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C&W、2023年Q1のリテール市況レポート発表、コロナ前の賃料水準を上回ったのは表参道のみ


グローバル不動産総合サービス会社のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(グローバル本社:米国イリノイ州シカゴ、日本本社:千代田区永田町、C&W)は、リテール市況について最新のレポートを発表致しました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202306066185-O1-Ewq5m1m6
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経済
欧米では利上げや銀行貸出厳格化の影響が強まりつつあるものの、高インフレの影響は徐々にピークアウト。しかし、価格転嫁が遅れがちなサービス価格のインフレ圧力は残存しており、2023年度の世界経済は+2.4%の低成長にとどまる見通し。こうした対外要因の低迷をインバウンド消費やサービス消費の回復が押し返し、日本の実質GDP期待成長率は、2023年度は+1.2%、2024年度+0.9%の成長をなんとか維持する見通し。​

雇用動向をみると、宿泊、飲食サービス業・非正規職員数・65歳以上の高齢者などを中心に3月の全国雇用者数は13か月連続増加の6,036万人へ増加。一方、自己都合による離職の増加から完全失業率(季節調整値)は2.8%と0.3pp.上昇した。一方、勤労世帯の四半期実収入をみると、賃上げの遅れなどを背景に前年同期比2.3%減と減額幅が0.8pp拡大した。​

依然として、物価を上回る賃上げのハードルは高い。エネルギー価格の下落幅が前年比3.8%まで拡大したため、3月の生鮮食品を除く全国のコアCPIは前年比3.1%増に小幅反落した。そして川上の輸入物価指数は既にピークアウトしているが、川下の消費者物価指数を品目別にみると、サービス価格を中心に価格転嫁は「道半ば」である(次ページ右上グラフ参照)。先行指標となる小売業の仕入価格DIは販売価格DIを上回っていることなどからも、少なくとも2024年末までは連鎖的な値上げが広範囲に広がっていく可能性が高い。中でも、個人サービス業、宿泊・飲食業においては、人手不足などを背景に価格転嫁が出遅れており、値上げ圧力が最も高まっていることがわかる(次ページ右中グラフ参照)。3月の消費者態度指数は2か月ぶりに33.9まで改善したものの、中立となる50からは程遠く、消費者マインドからは個人消費の持続的な回復は見込みがたい。このような環境下、全体の貯蓄率は平常時の水準まで低下、高所得者のインフレ対策かつ蓄財手段となりうる高級品消費は底支えされていくと予測している。​



需給
​2023年第1四半期の小売販売高は外出機会の増加や飲食料品の単価上昇を受けて前年同期比6.5%増加。しかし、品目別消費者物価上昇率で調整した実質消費ベースでみればほぼ横ばいであることには留意したい。総括すると、外出機会の増加などから、高額品消費が目立つ販売チャンネルを中心に回復が加速。うち、全国百貨店売上(店舗数調整後)の3か月移動平均値は前年同期比14.6%増と14か月連続のプラス、コロナ前となると2019年対比では6.3%減となった。顧客別にみるとコロナ前の2019年対比で6割まで来客数が回復したインバウンドの占有率が5.1%まで上昇、顧客単価の高い都市型商業施設の売り上げを押し上げている。品目別にみると、「お出かけ需要」を支える衣料品、化粧品、パブ・居酒屋を除いた飲食店の販売が二桁増と好調であった。一方、パブ・居酒屋の売上は、客単価は向上したものの、売上高はコロナ前の2019年対比で6割にとどまる。全国スーパー(3か月移動平均値、前年同期比0.3%増)全国コンビニエンス・ストア(同5.0%増)などの最寄り品の消費傾向についても減速若しくは実質ベースでは減少へ転じた。半導体不足が解消された自動車を除けば、耐久財消費なども概ね買い控えの傾向が示されている。​



新規開発案件のアナウンスをみると、歩行者の回遊性を大幅に改善する複合大型開発のアンカーとなる都心型商業施設が注目される。東急が主導する渋谷桜丘口再開発事業として渋谷サクラステージ(店舗面積:15,200平米)が2023年の11月に開業予定。三井不動産が主導する晴海フラッグのライフスタイル型商業施設として、三井ショッピングパーク ららテラス HARUMI FLAG(店舗面積:10,100平米)が2024年春に開業予定。高輪ゲートウェイを含む都心南部の開発を推進するJR 東日本は、品川区と連携したまちづくりとして大井町駅周辺広町地区開発(店舗面積:20,800平米)を2025年末に開業予定。

アウトルック
全体の実質賃料は横ばい:好立地のハイストリートの賃料は、緩やかな賃料上昇が継続する見通し。しかし、今後二年間の全体の賃料水準は、一部のプライムエリアを除き、景気減速を反映して賃料下落サイクルが続くことを弊社では見込んでいる。短期的にはテナント入替えに伴うリーシングの回復を見込む。しかし、長期的には、客単価の向上を通じた価格転嫁を実現できるナショナル・ブランドや高付加価値施設以外においては、コストの高騰、消費の伸び悩み、価格競争の激化、資本コストの上昇などからテナント賃料負担能力の減退をあらかじめ見込むべきであろう。​

エリア別に賃料回復度合いはまちまち:コロナ前後のエリア別店舗賃料の回復度合いは相応に異なる。コロナ前後の上限賃料を比較するとコロナ前の水準を上回ったのは表参道だけであり、銀座、梅田、渋谷は横ばい、心斎橋、新宿、池袋、名古屋栄では同水準を未だ下回っている。コロナ後の市況においては、ハイストリートの賃料上昇がエリア的にも拡大していくのかに注目していきたい。​

景気サイクルに影響をうけない資産への入替を推奨:資産クラス別にみると、景気サイクルの影響が相対的に限定的で、近隣住民の日常消費を支える食料品店などを旗艦店に据えた近隣型商業施設(NSC)については、賃料、空室率、売買はほぼ変わらず、依然として底堅く推移している。また、 立地改善を目的としたREITの物件入れ替えは継続。国内金利の大幅な上昇も見込みがたい環境下、コア投資家に対しては、安定した収益を実現するNSCの推奨を継続する。



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クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドについて
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)はニューヨーク取引証券所に上場している世界有数の不動産サービス会社です。世界約60カ国、400拠点に52,000人の従業員を擁しています。施設管理、売買仲介、鑑定評価、テナントレップ、リーシング、プロジェクト・マネジメントなどのコア・サービス全体で、2022年の売上高は101億ドルを記録しました。詳しくは、公式ホームページhttps://www.cushmanwakefield.com/ja-jp/japanにアクセスするか公式ツイッター @CushWake をフォロー下さい。

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