アッヴィ、潰瘍性大腸炎に対する治療薬として、リサンキズマブの承認申請をFDAおよびEMAに提出
アッヴィ合同会社
アッヴィ、潰瘍性大腸炎に対する治療薬として、リサンキズマブの承認申請をFDAおよびEMAに提出
ー 2つの第III相試験において、リサンキズマブが寛解導入療法および維持療法における主要評価項目である臨床的寛解(Adapted Mayoスコアに基づき判定)および主な副次評価項目を達成したことに基づく申請1,2
ー 安全性の結果は、これまでに確認されているリサンキズマブの安全性プロファイルとおおむね一致しており、新たな安全性のリスクは認められず1,2
ー IL-23阻害薬であるリサンキズマブは、中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の成人患者さんの治療薬として開発中であり、現在クローン病、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)および乾癬の治療薬としてFDAおよびEMAより承認を取得1
イリノイ州ノースシカゴ、2023年8月28日(米国時間)—アッヴィ(NYSE:ABBV)は本日、リサンキズマブ[1200 mgを静脈内(IV)投与(寛解導入療法時用量)、ならびに180 mgおよび360 mgを皮下(SC)投与(維持療法時用量)]について、新たな適応症となる中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の成人患者さんの治療薬として米国食品医薬品局(FDA)および欧州医薬品庁(EMA)に承認申請を提出したことを発表しました。
アッヴィのsenior vice president, development, regulatory affairs兼chief medical officerであるRoopal Thakkar, M.D.は、次のように述べています。「潰瘍性大腸炎の治療法はこれまでも進展を遂げてきましたが、この疾患の深刻な症状を緩和する方法を求めている患者さんを助けるため、新たな治療法のニーズが依然として存在します。今回の申請は、炎症性腸疾患を抱える患者さんに貢献する我々の継続的な取り組みを示すもので、潰瘍性大腸炎の疾患管理のために新たな治療選択肢を提供できることを心待ちにしています」
FDAおよびEMAへの承認申請は、2つの第III相試験であるINSPIRE寛解導入療法試験およびCOMMAND維持療法試験から得られたデータに基づいています1,2。リサンキズマブについて、寛解導入療法試験における1200 mg IV投与群で12週時に、維持療法試験における180 mgまたは360 mg SC投与群で52週時に、プラセボ群と比較して有意に多くの患者さんが主要評価項目である臨床的寛解(Adapted Mayoスコアに基づき判定)を達成しました1,2。さらに寛解導入療法試験および維持療法試験の両方で、プラセボ群と比較してリサンキズマブ群でより多くの患者さんが主な副次評価項目である内視鏡的改善(内視鏡所見のサブスコアが1点以下で易出血性が認められない場合)および組織学的・内視鏡的粘膜改善(HEMI、内視鏡所見のサブスコアが1点以下で易出血性が認められず、かつGeboesスコアが3.1点以下の場合と定義)を達成しました1,2。
INSPIRE試験およびCOMMAND試験の安全性の結果は、様々な適応症を対象としたこれまでの試験で確認されているリサンキズマブの安全性プロファイルとおおむね一致しており、新たな安全性のリスクは認められませんでした1,2。
リサンキズマブは、ベーリンガーインゲルハイムとアッヴィの業務提携の一環で、アッヴィが世界的に開発と販売を主導しています。
潰瘍性大腸炎について
潰瘍性大腸炎は大腸における慢性、特発性の免疫介在性の炎症性腸疾患(IBD)であり、直腸からより近位の結腸までのさまざまな範囲で粘膜炎が持続的に生じます3,4。潰瘍性大腸炎に特徴的な徴候および症状は、直腸出血、腹痛、血性下痢、しぶり腹、便意切迫および便失禁です3,4。潰瘍性大腸炎の経過は患者さんによって異なり、寛解から慢性難治性疾患までさまざまな経過をとり、ときには外科手術や生命を脅かす合併症の発症に至ることもあります5,6。重い症状と予測不可能な疾患経過は、患者さんにとって大きな負担となることもあり、しばしば生活に支障をきたすことも報告されています7。
INSPIRE寛解導入療法試験について1
INSPIRE試験は、中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎を有する患者さんを対象に、リサンキズマブの寛解導入療法(4週ごとに1200 mgをIV投与)の有効性と安全性を評価するために設計された第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験です。
主要評価項目は12週時における臨床的寛解(Adapted Mayoスコアに基づき判定、SFSが1点以下かつベースライン値を上回らず、RBSが0点、内視鏡所見のサブスコアが1点以下で易出血性が認められない場合と定義)の達成です。主な副次評価項目は、12週時における臨床的改善(Adapted Mayoスコアがベースラインから2点以上かつ30%以上低下し、さらにRBSが1点以上低下またはRBSの絶対値が1点以下となる場合)、内視鏡的改善(内視鏡所見のサブスコアが1点以下で易出血性が認められない場合)およびHEMI(内視鏡所見のサブスコアが0点または1点で易出血性が認められず、かつGeboesスコアが3.1点以下の場合)などです。
本試験のトップライン結果は2023年3月に発表しています。詳細はwww.clinicaltrials.gov(NCT03398148)に掲載されています。
COMMAND維持療法試験について2
COMMAND試験は、中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の成人患者さんを対象に、リサンキズマブ180 mgまたは360 mg皮下投与の有効性および安全性を評価するために設計された第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、比較対照、52週間維持療法試験です。本試験では、無作為化投与中止デザインを採用し、リサンキズマブIV投与による寛解導入療法を受け、リサンキズマブが奏効した患者さんを再度、リサンキズマブ180 mg皮下投与群、リサンキズマブ360 mg皮下投与群またはリサンキズマブ投与中止群(寛解導入療法のみの対照群)に無作為に割り付けました。リサンキズマブ投与中止群(寛解導入療法のみの対照群)の患者さんは、試験終了時までリサンキズマブを休薬しました。この第III相試験の目的は、INSPIRE試験でリサンキズマブIV投与による寛解導入療法が奏効した中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の患者さんを対象に、リサンキズマブ投与中止(対照群)と比較して、維持療法としてのリサンキズマブ180 mgまたは360 mgの有効性および安全性を評価することです。
主要評価項目は、52週時の臨床的寛解(Adapted Mayoスコアに基づき判定、SFSが1点以下かつベースライン値を上回らず、RBSが0点、内視鏡所見のサブスコアが1点以下で易出血性が認められない場合と定義)です。主な副次評価項目は、52週時の内視鏡的改善(内視鏡所見のサブスコアが1点以下で易出血性が認められない場合)、HEMI(内視鏡所見のサブスコアが1点以下で易出血性が認められず、かつGeboesスコアが3.1点以下の場合)およびステロイド不使用での臨床的寛解(52週時にAdapted Mayoスコアに基づく臨床的寛解が認められ、かつ52週時までに90日以上に渡ってコルチコステロイド不使用であった場合と定義)です。
本試験のトップライン結果は2023年6月に発表しています。詳細は、www.clinicaltrials.gov(NCT03398135)をご覧ください。
リサンキズマブについて
リサンキズマブは、インターロイキン-23(IL-23)のp19サブユニットに結合することによりIL-23を選択的にブロックするIL-23阻害薬です8。炎症プロセスに関与するサイトカインであるIL-23は、多くの慢性免疫関連疾患に関連すると考えられています9。リサンキズマブは、尋常性乾癬、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)およびクローン病の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)および欧州医薬品庁より承認されました。潰瘍性大腸炎に対するリサンキズマブの使用は承認されておらず、その安全性および有効性も規制当局による評価はされていません。乾癬、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、クローン病および潰瘍性大腸炎を対象とするリサンキズマブの第III相試験が進行中です9-11。
世界各国で処方情報は異なります。完全な情報は各国の製品表示をご参照ください。
消化器領域におけるアッヴィについて
潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患(IBD)の領域を大きく発展させるため、アッヴィは強固な臨床試験プログラムを実施し、最先端の研究に取り組んでいます。革新と学習、そして適応を通して、IBDによる患者さんの負担をなくし、患者さんの生活を長期にわたって改善していくことを目指しています。消化管領域におけるアッヴィについて、詳細はこちらをご覧ください。
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、精神・神経疾患、アイケア、さらに美容医療関連のアラガン・エステティックスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvie、Facebook、LinkedInやInstagramでも情報を公開しています。
1.AbbVie. Data on File: ABVRRTI75696.
2.AbbVie. Data on file: ABVRRTI76012.
3.Gajendran M, Loganathan P, Jimenez G, et al. A comprehensive review and update on ulcerative colitis. Dis Mon. 2019;65(12):100851. doi:10.1016/j.disamonth.2019.02.004
4.The facts about inflammatory bowel diseases. Crohn's &Colitis Foundation of America. Accessed March 8, 2023. https://www.crohnscolitisfoundation.org/sites/default/files/2019-02/Updated%20IBD%20Factbook.pdf
5.Ulcerative colitis. Mayo Clinic. Accessed March 3, 2023. https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/ulcerative-colitis/symptoms-causes/syc-20353326
6.Surgery for Crohn's Disease and Ulcerative Colitis. Crohn's &Colitis Foundation of America. Accessed August 21, 2023. https://www.crohnscolitisfoundation.org/sites/default/files/legacy/assets/pdfs/surgery_brochure_final.pdf
7.Mehta F. Report: economic implications of inflammatory bowel disease and its management. Am J Manag Care. 2016;22(3 Suppl):s51-60.
8.SKYRIZI [Summary of Product Characteristics]. AbbVie Ltd. Available at: https://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/skyrizi-epar-product-information_en.pdf. Accessed on August 21, 2023.
9.Pipeline. AbbVie. Accessed March 3, 2023. https://www.abbvie.com/our-science/pipeline.html
10.A study comparing risankizumab to placebo in participants with active psoriatic arthritis including those who have a history of inadequate response or intolerance to biologic therapy(ies) (KEEPsAKE2). ClinicalTrials.gov. Updated February 28, 2023. Accessed March 3, 2023. https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03671148
11.A multicenter, randomized, double-blind, placebo controlled induction study to evaluate the efficacy and safety of risankizumab in participants with moderately to severely active ulcerative colitis. ClinicalTrials.gov. Updated March 10, 2023. Accessed March 12, 2023. https://clinicaltrials.gov/ct2/show/record/NCT03398148
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