ウパダシチニブ、中等症以上の潰瘍性大腸炎の治療薬として欧州医薬品委員会が欧州委員会に対し承認を推奨
アッヴィ合同会社
ウパダシチニブについて、中等症から重症の潰瘍性大腸炎の成人患者さんの治療薬として欧州医薬品委員会(CHMP)が欧州委員会に対し承認を推奨
- 3つの第III相試験(2つの導入療法試験および1つの維持療法試験)に基づくCHMPの肯定的見解1-3
- 潰瘍性大腸炎は、患者さんの大きな負担となり生活に支障をきたす可能性のある慢性の免疫介在性の炎症性腸疾患4-6
- 欧州委員会(EC)により承認された場合、EUにおけるウパダシチニブの5つ目の適応症
- ECの決定は2022年第3四半期予定
イリノイ州ノースシカゴ、2022年5月23日-アッヴィ(NYSE: ABBV)は本日、ウパダシチニブ(導入療法時用量45 mg、維持療法時用量15 mgおよび30 mg)について、既存治療または生物学的製剤のいずれかで効果不十分、効果減弱または不耐容であった中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の成人患者さんの治療薬として承認を推奨する肯定的見解を、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)から得たことを発表しました*。
潰瘍性大腸炎は大腸の慢性的な炎症であり、通常、直腸および結腸の下部に発症しますが、結腸全体に連続的に広がることもあり、患者さんにとって大きな負担となり生活に支障をきたす可能性があります5。潰瘍性大腸炎は、便意切迫、腹痛、直腸出血および便失禁などの予測不可能な症状を中心に、患者さんの生活の多くの場面に影響を及ぼします5。
アッヴィのvice president, development, chief medical officerであるNeil Gallagher, M.D., Ph.D.は次のように述べています。「炎症性腸疾患に対する治療の進歩に取り組むリーダーとして、私たちは症状の管理にとどまらない、内視鏡的・組織学的転帰も考慮した治療選択肢の研究開発に尽力してきました。今回CHMPによりウパダシチニブが潰瘍性大腸炎の治療薬として推奨されたことは、より多くの患者さんの治療目標達成をお手伝いする私たちの取組みにとって非常に大きな一歩といえます」
今回の潰瘍性大腸炎を対象としたウパダシチニブの承認申請は、2つの導入療法試験(U-ACHIEVE導入療法試験およびU-ACCOMPLISH試験)および1つの維持療法試験(U-ACHIEVE維持療法試験)から得られたデータに基づいています1-3。3つの第III相試験のいずれにおいても、主要評価項目である臨床的寛解†および全ての副次評価項目を達成した患者さんは、ウパダシチニブ群で有意に多く認められました。より具体的には、導入療法試験におけるウパダシチニブ45 mg群(1日1回)ならびに維持療法試験におけるウパダシチニブ15 mg群および30 mg群(いずれも1日1回)で、プラセボ群と比較してこれらの評価項目について統計学的に有意な改善が認められました1-3。さらに、潰瘍性大腸炎におけるウパダシチニブの安全性に関する結果は、関節リウマチで確認された安全性プロファイルと一致しており、新たな重要な安全性リスクは認められませんでした1-3,7-10。
イタリア・ミラノのサン・ラファエル病院消化器科・内視鏡科科長(director of Gastroenterology and Endoscopy at San Raffaele Hospital)であり、ヴィタ・サルーテ・サン・ラファエル大学の消化器学教授(professor of gastroenterology at University Vita-Salute San Raffaele)でもあるSilvio Danese, M.D., Ph.D.は次のように述べています。「潰瘍性大腸炎の患者さんの多くが、多数の合併症と再燃のリスクを抱えているといわれています。臨床的寛解や粘膜治癒などの臨床的転帰を達成することは、症状管理や健康に関する生活の質について大きな違いを生むと考えられます。ウパダシチニブは、従来の治療薬や生物学的製剤による治療を受けても疾患活動性が中等度から重度であった成人患者さんにとって有望な選択肢となる可能性を持っています。潰瘍性大腸炎に対する本剤の使用について、欧州委員会の最終決定を心待ちにしています」
U-ACHIEVE導入療法試験、U-ACCOMPLISH試験およびU-ACHIEVE維持療法試験について1-3,11-13
これら3つの第III相試験は、中等症から重症の潰瘍性大腸炎の患者さんを対象とした多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験です。1日1回45 mgを投与する導入療法と1日1回15 mgまたは30 mgを投与する維持療法において、ウパダシチニブの有効性および安全性を評価しています。U-ACHIEVE導入療法試験、2番目の導入療法試験であるU-ACCOMPLISH試験およびU-ACHIEVE維持療法試験で得られた主要な結果は、それぞれ2020年12月、2021年2月および2021年6月に発表されています。詳細はhttp://www.clinicaltrials.gov(NCT03006068、NCT03653026、NCT02819635)に掲載されています。
ウパダシチニブについて
アッヴィの科学者が発見し開発したウパダシチニブは、複数の免疫介在性炎症性疾患を対象に研究が進められている選択的かつ可逆的なJAK阻害剤です15-20。ヒトの細胞アッセイにおいて、ウパダシチニブは JAK1又はJAK1/3によるシグナル伝達を優先的に阻害し、その機能選択性はJAK2ペアを介してシグナル伝達を行うサイトカイン受容体よりも高いことが報告されています 14。
関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、体軸性脊椎関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、巨細胞性動脈炎および高安動脈炎を対象とするウパダシチニブの第III相試験が進行中です13,15-20。潰瘍性大腸炎に対するウパダシチニブの使用は、米国およびプエルトリコ以外の規制当局には承認されておらず、その安全性および有効性は評価されていません。
世界各国で処方情報は異なります。完全な情報は各国の製品表示をご参照ください。
消化器領域におけるアッヴィについて
潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患(IBD)の領域を大きく発展させるため、アッヴィは強固な臨床試験プログラムを実施し、最先端の研究に取り組んでいます。革新と学習、そして適応を通して、IBDによる患者さんの負担をなくし、患者さんの生活を長期にわたって改善していくことを目指しています。消化管領域におけるアッヴィについて、詳細はこちらをご覧ください。
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未
来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにする
ため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメン
ズヘルス、消化器疾患、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィ
の詳細については、www.abbvie.comをご覧ください。Twitter アカウント@abbvie、Facebook、
Instagram、YouTube やLinkedInでも情報を公開しています。
1.Vermeire, S., et al. OP23 Efficacy and safety of upadacitinib as induction therapy in patients with Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis: Results from phase 3 U-ACCOMPLISH study, Journal of Crohn's and Colitis, Volume 15, Issue Supplement 1 .May 2021.
2.Danese, S., et al. OP24 Efficacy and safety of upadacitinib induction therapy in patients with Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis: Results from the phase 3 U-ACHIEVE study, Journal of Crohn's and Colitis, Volume 15, Issue Supplement 1. May 2021.
3.Danese, S., et al. OP08 The effects of maintenance therapy with upadacitinib on abdominal pain, bowel urgency, and fatigue in patients with moderately to severely active Ulcerative Colitis: Phase 3 U-ACHIEVE maintenance results, Journal of Crohn's and Colitis, Volume 16, Issue Supplement 1. January 2022.
4.Gajendran M., et al. A comprehensive review and update on ulcerative colitis. Dis Mon. 2019 Dec;65(12):100851. doi: 10.1016/j.disamonth.2019.02.004. Epub 2019 Mar 2.
5.The Facts about Inflammatory Bowel Diseases. Crohn's &Colitis Foundation of America. 2014. Available at: https://www.crohnscolitisfoundation.org/sites/default/files/2019-02/Updated%20IBD%20Factbook.pdf. Accessed on March 29, 2022.
6.Mehta F. Report: economic implications of inflammatory bowel disease and its management. Am J Manag Care. 2016 Mar;22(3 Suppl):s51-60.
7. Cohen S., et al. Safety profile of upadacitinib in rheumatoid arthritis: integrated analysis from the SELECT phase III clinical programme. Ann Rheum Dis. 2020 Oct 28;80(3):304-11.
8.Mease, P.J., et al. Upadacitinib in Patients with Psoriatic Arthritis and Inadequate Response to Biologics: 56-Week Data from the Randomized Controlled Phase 3 SELECT-PsA 2 Study. Rheumatol Ther. 2021 Apr 28. doi: 10.1007/s40744-021-00305-z. Online ahead of print.
9.Guttman-Yassky E., et al. Once-daily upadacitinib versus placebo in adolescents and adults with moderate-to-severe atopic dermatitis (Measure Up 1 and Measure Up 2): results from two replicate, double-blind, randomized controlled phase 3 studies. Lancet. doi:10.1016/s0140-6736(21)00588-2.
10.Van der Heijde D., et al. Efficacy and Safety of Upadacitinib in a Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Multicenter Phase 2/3 Clinical Study of Patients With Active Ankylosing Spondylitis. 2019 ACR/ARP Annual Meeting;2728.
11.A Study to Evaluate the Long-Term Safety and Efficacy of Upadacitinib (ABT-494) in Participants With Ulcerative Colitis (UC). ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03006068. Accessed on March 29, 2022.
12.A Study of the Efficacy and Safety of Upadacitinib (ABT-494) in Participants With Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis (U-Accomplish). ClinicalTrials.gov 2021. Available at: https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03653026. Accessed on March 29, 2022.
13.A Study to Evaluate the Safety and Efficacy of Upadacitinib (ABT-494) for Induction and Maintenance Therapy in Participants With Moderately to Severely Active Ulcerative Colitis (UC). ClinicalTrials.gov 2021. Available at: https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02819635. Accessed on March 29, 2022.
14.RINVOQ [Summary of Product Characteristics]. AbbVie Deutschland GmbH &Co. KG; September 2021. Available at: https://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/rinvoq-epar-product-information_en.pdf.
15.Pipeline – Our Science | AbbVie. AbbVie. 2021. Available at: https://www.abbvie.com/our-science/pipeline.html. Accessed on March 29, 2022.
16.A Study to Compare Safety and Efficacy of Upadacitinib to Dupilumab in Adult Participants With Moderate to Severe Atopic Dermatitis (Heads Up). ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03738397. Accessed on March 29, 2022.
17.A Study to Evaluate Efficacy and Safety of Upadacitinib in Adult Participants With Axial Spondyloarthritis (SELECT AXIS 2). ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04169373. Accessed on March 29, 2022.
18.A Multicenter, Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study of ABT-494 for the Induction of Symptomatic and Endoscopic Remission in Subjects With Moderately to Severely Active Crohn's Disease Who Have Inadequately Responded to or Are Intolerant to Immunomodulators or Anti-TNF Therapy. ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02365649. Accessed on Accessed on March 29, 2022.
19.A Study to Evaluate the Safety and Efficacy of Upadacitinib in Participants With Giant Cell Arteritis (SELECT-GCA). ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03725202. Accessed on March 29, 2022.
20.A Study to Evaluate the Efficacy and Safety of Upadacitinib in Subjects With Takayasu Arteritis (TAK) (SELECT-TAK). ClinicalTrials.gov. 2021. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04161898. Accessed on March 29, 2022.
* この推奨は、ファーマコビジランスデータに起因して進行中の規則(EC)No 726/2004第20条による照会手続の最終決定に影響を与えるものではありません。
† Adapted Mayoスコアに基づく
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