日本唯一のアートサイエンス学科に、世界的建築家・妹島和世氏による日本初の大学建築
~日本唯一のアートサイエンス学科にシンボル的新校舎が誕生!~
世界的建築家・妹島(せじま)和世(かずよ)氏による日本初の大学建築
大阪芸術大学(大阪府南河内郡河南町、学長:塚本邦彦)では、2018年11月27日(火)、建築界のノーベル賞「プリツカー賞」を受賞した妹島和世氏の設計による創造性に満ちた未来の学修空間を、2017年に開設したアートサイエンス学科の新校舎として竣工します。
この新校舎は丘の上に立地するその特性をいかし、土地の形状から導き出された開放的な未来空間として設計されました。内と外がつながった構造で、アートサイエンス学科以外の学生も気軽に立ち寄ることができ、新しい芸術が生まれる空間としての役割を担います。
そのコンセプトの通り、あらゆる方向から出入りが可能、内側からもさまざまな方向に外の風景が見えるように工夫されており、まさに芸術と自然が調和したランドスケープでありアートサイエンスの発信基地となります。
【画像: https://kyodonewsprwire.jp/img/201811060038-O1-6a2k6T9m 】
■妹島和世氏プロフィール
妹島 和世(せじま かずよ)
1956年茨城県生まれ。建築家。「伊東豊雄建築設計事務所」を経て、87年、「妹島和世建築設計事務所」設立。95年に西沢 立衛氏と「SANAA」を設立。「金沢21世紀美術館」「ルーヴル・ランス」「トレド美術館ガラスパビリオン」などの建築を協働設計。プリツカー賞、ショック賞、ヴェネチアビエンナーレ国際建築展金獅子賞など、国内外の受賞歴多数。
■設計に込められた想い
“建てる”というより、“ランディング”させる。
丘と有機的に一体化し、内と外がつながる開かれたアートサイエンススペースに。
アートサイエンス学科の拠点であり、大阪芸術大学15学科の交差点。新たな出会いを促進する、多様な知見とビジョンが共有される未来の学修空間。模型と向き合うだけではなく、現地に何度も足を運ぶことで、この大阪芸術大学に“建てる”というよりは“降ろす、ランディング”させる想いで設計しました。
理想としたのは「公園」のような建物。公園は、遊ぶ子ども、語らうカップル、お弁当を食べるサラリーマン、本を読む高齢者など、さまざまな人が他者の気配や自然を感じながらも自由にくつろげる空間です。表現力、発想力、構想力、コミュニケーション力を備えた、21世紀型のクリエーターのためのアートサイエンススペースとは、そうあるべきだという想いが、この設計には込められています。
妹島氏が大切にしたことは大きく以下の3つのポイントです。
1.外観の印象。
丘の上の立地で、「芸坂」を上ると最初に目に入る建物だからこそ、主張しすぎないように環境との調和を意識して、丘と一体化していること。
2.建物が“開かれている”こと。
内と外との自然なつながりを重視し、いろいろな方向から出入りができて、内側からはさまざまな方向に外の風景が見えること。
3.交流の場になること。
さまざまなジャンルのアートを学ぶ学生も気軽に立ち寄れて、新しい出会いが生まれる空間になること。
■建築概要
大阪芸術大学 アートサイエンス学科新校舎
建築面積:2,684.2㎡ 延床面積:3,176.28㎡
階数:地上2階/地下1階 最高高さ:9.8m
構造種別:鉄骨鉄筋コンクリート造
設計・監理:株式会社妹島和世建築設計事務所
施工者:大成建設株式会社 関西支店
■施設構成(一部)
●Artscience Gallery a-c
学生や教員の作品展示、展覧会、海外姉妹校からの作品展示、国内・国際的なイベントを開催する大規模・先端的なデジタル空間。
●Artscience Studio 1-5
映像、サウンド、デジタルファブリケーションなど作品制作のための多種多様な電子機器を設置し、アートサイエンス作品の制作を行うエリア。
●Lecture Room 1-4
アートサイエンスの知識・技術レベルを向上させるための講義、デジタル演習を行う先端的な仕組みが施された教室。
●Laboratory a-h
教員の下で、作品制作のためのミーティング、先端技術アート指導、コンセプト評価などを実践する研究室。
●Artscience Salon
ワークショップや作品制作のためのミーティング、講演会、作品展示、イベントなどフレキシブルな用途に対応する広いオープンスペース。
●Artscience Office
学生たちの学習・制作活動をはじめ、快適な大学生活などをサポートするための、アートサイエンス学科の合同研究室。
■特別公開および展示
11月27日から12月4日まで、新校舎を一般に特別公開するとともに、教授、客員教授による作品展示を行います。
<作品概要>
【出展者】チームラボ株式会社
【作品名】Gold Waves
【作品概要】
コンピューター上の空間で、三次元上の水の動きをシミュレーションし波を構築。無数の水の粒子の挙動で立体的に描かれた線の集合を、チームラボが考える超主観空間によって平面化した映像作品。
【出展者】株式会社ネイキッド
【作品名】NAKEDコンテナアート作品
【作品概要】
FLOWERS BY NAKEDやTOKYO ART CITY BY NAKEDなどの、クリエーティブカンパニーNAKED Inc.の代表的なアート展の中から、人気のコンテンツを集めたデジタルアートコンテナ。
壁面に触れると打ち上げ花火があがったり、惑星が動いたりするインタラクティブ作品。
【アートサイエンスの概念と学科設立の経緯】
アートサイエンスという言葉に、いまだ明確な定義はありません。その言葉の意味する領域は、常に変化しつつも、現在進行形で広がり続けています。「アート」と「サイエンス」、それぞれの専門性のみでカバーすることが不可能な領域の探求。実はその歴史は古く、わかりやすい例がレオナルド・ダ・ヴィンチです。彼はアーティストであると同時に、科学者、医学研究者、また軍事兵器開発者でもありました。また、ミケランジェロやラファエロなどといった多彩なる芸術家をはじめ、文学、技術、コペルニクスの地動説など世界の認識変革に至るまで、その後の社会基盤をつくる文化や思想が生まれる地点には、学問分野の垣根を超えた、まさにアート×サイエンスの瞬間が必ずあったのです。
2017年4月、大阪芸術大学はアートサイエンス学科を新たに開設しました。異分野を総合し、芸術・情報・社会と横断した学びを提供することで、テクノロジーをいかした新しいアート表現やデザイン製品、斬新なサービスを生み出すことができる人材の育成をめざしています。ここから輩出されるのは、アーティストであることにもとらわれない、次代の中心を担う「クリエーター」です。
【アートサイエンスの重要性】
アートとテクノロジーを理解したクリエーターには、多彩な活躍の場が広がっています。娯楽・観光・医療・福祉などの現場で、快適性や満足感をデザインするUXデザイナー。複数のデザインを統合して、新たなシステムに結び付けるデザインインテグレーター。メディアデザインやシステム開発、イベント企画などを成功に導くプロジェクトアーティスト。これらは、一分野の専門知識で成り立つものではありません。多岐に渡った専門知識が必要。そして、それこそがこれからの社会に求められる能力でしょう。
大阪芸術大学は、肥大化するアートサイエンス分野で活躍する人材教育を牽引していきます。
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