神経幹細胞の生存を維持させるタンパク質の化学修飾
2022年12月7日
国立大学法人東海国立大学機構 岐阜大学
神経幹細胞の生存を維持させるタンパク質の化学修飾 アルギニンメチル化修飾は神経幹細胞の増殖や生存に必須
【本研究のポイント】
・アルギニンメチル化を触媒する主要酵素であるPRMT1(ピーアールエムティー1)1)の遺伝子を欠損した神経幹細胞2)(脳の大元の細胞)は、増殖能が著しく低下し、細胞死が強く誘導されていました。
・このことから、PRMT1によるアルギニンメチル化修飾(=遺伝子発現や多様な細胞機能に関わる化学修飾)が神経幹細胞の増殖や生存に必須であることを解明しました。
・神経幹細胞は、脊髄損傷や脳梗塞に対する細胞移植治療としての応用が期待されています。本研究から、アルギニンメチル化が神経幹細胞の維持に重要な翻訳後修飾の一つであることを発見しました。
【研究概要】
岐阜大学応用生物科学部の中川寅教授、橋本美涼助教(以上、生物化学研究室)、千葉大学大学院医学研究院の粕谷善俊准教授、筑波大学生存ダイナミクス研究センターの深水昭吉教授らのグループは、タンパク質のアルギニンメチル化修飾が脳の大元である神経幹細胞の増殖や生存に必須であることを明らかにしました。
神経幹細胞は、中枢神経系を構成するニューロンやグリア細胞を生み出す元になる細胞です。アルギニンメチル化酵素PRMT1は神経幹細胞で豊富に存在しますが、神経幹細胞の重要な性質の一つ、細胞増殖における機能はわかっていませんでした。そこで本研究では、神経幹細胞で特異的にPRMT1を欠損させたマウス(PRMT1-KO)を使い、神経幹細胞培養実験による細胞の増殖能評価や脳の組織学的解析を実施しました。
その結果、野生型マウス由来の細胞に比べ、PRMT1-KO細胞は増殖能が著しく低下すると共に、細胞死が誘導されることがわかりました(図1)。このことは、PRMT1によるアルギニンメチル化が、神経幹細胞の生存や増殖に必須であることを示しています。一方興味深いことに、PRMT1-KOマウス胎仔脳内において、神経幹細胞は正常な増殖や分布を示すことが確認されました(図2)。この観察結果は、PRMT1-KOマウス脳内には神経幹細胞の死を阻止する恒常性維持の仕組みがあることを示唆しています。そこで、PRMT1-KOマウス脳内の栄養因子や細胞外分泌因子の発現を調べたところ、細胞外マトリックスの一つであり神経幹細胞の増殖への寄与が報告されているラミニンの構成遺伝子の一つLama1の発現が有意に増加していることがわかりました(図3)。
以上より、(1)神経幹細胞において、PRMT1は細胞の増殖や生存を制御することが明らかになっただけでなく、(2)PRMT1欠損脳内では、脳の発達や恒常性維持のために、“神経幹細胞の生存を助けるような働きかけ”が起きていることが示唆されました。今後の研究では、(1)(2)の両方についてさらに追究することで、移植治療に用いる神経幹細胞の調製方法の向上といった再生医学へ貢献することが期待されます。
本研究成果は、日本時間2022年11月10日にFrontiers in Neuroscience誌のオンライン版で発表されました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202212060838-O6-ok7r72qn】
図1. 神経幹細胞の増殖能評価(培養下)
神経幹細胞が増殖して形成される細胞塊“ニューロスフィア” 3)の顕微鏡下観察。 PRMT1欠損ではニューロスフィアの数・大きさともに減少していた。グラフはニューロスフィア直径の定量結果(n>100. ****p<0.0001)
図2. 神経幹細胞の分布・増殖評価(胎仔マウス脳内)
SOX2陽性で示される神経幹細胞は、PRMT1-KO脳内では正常な分布を示した(SOX2:緑色、Hoechst:青色[細胞の核を染色])。
図3. PRMT1-KO脳内における分泌因子の発現
神経幹細胞増殖に寄与するラミニンの構成遺伝子Lama1がPRMT1-KO脳で増加した(*p<0.05)。
【研究背景】
神経幹細胞は、胎児の脳内に豊富に存在し、脳を構成するニューロンやグリア細胞を生み出す元になる、脳の発生の主役となる細胞です。アルギニンメチル化酵素PRMT1は神経幹細胞で高い発現を示すことやグリア細胞の産生に必須であることが報告されていましたが、神経幹細胞の重要な性質の一つである細胞増殖における機能はわかっていませんでした。そこで本研究では、神経幹細胞で特異的にPRMT1を欠損させたマウス(PRMT1-KO)を使い、神経幹細胞の単離培養による細胞の増殖能評価や脳の組織学的解析を実施しました。
【研究成果】
PRMT1-KO由来神経幹細胞の単離培養では、細胞増殖が著しく低下し、同時に細胞死が誘導されていることが判明しました(図1)。一方で、PRMT1-KOマウス脳では神経幹細胞が正常に増殖していることもわかりました(図2)。同じ細胞なのに脳内と培養系では結果が不一致ですが、これは、細胞外環境が異なるためだと考えられます。胎仔マウス脳内には神経幹細胞以外にもニューロンなど他の細胞があり、分泌因子などを介した細胞間の生理的なコミュニケーションが存在します。そこで本研究では、神経幹細胞の増殖に寄与する分泌因子に着目したところ、細胞外マトリックスタンパク質の一つであるラミニンの構成因子がPRMT1-KO脳で増加していることが分かりました(図3)。これらの結果から、PRMT1-KOマウス脳内では、神経幹細胞が死にそうになっても、なんとか脳内環境を整えて脳の正常な発達を促しているのではないか、と推察されました。本研究から、神経幹細胞が正常に増殖・生存するためにPRMT1によるアルギニンメチル化が必須であることが明らかになりました。
【今後の展開】
神経幹細胞は、再生医療分野で注目されており、iPS細胞から誘導した神経幹細胞を脳梗塞や脳・脊髄の損傷部位へ移植し機能的ニューロンを生み出すことで組織修復することが期待されています。本研究成果では、PRMT1が神経幹細胞の増殖や生存の維持に必須であることがわかりました。今後は、PRMT1が神経幹細胞においてアルギニンメチル化修飾を付加するターゲットタンパク質の同定などに取り組み、再生医学分野に貢献したいと考えています。
【論文情報】
雑誌名:Frontiers in Neuroscience
論文タイトル:Regulation of neural stem cell proliferation and survival by protein arginine methyltransferase 1
著者:Misuzu Hashimoto 1, Kaho Takeichi 1, Kazuya Murata 2, Aoi Kozakai 1, Atsushi Yagi 1, Kohei Ishikawa 1, Chiharu Suzuki-Nakagawa 1, Yoshitoshi Kasuya 3, Akiyoshi Fukamizu 2, Tsutomu Nakagawa 1
所属:1岐阜大学関係者、2筑波大学関係者、3千葉大学関係者
DOI: 10.3389/fnins.2022.948517
【用語解説】
PRMT1(ピーアールエムティー1):
タンパク質アルギニンメチル基転移酵素1。アルギニン部位のメチル化は、細胞内の様々なタンパク質で見られる化学修飾の一つであり、タンパク質の局在や他のタンパク質との相互作用に影響を与えることで、細胞増殖や遺伝子発現制御といった多様な細胞機能を制御する。
神経幹細胞:
中枢神経系(脳および脊髄)を構築する大元の細胞。胎児期に活発に増殖するとともにニューロンやグリア細胞を生み出すことで脳を形作る。再生医学分野では、脳損傷などへの移植治療による組織修復が期待されている。
ニューロスフィア:
神経幹細胞を浮遊培養した際に形成される球状の細胞塊。神経幹細胞自体の増殖(自己複製)や細胞同士の接着によって形成される。ニューロスフィアの数やサイズを調べることにより細胞の増殖能や自己複製能を評価できる。
【研究者プロフィール】
筆頭・責任著者
Misuzu Hashimoto, 橋本美涼:
2017.4〜 岐阜大学 応用生物科学部 応用生命科学課程 生物化学研究室 助教
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