全国20〜40代男女3万人に聞く 「第4回 妊活(R)および不妊治療に関する意識と実態調査」
メルクバイオファーマ株式会社
メルクバイオファーマ株式会社
全国20〜40代男女3万人に聞く「第4回 妊活(R)および不妊治療に関する意識と実態調査」
合計特殊出生率は4年連続減少、出生数も1899年調査開始以来、最少※ 企業や自治体のサポート、そして妊活や不妊治療に対する正しい理解の促進が 安心して治療に取り組める社会への一歩に
●全国20〜40代男女が関心のある社会的課題、No.1は「少子化対策」
● 妊娠や不妊に関する知識を問うテストでは100点満点中、平均45.6点と、正しい知識不足の現状が浮き彫りに
● 不妊治療経験者の6割強が「経済的な理由で治療を諦めた」、「一時やめたり遅らせたり迷ったりした」ことがあり、約3割が「不妊治療のために仕事を変更」
サイエンスとテクノロジーの企業であるメルク(Merck)の日本法人、メルクバイオファーマ株式会社(本社:東京、代表取締役社長:アレキサンダー・デ・モラルト)は、合計特殊出生率が4年連続で減少し、2019年の出生数が1899年調査開始以来、最少※となるなど少子化傾向に歯止めがかからない日本における、妊活および不妊治療に関する意識と実態について、20~40代の男女を対象に調査を実施しました(事前調査:20~40代の男女3万人、本調査:不妊治療経験者〈自身またはパートナーが過去に不妊治療を受けた、または現在不妊治療を受けている男女〉300人、調査期間:2020年4月10日(金)~13日(月))。
※厚生労働省「2019年人口動態統計月報年計(概数)」(2020年6月5日発表)
主な調査結果は、以下の通りです。
1. 最も関心のある社会的課題は、1位「少子化対策」、2位「健康と福祉」、3位「貧困対策」20〜40代男女3万人の「半数」が子どもを望む
一方で、30代は、女性で33%と約3人に1人が、男性は23%で約4人に1人が不妊に悩む
• 20〜40代の男女3万人が、最も関心を寄せる日本の社会的課題は「少子化対策」(40.6%)、「健康と福祉」(37.8%)、「貧困対策」(29.7%)
• 男女3万人の約半数が「子どもを授かりたい」(48.8%)と望む一方で、不妊について「過去悩んだ」16.3%+「現在悩んでいる」6.4%となり、全体の22.7%が不妊に悩んだ経験がある。30代男女で高め(男性23.1%、女性32.9%)
※詳細: 別添「調査結果概要書」P.1~2ご参照
2. 子どもを授かる理想と考える年齢は「25~29歳」である一方、現実は30代以降の出産が4割強
妊娠や不妊に関する知識を問うテストは100点満点中、平均45.6点で、知識不足の現状が浮き彫りに
• 子どもを授かる理想年齢は「25~29歳」が最多(63.5%)であるが、30代以降での出産が41.0%を占める
• 「妊娠する力=妊孕(にんよう)性」の指標となる妊孕性知識尺度の平均点は100点満点中45.6点(男性39.2点、女性52.3点)。「今日では40代の女性でも30代の女性と同じくらい妊娠する可能性がある」の正答率は34.0%
※詳細: 別添「調査結果概要書」P.3~4ご参照
3. 不妊治療経験者の約9割が「治療費(薬剤費以外)」「薬剤費」などの経済的負担を感じ、6割強が経済的な理由で、治療を諦めたり、一時やめたり、遅らせたり、迷ったりした経験がある
• 不妊治療経験者の89.0%が経済的負担を感じたことがある。「治療費(薬剤費以外)」「薬剤費」に次いで「通院のための交通費・ガソリン費」も負担に
• 不妊治療に関する治療費総額約130.6万円。治療以外にも二次的出費や通院費がかかる人も
• 交通費・ガソリン費を負担と感じている人は、1回の交通費・ガソリン費平均3,587.8円✕ 1カ月の通院回数6.2回で、月々の交通費・ガソリン費だけで22,244円の負担に
• 経済的負担が原因で治療を諦めた、一時やめた、遅らせた、治療を続けるか迷った人が計63.0%で、お金の問題が不妊治療を続ける障壁になった経験あり
※詳細: 別添「調査結果概要書」P.5~6ご参照
4. 不妊治療経験者の約3人に1人が仕事と不妊治療の両立に悩み、約4人に1人は「有休」をとって通院 不妊治療のために約2割が「退職」し、約3割が仕事を変えている。平均「108万円」の収入減を経験
• 不妊治療経験者の約3人に1人が「仕事との両立」(35.0%)に悩む。男性(32.7%)、女性(37.3%)とも30%台
• 不妊治療経験者の約4人に1人が不妊治療通院のために「有休」を取得(24.7%)。ひと月の取得日数は4.4日とほぼ週1日
• 不妊治療経験者の17.9%が「退職」。「転職」(8.4%)や「異動」(3.2%)を合わせ29.5%が仕事を変更
• 不妊治療による異動や転職などで収入が減った人の平均金額は「108.3万円」に上る
※詳細: 別添「調査結果概要書」P.7~8ご参照
■調査結果概要書
https://www.merckgroup.com/jp-ja/company/information/2020/202009_Ninkatsu-investigation_JP.pdf
■調査概要(ともにインターネット調査)
1~2:事前調査
・実施時期 2020年4月10日(金)~4月11日(土)
・調査対象 全国の20〜40代男女30,000人
3~4:本調査
・実施時期 2020年4月11日(土)~4月13日(月)
・調査対象 不妊治療経験者300人(自身またはパートナーが過去に不妊治療を受けた、または現在不妊治療を受けている人)
※本調査に記載の数値は、小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
メルクについて
Merck(メルク)はヘルスケア、ライフサイエンス、パフォーマンスマテリアルズの分野における世界有数のサイエンスとテクノロジーの企業です。約57,000人の従業員が、人々の暮らしをより良くすることを目標に、より楽しく持続可能な生活の方法を生み出すことに力を注いでいます。ゲノム編集技術を進展させることから治療が困難を極める疾患に独自の治療法を発見すること、また各種デバイスのスマート化まで、メルクはあらゆる分野に取り組んでいます。2019年には66カ国で162億ユーロの売上高を計上しました。
メルクのテクノロジーと科学の進歩において鍵となるのは、サイエンスへのあくなき探求心と企業家精神です。それはメルクが1668年の創業以来、成長を続けてきた理由でもあります。創業家が今でも、上場企業であるメルクの株式の過半数を所有しています。メルクの名称およびブランドのグローバルな権利は、メルクが保有しています。唯一の例外は米国とカナダで、両国では、ヘルスケア事業ではEMDセローノ、ライフサイエンス事業ではミリポアシグマ、パフォーマンスマテリアルズ事業ではEMDパフォーマンスマテリアルズとして事業を行っています。
メルクバイオファーマ株式会社について
メルクバイオファーマ株式会社は「メルク ヘルスケア・ビジネス」(本社:ドイツ・ダルムシュタット)における、バイオ医薬品事業部門の日本法人です。2007年10月1日にメルクセローノ株式会社として発足し、がん、腫瘍免疫および不妊治療領域を重点領域としています。
メルクバイオファーマ株式会社の会社概要については
https://www.merckgroup.com/jp-ja/company/merckbiopharma.htmlをご覧ください。
===ここまでがメルクバイオファーマ株式会社の調査結果リリースです。===
医療専門家・石原 理 先生のコメント
石原 理(いしはら おさむ) 先生
埼玉医科大学病院 婦人科教授
産婦人科一般、生殖内分泌学、不妊症治療学、日本産科婦人科学会産婦人科専門医、
日本生殖医学会生殖医療専門医、GID学会認定医
わが国では、一人の女性が生涯に産む子どもの平均数「合計特殊出生率」が、2019年には1.36となり4年連続で低下しました※。出生数も1899年の調査開始以来過去最少で、2055年には日本の人口は1億人を割り込むと予想されています。
今回実施した「妊活および不妊治療に関する意識と実態調査」によれば、全国の20~40代の男女が現在関心を持っている日本の社会的課題として、40.6%の方が「少子化対策」を挙げ、これに「健康と福祉」(37.8%)、「貧困対策」(29.7%)が続きます。この三課題は密接に相互関連しており、従来のような個別対策ではなく、広い視野に基づく長期的で総合的な政策的対応が喫緊の課題となっています。生活者自身の問題意識が、まさにこの三課題に焦点を当てているのです。
さらに今回の調査から、特にこれから子どもを持つ世代である20代の男女の7割以上が子どもを持つことを希望し、高齢化社会の進展に伴い、政治的発言力が相対的に低下してきた若年層の意識を正確に把握し支援する重要性が明白に示されました。
妊娠・分娩をする女性の高齢化は、しばしば女性の高学歴化や社会的進出と共に議論が行われますが、女性の活躍は先進諸国に共通の事象です。わが国においては、これらに加えて、男女ともに未婚化・非婚化が少子化をもたらす大きな要素であり、その背景には、若年男女における非正規雇用の増加に代表されるように、失業率上昇として現れることのない低収入化・貧困化があります。その結果、妊娠・分娩・子育てを考える(可能になる)年齢が高齢化します。女性は高年齢になるほど妊娠しにくくなりますから、不妊治療を必要とするカップルも増加します。不妊治療は、身体的、経済的負担が大きく、仕事との両立に悩む方も多数あり、中には退職や転職・異動せざるを得ない場合もあります。
わが国が、今、何よりもまず取り組むべきことは、「少子化」に対する総合政策です。具体的には、保育所増設など現行の子育て支援施策にとどまらず、子どもたちの医療費や教育費の無償化、収入制限のない児童手当給付、そして不妊症とその治療についての教育啓発を進め、若年世代をさらに優先する不妊治療費給付を行うことではないでしょうか。
※厚生労働省「2019年人口動態統計月報年計(概数)」(2020年6月5日発表)
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