第11回「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査結果を公表
第11回「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査結果を公表 「心の病」増加企業が急伸、世代別では10~20代が過去最高
調査研究や提言、実践活動により生産性向上をめざす(公財)日本生産性本部(東京都千代田区、理事長:前田和敬)のメンタル・ヘルス研究所は11月9日、第11回「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査結果を取りまとめました。本調査は、2002年から概ね隔年で実施しており、今回は2021年に続く11回目となります。
今回の調査から、コロナ禍を経て働く場所や働き方が見直される中、企業の人事担当から見た従業員のメンタルヘルスの現状と組織の状況などが明らかになるとともに、ストレスチェック制度がポジティブな目的で活用されていることが確認されました。主な特徴は以下の通りです。
当本部では、メンタルヘルスは働く基盤であり、この実態を調査し結果を周知することで、各事業者がさらなる積極的な取り組みを進める一助としたいと考えています。なお、今回の調査は、7月7日から9月4日に郵送およびwebで実施し、上場企業169社の人事担当者から回答を得ました。
※ページは別添「調査結果概要」のものです。
●「心の病」の最も多い年齢層:10~20代が急増、30代を初めて上回り、最も多い世代に<P1>
「心の病」が最も多い年齢層について、10~20代との回答が43.9%に急増し、過去最多。初めて30代(26.8%)を上回り、「心の病」が最も多い世代となった。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202311082496-O1-3SwvmOjt】
●直近3年間の「心の病」増減傾向:「増加傾向」と「横ばい」が45.0%で最多。「増加傾向」は過去最低を記録した前回(2021年)の22.9%から急増し、2010年調査時と同水準に<P2>
直近3年間において「心の病」が「増加傾向」と回答した割合は45.0%となり、「横ばい」と並んで最多。「増加傾向」は前回調査(2021年)で22.9%と過去最低となったが、今回は大幅に増加し、2010年以来の水準となった。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202311082496-O2-sgv3HlyJ】
●ウェルビーイング向上に向けた取り組み:現状はハラスメント対策や健康経営など「守り」が多く、今後はエンゲージメント向上、リスキリングなど「攻め」への意向が多い<P3>
ウェルビーイング向上への現在の取り組みは「ハラスメント対策の推進」66.9%、「健康経営*・健康増進施策の推進」62.7%、「柔軟な勤務時間制度の導入」55.6%が上位。一方、今後に向けては「従業員エンゲージメント向上施策の充実」66.3%が突出して多く、「健康経営*・健康増進施策の推進」54.4%、「キャリア開発・リスキリングの促進」49.1%と続いた。
*健康経営は、NPO法人健康経営研究会の登録商標。
●組織の状態・取り組みと「心の病」の関連性:従業員エンゲージメントが高いと思われる企業は、そうではない企業に比べて「心の病」が「増加傾向」の割合が10ポイント以上低い<P4>
従業員エンゲージメントが高いと思われる企業(「従業員が組織・職場とのつながりを感じにくくなっている」に「そう思わない」(「そう思わない」「あまりそう思わない」の合計)と回答した企業、または、「会社の理念や経営方針は従業員に浸透している」に「そう思う」(「そう思う」「ややそう思う」の合計)と回答した企業)は、そうではない企業に比べて「心の病」が「増加傾向」と回答した割合が10ポイント以上低かった。
●ストレスチェック制度の実施目的:「法制義務化対応」が84.1%と依然最多だが前回調査(2021年)より減少。「職場環境改善」「従業員の活性化」など前向きな目的が増加<P6>
ストレスチェック制度の目的について複数選択で聞いたところ、「法制義務化対応のため」が、84.1%とこれまで同様最多となったものの、前回調査(2021年)の91.4%から減少。「職場環境改善のため」(+2.8ポイント)、「従業員の活性化を図るため」(+3.3ポイント)といったポジティブな活用目的の回答割合が増えた。
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