コンクリートは一世紀を超える高耐久化を実現し、通常50~65年で訪れるコンクリート系インフラの全面的な更新を先送りすることができます。その結果、セメント製造時に排出されるCO2を削減することにつながり、セメント・コンクリート産業全体の脱炭素化に大きく貢献することが可能です。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202402196739-O2-wCHcW0f7】
オランダのデルフト工科大学で研究されていた本技術を北海道の総合コンクリートメーカーである會澤高圧コンクリート株式会社(本社苫小牧市、代表取締役社長 會澤 祥弘)が2020年11月に世界で初めて量産化に成功し、2022年8月には国土交通省の新技術情報提供システムNETIS(New Technology Information System)へ登録されました(登録番号:HK-220003-A)。
■Basilisk採用決定の背景
これまで、農業用水路に使用されるコンクリート製品は、乾燥収縮によるひび割れは避けることができず、それによって毎年必要となる補修作業に多くの負担が生じていました。
自己治癒コンクリートBasiliskに含まれる特殊なバクテリアは、水と空気の供給される場所で代謝活動を行うという特性を持ち、農業用水路のように水が継続的に供給される場所ではひび割れの自己治癒に十分な代謝活動を期待することができます。
発注者である水土里ネット様や各土地改良区様の採用となったポイントは
・自己治癒によってメンテナンス工事とその費用の大幅な削減を可能とする事
・長期的に見ると、次世代以降の担い手の方々への負担軽減になる事(受益者負担の軽減)
・安全性スクリーニング検査や水質検査で問題無いとの結果がある事
・そしてCO2排出削減効果がある事
以上のポイントを踏まえ「一石二鳥以上です、使わない手は無い!」という評価を受け、採用となりました。
また、今回の施工で良い結果が出る事は、発注者の時間や費用を、従来手が回らなかった課題に注力させる事ができる、との期待の声も頂きました。
■不二高圧コンクリートの脱炭素の取り組み
不二高圧コンクリートはもとより環境に配慮した企業の経営を需要視しており、2000年には品質マネジメントシステムに関する国際規格であるISO9001を取得し、熊本県のゼロ・エミッション(廃棄物ゼロ化)モデル工場の選定を受けた後、2004年には環境マネジメントシステムに関する国際規格であるISO14001の認定取得を完了しました。
社有車を始めとした自動車から発生するCO2排出量の軽減、またコンクリート製品の製造過程で使用する化石燃料の削減などについて20年近く取り組んできたことに加え、熊本県の定めるSDGsに積極的に取り組む企業や団体を登録する制度である「熊本県SDGs登録制度」に2021年8月に第1期登録事業者として登録をしました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202402196739-O3-8dmGvmi9】 2023年4月にはセメント・コンクリート業界の脱炭素を加速させるためのプログラムである『aNET ZEROイニシアティブ』に参加。
2040年までに自社の温室効果ガスのサプライチェーン排出量を実質ゼロにする「NET ZERO2040」にコミットメントしました。
現在この運動に参加する国内主要コンクリートメーカーは50社となり、脱炭素系コンクリートの普及や開発を全国的に推し進め、日本のコンクリート分野の脱炭素をリードする動きを展開させています。
■熊本県の脱炭素の取り組みについて
熊本県は2019年12月の県議会において、地球温暖化によるリスクを低減し、持続可能な未来を実現していくために「2050年熊本県内Co2排出実質ゼロ」を宣言しました。
2020年度の熊本県の温室効果ガス排出量では、産業部門からのCO2排出量の割合はおよそ37%を占めています。
コンクリートの原料であるセメント製造時に多くのCO2を排出する我が産業では、コンクリート分野の脱炭素を2050年より前倒しで実現させることで、熊本県および国内の脱炭素に貢献していきます。
■不二高圧コンクリート株式会社について
1965年、熊本にて創業したプレキャストコンクリートの企画・設計・製造・販売を行う企業。九州地区を主な販売エリアとし、特に電力通信インフラ向けの製品を主軸に官公庁等の規格の元となった「FK式ハンドホール」を開発し、また「張出歩道:セーフティロード」や「太陽光モジュール基礎架台:ソーラーキーパー」など時代のニーズに沿った製品を提案、現在も時代をリードする製品開発に取り組んでいます。熊本地震や熊本豪雨災害に遭遇し防災・減災など国土強靭化の重要性を改めて体感した私たちだからこそできる環境変化への挑戦を続けて行きます。
脱炭素への決意の象徴としてデザインしたコミットメントロゴは、これ以上地球温暖化を進めないという思いとネイチャーポジティブな社会への出会いを、武者返しを有し難攻不落で、熊本地震にも負けず再建の道を歩む熊本城、その熊本城に朝日が昇る様を合わせてデザインのモチーフとしました。
カーボンニュートラルへの取組みを推進し持続可能で強靭な社会の実現、美しく豊かな社会への出会いとなれるように願い事を込めてこのデザインを採択しました。
(本プレスリリースの問い合わせ先)
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