再生医療ベンチャーのイノバセル株式会社がSBIとメディパルなどによる出資を受けて累計調達額115億円を達成
2021年12月17日
イノバセル株式会社
便失禁・尿失禁の治療を目的とした細胞治療により、人々の健康とQOL向上を目指すイノバセル株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:シーガー・ジェイソン(Jason David Sieger))は本日、SBIインベストメント株式会社と株式会社メディパルホールディングスなどからの出資を受け、前身会社設立来累計調達額が115億円を上回りました。なお、現在実施中のラウンド(シリーズC)では合計20億円超を調達予定であり、更なる資金の積み増しを目指して活動中です。
■資金調達の概要と背景
パイプライン製品の開発と株式上場の最終準備フェーズにある今回のラウンドでは、当社は戦略的互恵関係を有する投資家からの資金調達に力点を置いております。日本を代表する医療分野実業家がリードするシーズ・インベストメントの運営ファンド群からの追加・新規出資、バイオテクノロジーを次世代の基幹産業と位置付けて豊富なバイオ企業支援実績を有するSBIインベストメントのSBI 4+5 ファンド、及び医療用医薬品等卸売事業において国内大手であるメディパルグループのCVCである「MEDIPAL Innovation 投資事業有限責任組合」からの新規出資、日本屈指の資産家を母体とする株式会社Moroto Capital Management からの出資などで、ラウンドクローズ前ながら既に合計約11億円の資金調達を完了しました。
今回調達する資金を活用して、当社は切迫性便失禁を対象とした再生医療等製品(ICEF15)の臨床試験の実施、株式上場の準備、漏出性便失禁を対象とした再生医療等製品(ICEF16)の前臨床・臨床開発などをさらに加速させ、より良い治療を待ち望む患者さまに一日でも早く革新的な治療を届けられるよう取り組んでまいります。
なお、当社は、ICEF15の欧州での後期第II相試験(STEFFI試験)を成功裏に終了しており、現在、上市を目指して、検証試験(fidelia試験)を開始しています。
■イノバセル株式会社 代表取締役 CEO シュタインフーバー・エッケハルトのコメント
当社は、オーストリアの前身会社での長年の活動成果を基盤として、先進的な再生医療当製品の開発環境を有する日本における株式上場を目指して新たに設立されました。今回のラウンドで、戦略的シナジーを有する日本の優良な投資家の方々からご支援とご関心を寄せていただいていることを光栄に思います。
また、この場を借りて、ICEF15の検証試験の実施のためにご支援くださっている多くの皆様と、その皆様の支援を受けて精力的に活動している日本・オーストリアのイノバセルチームメンバーに対して心より感謝の意を表します。
■イノバセル株式会社 代表取締役 COO シーガー・ジェイソンのコメント
日本の再生医療業界で長年働いてきた者として、今回の出資が、失禁に悩む患者さまに低侵襲かつ革新的な治療をいち早く提供したいという私どもの思いを大きく前進させるものと確信しています。
再生医療等製品などのスペシャリティ医薬品の超低温輸送や健康増進市場の開発に実績をお持ちのメディパルグループとの将来的な協働の可能性は、ここ日本における当社の中長期的な取り組みにとって大きな戦略的意義を有するものと考えております。更に、ライフサイエンス・ヘルスケア・バイオ領域への豊富な投資実績を有するSBIインベストメントと共に、引き続き同じ志を有する投資家を募り、株主構成の強化を図ってまいります。
■既存株主 株式会社IDファーマ 代表取締役社長 森 豊隆氏のコメント
イノバセルのパイプラインには大きな魅力を感じており、前身会社からの株主として、またICEF15の国内製造受託をする企業として、今回のラウンドでのSBI様、メディパル様などからの出資を大変喜ばしく受け止めております。再生医療等製品を患者さまに届けるにあたり、製造と流通は非常に重要な要素であり、IDファーマはメディパル様とともにこの役割を担っていけることを嬉しく思います。
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便失禁について
便失禁は、無意識又は自分の意思に反して肛門から便がもれる症状と定義されます(*1)。
また、自尊心の喪失、社会的孤立、QOLの低下などを招く重大な社会的、衛生的問題であるとされており、日本における便失禁疾患領域の潜在患者は500万人以上(*2)とも推計されています。
便失禁の治療、特に外科治療においては、以前より、低侵襲で安全性が高く、長期有効性が確立された治療法の開発が期待されております。
*1 出典:便失禁治療ガイドライン2017年度版
*2 出典:外科79巻3号:212-219, 2017
イノバセル株式会社について
当社の前身会社はオーストリアのインスブルック医学大学からスピンアウトした再生医療ベンチャーであり、当社はこのオーストリア企業の親会社として2021年に日本で設立されました。
当社グループは再生医療の事業化を通じた人々の健康とQOLの向上を目指しており、現在は便失禁(切迫性/漏出性)および腹圧性尿失禁を治療するための再生医療等製品の研究開発・事業化に特化した事業を行っています。
開発が最も進んでいる当社の主力製品であるICEF15は、患者さまご自身の筋芽細胞を利用し、“局所投与”での筋肉再生を促すことにより、切迫性便失禁の根治を目指す製品です。 これまでに、欧州においてICEF15とICES13(腹圧性尿失禁の治療のための細胞療法)の2つの後期第II相試験を含む複数の臨床試験を成功させています。現在、便失禁を対象としたフェーズIII試験を準備中です。
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