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ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン、AML患者対象としたベネトクラクス併用療法の第III相試験データを掲載


2020年8月25日

アッヴィ合同会社



ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine: NEJM)、急性骨髄性白血病(AML)患者さんを対象としたベネトクラクス併用療法の第III相試験データを掲載

●第III相VIALE-A試験において、ベネトクラクス/アザシチジン併用療法により、強力な化学療法が適応とならない初発のAML患者さんの死亡リスクがプラセボ/アザシチジン併用時と比較して34%減少

●AMLは最も悪性度が高い血液がんの一つで、生存率は極めて低く、現在の標準治療である強力な化学療法を受けられない患者さんの治療選択肢は僅か1,2



イリノイ州ノースシカゴ、2020年8月12日(米国時間)―アッヴィ(NYSE: ABBV)は本日、AML患者さんを対象とした第III相VIALE-A試験の結果が、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine: NEJM)に掲載されたことを発表しました。未治療で、従来の強力な化学療法に対する忍容性のない初発のAML患者さんを対象とした本試験において、ベネトクラクス/アザシチジン併用療法により、全生存期間(OS)がプラセボ/アザシチジン併用時と比較して延長されました。この原稿は、「Azacitidine and Venetoclax in Previously Untreated Acute Myeloid Leukemia(未治療のAMLに対するアザシチジン/ベネトクラクス併用療法)」という標題でNEJMの2020年8月13日号に掲載されました3。





治験総括医師である、テキサス大学MDアンダーソンがんセンター がん治療部門白血病科のコートニー・D・ディナルド医師(M.D.、MSCE)は以下のように述べています。「ベネトクラクス/アザシチジン併用療法では、強力な化学療法に耐えられない初発のAML患者さんの転帰を改善することができます。これは、従来のAML治療を変える進歩となるでしょう」



VIALE-A試験において、米国ではOSが唯一の主要評価項目でした。一方、中国、日本、欧州連合(EU)およびEU参照国では、OSと複合完全寛解(CR+CRi)率の2つが主要評価項目でした。CR+CRiは完全寛解(CR)と、不完全な血液学的回復を伴うCR(CRi)、すなわち、血球数が完全に回復していない不完全なCRを反映した複合スコアです4,5。ベネトクラクス/アザシチジン併用療法により、死亡リスクがプラセボ/アザシチジン併用時と比較して34%減少しました[ハザード比(HR)0.66(95%CI:0.52~0.85)、p<0.001]3。



ベネトクラクス/アザシチジン併用療法群では、OSの中央値が14.7カ月(95%CI:11.9~18.7)であったのに対し、プラセボ/アザシチジン群では9.6カ月(95%CI:7.4~12.7)でした。またCR+CRi達成率は、ベネトクラクス/アザシチジン群では66.4%(95%CI:60.6~71.9)であったのに対し、プラセボ/アザシチジン/群では28.3%(95%CI:21.1~36.3)でした(p<0.001)。NEJMで発表されたその他の副次評価項目は、CR+部分的な血液学的回復を伴うCR(CR+CRh)などです3。



VIALE-A試験で確認された安全性プロファイルは、ベネトクラクス/アザシチジン併用療法の既知の安全性プロファイルと概ね一致していました。ベネトクラクス/アザシチジン併用療法群で最も頻繁にみられた有害事象(40%以上の患者さんで発現)は、大半が血液系または消化管系の事象で、その内訳は血小板減少症(46%)、悪心(44%)、便秘(43%)、好中球減少症(42%)、発熱性好中球減少症(42%)、および下痢(41%)でした。ベネトクラクス/アザシチジン群で頻繁にみられた重篤な有害事象(10%を超える患者さんで発現)は、発熱性好中球減少症(30%)および肺炎(17%)でした。増量期間中に、腫瘍崩壊症候群(TLS)がベネトクラクス/アザシチジン群の3例で報告されましたが、プラセボ/アザシチジン群では報告されませんでした。いずれの事象も一過性の生化学的な変化であり、尿酸排泄促進薬(尿酸の尿中排泄量を増やし、血漿中の尿酸濃度を低下させる薬剤)とカルシウム補給剤により回復し、治験薬の投与は中断されませんでした。



VIALE-A試験の結果は、2020年6月にオンライン開催された第25回欧州血液学会(EHA)年次総会にて、最新データとして発表されました(抄録番号LB2601)6。アッヴィはジェネンテック社と共同で、VIALE-A(M15-656)試験の結果を、VIALE-C(M16-043)試験のデータならびに第I/II相試験(M14-358およびM14-387)の最新データとともに米国食品医薬品局(FDA)に提出しました。これは、75歳以上または強力な導入化学療法を選択できない併存疾患を有する初発のAML成人患者さんに対するアザシチジン、デシタビンまたは低用量シタラビン(LDAC)との併用療法を適応としたベネトクラクスの迅速承認を、完全承認に変更するためです。またアッヴィは、その他の世界各国の保健当局にもこれらのデータを提出しました。



AMLは世界で最も多い急性白血病です7。標準治療である強力な化学療法に耐えられない患者さんもいることから8、AMLは治療が最も困難な血液がんとなっています9。治療法やケアの進歩にもかかわらず、AMLと診断された患者さんの5年生存率は約28%にとどまっています10。



ベネトクラクスは、米国ではVenclexta(R)という製品名で、アッヴィとロシュ社が開発を行っています。米国ではアッヴィとロシュグループの一員であるジェネンテック社が共同販売しており、米国以外ではアッヴィが販売しています。



VIALE-A(M15-656)第III相試験について

二重盲検、プラセボ対照第III相VIALE-A試験では、強力な化学療法が適応にならない未治療のAML患者さん433名が無作為に割り付けられました。本試験では、ベネトクラクス/アザシチジン併用療法群(n=286)の有効性と安全性をプラセボ/アザシチジン群(n=145)と比較評価しました3。



ベネトクラクスについて

ベネトクラクスはB細胞リンパ腫2(BCL-2)タンパク質に対し、選択的に結合および阻害するファーストインクラスの薬剤です。一部の血液がんでは、BCL-2がアポトーシスと呼ばれるがん細胞の自然死または自己破壊の過程を阻止します。ベネトクラクスは、BCL-2タンパク質を標的とし、がん細胞で失われたアポトーシスの過程を回復させる作用があります。



ベネトクラクスは、アッヴィとロシュ社が開発を行っています。米国ではアッヴィとロシュグループの一員であるジェネンテック社が共同販売しており、米国以外ではアッヴィが販売しています。これら数社の共同でBCL-2研究に取り組んでおり、種々の血液がんおよび他のがんを対象に、複数の臨床試験でベネトクラクスを評価しています。ベネトクラクスは、米国を含め50を超える国で承認されています。



ベネトクラクスの使用および米国における重要な安全性情報11



使用

ベネトクラクスは、以下を適応とする処方薬です。

・慢性リンパ性白血病(CLL)または小リンパ球性リンパ腫(SLL)成人患者さんの治療

・以下に該当する初発の急性骨髄性白血病(AML)成人患者さんに対するアザシチジン、デシタビンまたは低用量シタラビンとの併用療法

○75歳以上、または

○AML以外に、標準的な化学療法を使用できないような医学的状態にあること





ベネトクラクスは、奏効率に基づき承認されました。本剤の効果をさらに長期間にわたって検討する試験が進行中ですが、その結果によっては、上記の適応での承認が継続される可能性があります。



ベネトクラクスの小児に対する安全性および有効性は明らかになっていません。



重要な安全性情報



ベネトクラクスについて認識しておくべき最も重要な情報とはどのようなものでしょうか。



ベネトクラクスは重篤な副作用を引き起こす可能性があります。以下に例を示します。



腫瘍崩壊症候群(TLS):TLSはがん細胞が短時間に崩壊することにより起こります。TLSは腎不全を引き起こし、透析治療が必要となる可能性があるほか、死に至ることもあります。担当の医療従事者は、ベネトクラクスの投与開始前に検査を行い、TLSになるリスクがあるかを調べます。TLSになるリスクを低減させるため、ベネトクラクスの投与開始前と投与中に他の薬剤が投与されます。補液の静脈内(IV)投与が必要になることもあります。TLSの有無を調べるため、担当の医療従事者はベネトクラクスの投与開始時と投与中に血液検査を行います。予約したとおりに血液検査を受けることが重要です。ベネトクラクス投与中に、発熱、悪寒、悪心、嘔吐、錯乱、息切れ、痙攣発作、不整脈、暗色尿、混濁尿、異常な疲労、筋肉痛、関節痛など、TLSの症状が現れた場合は、すぐに担当の医療従事者に伝えてください。



TLSになるリスクを低減するため、ベネトクラクス の投与時は水分を多くとってください。ベネトクラクス初回投与の2日前から毎日コップ6~8杯(合計で約56オンス)の水を飲み始め、ベネトクラクス初回投与当日や用量が増量されたときも毎回飲んでください。



副作用が認められた場合、担当の医療従事者はベネトクラクスの投与を延期したり、用量を減らしたり、投与を中止したりすることがあります。



ベネトクラクスを服用すべきでないのは、どのような患者さんですか。



ベネトクラクスの服用を開始し、徐々に増量している間はTLSが増えるリスクがあるため、特定の薬剤を服用しないでください。



・処方薬、市販薬、ビタミン剤、ハーブサプリメントなど、服用している薬剤をすべて担当の医療従事者に伝えてください。ベネトクラクスと他剤が互いに影響し合い、重篤な副作用を引き起こすおそれがあります。

・担当の医療従事者に相談することなく、ベネトクラクス投与中に新たな薬剤の服用を開始しないでください。



ベネトクラクスを服用する前に、あなたの医学的情報をすべて担当の医療従事者に伝えてください。例えば、次のような場合です。

・腎障害または肝障害がある。

・塩分または電解質(カリウム、リン、カルシウムなど)に問題がある。

・血中の尿酸値が高かったことがある、または痛風の既往歴がある。

・ワクチン接種を予定している。ベネトクラクスの投与前、投与中または投与後は担当の医療従事者が接種を認めるまで「生ワクチン」は接種しないでください。予防接種またはワクチンの種類について不確かな場合は、担当の医療従事者にお尋ねください。ベネトクラクス投与中は、このようなワクチンを安全に接種できない、または接種しても効果が得られないことがあります。

・妊娠している、または妊娠を計画している。ベネトクラクスは胎児に害を及ぼすおそれがあります。妊娠可能な場合、担当の医療従事者がベネトクラクス投与開始前に妊娠検査を行います。ベネトクラクス投与期間中と最終投与後30日間、効果的な避妊を行ってください。妊娠した、または妊娠したと思われる場合は、すぐに担当の医療従事者に伝えてください。

・授乳中または授乳を計画している。ベネトクラクスが母乳に移行するかどうかは不明です。ベネトクラクス投与期間中は授乳しないでください。



ベネトクラクス服用中は、どのようなことを避けるべきですか。

ベネトクラクスを服用している間は、グレープフルーツジュースを飲まないでください。また、グレープフルーツ、セビリヤオレンジ(マーマレードに使用されることが多い)またはスターフルーツを食べないでください。これらの製品や産物は血中のベネトクラクスの量を増加させる可能性があります。



ベネトクラクスの副作用は、どのようなものですか。



ベネトクラクスは重篤な副作用を引き起こすおそれがあります。例えば、次のような副作用です。



・白血球数低値(好中球減少症):白血球数低値はベネトクラクスでよくみられますが、重度になることもあります。担当の医療従事者は、血球数を調べるためベネトクラクス投与期間中に血液検査を行います。

・感染症:ベネトクラクス投与期間中に死亡に至った例や肺炎や血液感染(敗血症)などの重篤な感染症が報告されています。担当の医療従事者が綿密な観察を行い、ベネトクラクス投与期間中に発熱などの感染の徴候が認められた場合は直ちに治療を行います。



ベネトクラクスを服用している間に発熱や感染症の徴候がみられる場合は、すぐに担当の医療従事者に伝えてください。



CLL患者さんまたはSLL患者さんにベネトクラクスをオビヌツズマブまたはリツキシマブと併用したとき、もしくは単剤で投与したときの主な副作用は、白血球数低値、血小板数低値、赤血球数低値、下痢、悪心、上気道感染、咳嗽、筋肉痛、関節痛、疲労、腕、脚、手および足の腫脹などです。

AML患者さんにベネトクラクスとアザシチジン、デシタビンまたは低用量シタラビンをそれぞれ併用したときの主な副作用は、白血球数低値、悪心、下痢、血小板数低値、便秘、白血球数低値を伴う発熱、赤血球数低値、血液の感染、発疹、浮動性めまい、低血圧、発熱、腕、脚、手および足の腫脹、嘔吐、疲労、息切れ、出血、肺の感染、胃(腹部)の痛み、筋肉または背部の痛み、咳嗽、ならびに咽喉痛などです。



ベネトクラクスにより、男性の受精能に問題が生じることがあります。子どもをもうける能力に影響を及ぼす可能性があります。受精能について心配な場合は、担当の医療従事者にご相談ください。



上記は、ベネトクラクスによって生じる可能性がある副作用をすべて示したものではありません。詳細については、担当の医療従事者か薬剤師にお尋ねください。



処方薬の副作用をFDAに報告することが推奨されています。

ウェブサイトwww.fda.gov/medwatchにアクセスするか、1-800-FDA-1088に電話してください。



薬剤の購入が経済的に難しい場合は、http://www.medicineassistancetool.orgに問い合わせて支援を受けてください。



米国でのベネトクラクスの処方情報(投薬ガイドを含む)の全文はこちらでご確認いただけます。



世界各国で処方情報はさまざまです。完全な情報については各国の添付文書を参照してください。



がん分野におけるアッヴィについて

アッヴィでは、当社が持つ生物学の中心分野における深い知識を、最先端の技術と独自に組み合わせ、科学者、臨床専門家、同業企業、支援団体、患者さんなどのパートナーと協力して、がん治療に変革をもたらす医薬品の発見と開発に努めています。当社は、一部の非常に消耗性の高い広範囲ながんの治療法において、革新的な進歩を実現することに重点を置いています。また、患者さんが当社のがん治療薬を使用できるようソリューションの探求にも取り組んでいます。現在、アッヴィのがん分野のポートフォリオは、市販されている医薬品と、複数の新規分子を含むパイプラインで構成されています。それらは20種類を超える、異なる型の腫瘍について、300件以上の臨床試験において世界中で評価されています。詳細についてはhttp://www.abbvie.com/oncologyをご覧ください。



アッヴィについて

アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製と提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。患者さん一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、がん、神経疾患、アイケア、ウイルス、ウイメンズヘルス、消化器疾患、さらにアラガンエステティクスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。Twitterアカウント@abbvieFacebookLinkedInInstagramでも情報を公開しています。



Forward looking statement

Some statements in this news release are, or may be considered, forward-looking statements for purposes of the Private Securities Litigation Reform Act of 1995. The words "believe," "expect," "anticipate," "project" and similar expressions, among others, generally identify forward-looking statements. AbbVie cautions that these forward-looking statements are subject to risks and uncertainties that may cause actual results to differ materially from those indicated in the forward-looking statements. Such risks and uncertainties include, but are not limited to, failure to realize the expected benefits from AbbVie's acquisition of Allergan plc ("Allergan"), failure to promptly and effectively integrate Allergan's businesses, competition from other products, challenges to intellectual property, difficulties inherent in the research and development process, adverse litigation or government action, changes to laws and regulations applicable to our industry and the impact of public health outbreaks, epidemics or pandemics such as COVID-19. Additional information about the economic, competitive, governmental, technological and other factors that may affect AbbVie's operations is set forth in Item 1A, "Risk Factors," of AbbVie's 2019 Annual Report on Form 10-K, which has been filed with the Securities and Exchange Commission, as updated by its subsequent Quarterly Reports on Form 10-Q. AbbVie undertakes no obligation to release publicly any revisions to forward-looking statements as a result of subsequent events or developments, except as required by law.



 



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