スキリージ(R)のクローン病を対象としたステラーラ(R)との直接比較試験、全主要評価項目と副次評価項目達成
アッヴィ合同会社
スキリージ(R)(リサンキズマブ)、クローン病を対象としたステラーラ(R)(ウステキヌマブ)との直接比較試験において、すべての主要評価項目および副次評価項目を達成
― 第III相直接比較試験であるSEQUENCE試験は、1種類以上の抗TNF-α抗体製剤による治療が不成功であった中等症から重症の活動性成人クローン病患者さんに対する治療薬として、リサンキズマブとウステキヌマブを比較1
― リサンキズマブは、ウステキヌマブと比較し、主要評価項目である24週時の臨床的寛解(クローン病活動指数[CDAI]に基づく)aにおける非劣性および48週時の内視鏡的寛解bにおける優越性の両方を達成1
― リサンキズマブは、順位付けされたすべての副次評価項目(48週時の臨床的寛解aの達成、48週時および24週時の内視鏡的改善cの達成、48週時のステロイド不使用での内視鏡的寛解dの達成、ならびに48週時のステロイド不使用での臨床的寛解eの達成)において、ウステキヌマブに対する優越性を示す1
― 安全性の結果は、これまでに確認されているリサンキズマブの全体的な安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性のリスクは認められず
イリノイ州ノースシカゴ、2023年10月15日(米国時間)―アッヴィ(NYSE: ABBV)は本日、1種類以上の抗TNF-α抗体製剤による治療が不成功であった中等症から重症の活動性クローン病患者さんを対象に、リサンキズマブ[スキリージ(R)、0週、4週および8週時に600 mgを静脈内(IV)投与後、12週時とその後8週間ごとに360 mgを皮下(SC)投与]の有効性および安全性をウステキヌマブ(ステラーラ(R)、0週時にIV投与時の用量で投与し、その後8週間ごとに90 mgをSC投与)と直接比較し評価する第III相SEQUENCE試験で良好な結果が得られたことを発表しました1。本データは、2023年10月14日から17日にかけて開催された欧州消化器病(UEG)週間において発表されました。
アッヴィのsenior vice president, development and regulatory affairs兼chief medical officerであるRoopal Thakkar, M.D.は次のように述べています。「アッヴィは、炎症性腸疾患などの免疫介在性疾患と共に生きる患者さんの治療を前進させるために薬剤の開発とエビデンスの構築に取り組んでいます。今回の結果は、クローン病管理のための治療選択肢としてスキリージを差別化するだけでなく、患者さんの治療戦略に有用なさらなる情報提供となり、この治療領域の進化につながるものでもあります」
SEQUENCE試験では、2つの主要評価項目を順次検証しました。
・第1の主要評価項目である24週時の臨床的寛解(CDAIスコアが150未満)についての結果から、リサンキズマブのウステキヌマブに対する非劣性が示されました(事前に規定した非劣性マージンは10%)。寛解率はリサンキズマブ群の59%に対し、ウステキヌマブ群では40%でした1。この評価項目については、優越性を検証するための事後解析も実施し、名目上のp値は0.01未満でした1。
・第2の主要評価項目である48週時の内視鏡的寛解[簡易版クローン病内視鏡スコア(SES-CD)が4以下かつベースラインから2ポイント以上減少しており、個々のサブスコアに1を超えるものがない場合]についての結果から、リサンキズマブのウステキヌマブに対する優越性が示されました。寛解率はリサンキズマブ群の32%に対し、ウステキヌマブ群では16%でした(p<0.0001)1。
また、順位付けされたすべての副次評価項目(48週時の臨床的寛解の達成、48週時および24週時の内視鏡的改善の達成、48週時のステロイド不使用での内視鏡的寛解の達成、ならびに48週時のステロイド不使用での臨床的寛解の達成)においても、リサンキズマブのウステキヌマブに対する優越性が示されました1。
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102977/202311062324/_prw_PT1fl_e7X48m58.png】
* 第1の主要評価項目は24週時の臨床的寛解(CDAIに基づく)、第2の主要評価項目は48週時の内視鏡的寛解(SES-CDに基づく)。第1の主要評価項目で非劣性を達成。第2の主要評価項目およびすべての副次評価項目では、ウステキヌマブ群との比較におけるp値は0.0001未満であり、統計学的有意性を達成。
† 被験者の50%が24週時来院を完了するか試験期間を終了した時点で、第1の主要評価項目を検証。
a 臨床的寛解(CDAIに基づく)は、CDAIスコアが150未満の場合と定義。
b 内視鏡的寛解(SES-CDに基づく)は、中央審査委員の判定によるSES-CDが4以下かつベースラインに比べ2ポイント以上減少しており、個々のサブスコアに1を超えるものがない場合と定義。
c 内視鏡的改善(SES-CDに基づく)は、中央審査委員の判定によるSES-CDがベースラインに比べ50%超(病変が回腸に限局しており、ベースラインのSES-CDが4の患者さんではベースラインから2ポイント以上)減少した場合と定義。
d ステロイド不使用での内視鏡的寛解(SES-CDに基づく)は、評価来院時に、ステロイドの投与を受けていない状態で内視鏡的寛解を達成した状態と定義。
e ステロイド不使用での臨床的寛解(CDAIに基づく)は、評価来院時に、ステロイドの投与を受けていない状態で臨床的寛解を達成した状態と定義。
フランスのインフィニティ研究所代表であり、ナンシー大学病院消化器内科教授兼炎症性腸疾患グループ長(director of the Infinity Institute, professor of gastroenterology and head of the inflammatory bowel disease group, gastroenterology department at the University Hospital of Nancy, France)であるLaurent Peyrin-Biroulet, M.D., Ph.D.は次のように述べています。「SEQUENCE試験の結果によって、患者さんを治療目標達成へ導くことができる治療選択肢に関する重要なデータを医師に提供できるようになりました。今回得られた結果により、スキリージが患者さんの治療改善につながる、厳格な目標達成に役立つ有効なインターロイキン-23阻害薬であることが再確認されました」
SEQUENCE試験におけるリサンキズマブの安全性プロファイルは、これまでに確認されているリサンキズマブの安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性のリスクは認められませんでした1。最も多く認められた有害事象は、リサンキズマブ群ではCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)、頭痛およびクローン病であり、ウステキヌマブ群ではCOVID-19、クローン病および関節痛でした1。重篤な有害事象の発現率は、リサンキズマブ群で10%、ウステキヌマブ群では17%でした1。
リサンキズマブは、クローン病、乾癬性関節炎および乾癬の治療薬として承認されたIL-23阻害薬であり、中等症から重症の潰瘍性大腸炎の成人患者さんの治療薬としての評価が進められています1。
リサンキズマブは、ベーリンガーインゲルハイムとアッヴィの業務提携の一環で、アッヴィが世界的に開発と販売を主導しています。
クローン病について
クローン病は、消化管に炎症が起きることにより、持続的な下痢や腹痛をきたす慢性、全身性疾患です2,3。進行性の疾患であるため、多くの患者さんで時間経過とともに悪化し、手術などの緊急治療が必要となる合併症を引き起こすこともあります2,3。さらにクローン病の徴候・症状は予測できないため、患者さんにとって身体面だけでなく精神面、経済面にも大きな負担となることがあります2。
SEQUENCE試験について1
SEQUENCE試験は、1種類以上の腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬による治療不成功(不耐容または効果不十分)の既往歴がある中等症から重症のクローン病を有する成人患者さんに対する治療薬として、リサンキズマブをウステキヌマブとの比較において評価する第III相、多施設共同、無作為化、直接比較試験です(治験薬は非盲検、かつ有効性評価は盲検)。クローン病の診断確定後3ヵ月以上が経過し、ベースラインのCDAIスコアが220から450、排便回数・腹痛スコア・SES-CDに基づく評価によって中等症から重症のクローン病と診断された患者さんが試験に参加しました。
48週間のパート1では、リサンキズマブ群(0週、4週および8週時に600 mgをIV投与後、12週時とその後8週間ごとに360 mgをSC投与)またはウステキヌマブ群(体重換算用量での単回IV投与、その後8週間ごとに90 mgをSC投与)のいずれかに患者さんを無作為に割り付けました。パート2では、有害事象の報告を行うため、パート1においてリサンキズマブの投与を受け、48週時の来院を完了した患者さんを対象に、リサンキズマブのSC投与をさらに220週間継続しました。主要評価項目は24週時の臨床的寛解(CDAIスコアが150未満)および48週時の内視鏡的寛解(SES-CDが4以下かつベースラインから2ポイント以上減少しており、個々のサブスコアに1を超えるものがない状態)の達成率でした。副次評価項目は、48週時の臨床的寛解(CDAIスコアが150未満)、ステロイド不使用での内視鏡的寛解、ステロイド不使用での臨床的寛解、ならびに24週時及び48週時のステロイド不使用での内視鏡的改善[SES-CDがベースラインに比べ50%超(病変が回腸に限局しており、ベースラインのSES-CDが4の患者さんではベースラインから2ポイント以上)減少]の達成率でした。本試験の詳細はhttps://www.clinicaltrials.gov/(NCT04524611)に掲載されています。
リサンキズマブ(スキリージ(R))について
リサンキズマブは、インターロイキン-23(IL-23)のp19サブユニットに結合することによりIL-23を選択的にブロックするIL-23阻害薬です4。炎症プロセスに関与するサイトカインであるIL-23は、多くの慢性免疫関連疾患に関連すると考えられています5。リサンキズマブは、尋常性乾癬、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)およびクローン病の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)および欧州医薬品庁より承認されました。潰瘍性大腸炎に対するリサンキズマブの使用は承認されておらず、その安全性および有効性も規制当局による評価はされていません。乾癬、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、クローン病および潰瘍性大腸炎を対象とするリサンキズマブの第III相試験が進行中です5-7。
世界各国で処方情報は異なります。完全な情報は各国の製品表示をご参照ください。
消化器領域におけるアッヴィについて
潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患(IBD)の領域を大きく発展させるため、アッヴィは強固な臨床試験プログラムを実施し、最先端の研究に取り組んでいます。革新と学習、そして適応を通して、IBDによる患者さんの負担をなくし、患者さんの生活を長期にわたって改善していくことを目指しています。消化管領域におけるアッヴィについて、詳細はこちらをご覧ください。
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、精神・神経疾患、アイケア、さらに美容医療関連のアラガン・エステティックスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。X(旧Twitter)アカウント@abbvie、Facebook、Instagram、YouTubeやLinkedInでも情報を公開しています。
1.AbbVie. Data on File: ABVRRTI76909
2.Crohn's disease. Symptoms and Causes. Mayo Clinic. Available at:
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/crohns-disease/symptoms-causes/syc-20353304.
3.The Facts about Inflammatory Bowel Diseases. Crohn's &Colitis Foundation of America. 2014.
Available at: https://www.crohnscolitisfoundation.org/sites/default/files/2019-02/Updated%20IBD%20Factbook.pdf.
4.SKYRIZI [Summary of Product Characteristics]. AbbVie Ltd. Available at: https://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/skyrizi-epar-product-information_en.pdf. Accessed on August 21, 2023.
5.Pipeline. AbbVie. Accessed March 3, 2023. https://www.abbvie.com/our-science/pipeline.html
6.A study comparing risankizumab to placebo in participants with active psoriatic arthritis including those who have a history of inadequate response or intolerance to biologic therapy(ies) (KEEPsAKE2). ClinicalTrials.gov. Updated February 28, 2023. Accessed March 3, 2023. https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03671148
7.A multicenter, randomized, double-blind, placebo controlled induction study to evaluate the efficacy and safety of risankizumab in participants with moderately to severely active ulcerative colitis. ClinicalTrials.gov. Updated March 10, 2023. Accessed March 12, 2023. https://clinicaltrials.gov/ct2/show/record/NCT03398148
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