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インテージ、紅白歌合戦の視聴実態をテレビ視聴ログデータで分析


2018/01/29



株式会社インテージ



インテージ、紅白歌合戦の視聴実態をテレビ視聴ログデータで分析

~ 全年代層で、安室奈美恵の出演時間に接触率が大幅上昇 ~



株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚 純晃)は、昨年大晦日に放送された紅白歌合戦の視聴実態を把握するために、テレビ視聴ログデータの分析を実施しました。



本調査では、i-SSP(インテージシングルソースパネル)のテレビ視聴ログデータ から年代層別に紅白歌合戦の接触率にどのような違いがあるのかを分析し、その結果をまとめました。



分析者:データビジネス企画開発本部 メディア情報企画開発部 1グループ 森山 尚樹





昨年の大晦日にNHKで放送された紅白歌合戦、皆さんはご覧になったでしょうか。引退を発表した安室奈美恵の出演の動向など、放送前から多くの話題を呼んでいました。世代によってテレビの見られ方は異なりますが、紅白歌合戦の見られ方にはどのような違いがあるのでしょうか。i-SSPのテレビ視聴ログデータを使用して調べてみました。





[ポイント]

◇F2層(35~49才女性)を中心として全年代層で安室奈美恵の出演時間に接触率の大幅な上昇がみられた。

◇同じ年代層でもM2層(35~49才男性)とF2層(35~49才女性)の間で後半の視聴推移に「開き」が生じているのは、安室奈美恵の出演による底上げ効果が一因として考えられる。

◇接触率の急上昇度合いでみると、年代層によって盛り上がりのタイミングに違いがみられた。





1.全体を通しての視聴推移は?



まずは全体での視聴の推移をみてみました。1分間ごとに全体のうち視聴した人数の割合を示す「毎分接触率」の推移を表したものが図表1です。



[図表1]

【画像: http://prw.kyodonews.jp/img/201801260324-O1-85rAU9L9





アーティストごとの変動はありつつも全体的に右肩上がりに推移していますが、やはり引退を発表した安室奈美恵の出演シーンで最も多くの人が視聴していたことがわかります。

では、この推移を年代層別でみた場合どのような違いがみられるでしょうか。図表1で示した「毎分接触率」の推移を年代層別で表したものが図表2です。



[図表2]

【画像: http://prw.kyodonews.jp/img/201801260324-O2-G6T1n305



まず年代に着目すると、年代が上がるにつれて接触率が高く、また男女間では、男性より女性の方がより接触率が高いことがわかります。これはテレビ視聴の傾向として一般的にみられるもので、「紅白」といえども世代・性別の視聴特性は変わらないようです。



次に安室奈美恵の出演時間帯に注目すると、やはりどの年代層でも接触率の高まりがみられます。中でもとりわけF2層(35~49才女性)において安室奈美恵の出演時間内での接触率の上昇が3.6ポイントと他の層と比べて最も顕著であり、いわゆる「アムラー世代」の中での注目度がそれだけ高かったことがうかがえます。





2.  M2/F2層でみられる後半の「開き」について



また図表2で同じ年代層であるM2層(35~49才男性)とF2層(35~49才女性)を比較すると、番組後半に両者の推移の間に徐々に「開き」が生じています。番組前半ではM2層、F2層ともに同程度の推移であったのに対し、後半では終盤に近付くにつれ、F2層がより高くなりM2層との差が開いていることがわかります。



M2層では中盤から安室奈美恵に至るまで何度か接触率が大きく低下するタイミングがありベースラインが上がらなかったのに対し、F2層では何組かのアーティスト(椎名林檎&トータス松本、X JAPAN、AKB48、松たか子)で接触率がアップしつつ、大きく低下するタイミングがほぼないまま、右肩上がりに安室奈美恵の出演シーンまで至っています。



これが例年通りの傾向なのか確認するため、2016年での接触率の動きを、同じM2/F2層で集計しました。その比較が図表3です。



[図表3]

【画像: http://prw.kyodonews.jp/img/201801260324-O3-B33Zqb9x



2016年の推移をみると、全体的な接触率の傾向としてはF2層の方がM2層よりやや高いものの、今回のような後半での「開き」はみられませんでした。2017年は、M2層の接触率も安室奈美恵出演時に大きく上がったものの、F2層は、お目当ての安室奈美恵に向けて、それ以前の気になるアーティストからチャンネルを合わせてそのまま見続けるという“安室奈美恵の出演による底上げ効果”がみられ、その結果男女間で後半の接触率に差が生じたと解釈することができそうです。





3.  視聴者数の急上昇がみられたアーティストは?



図表1から、今回の紅白歌合戦では安室奈美恵出演時に最も高い接触率となっていることがわかりました。それ以外で接触率上位アーティストを調べてみると、やはり「紅白」全体での視聴推移が基本的に右肩上がりで推移していることから、必然的にゆずや桑田圭祐など終盤に出演したアーティストが上位に入る結果となります。そこで、出演前後での「盛り上がり度」として、アーティストごとに図表4のような「出演前後(各5分)での接触率の上昇率」を算出し、順位をみてみました。



[図表4]

【画像: http://prw.kyodonews.jp/img/201801260324-O4-Nl3d9SKb



まず、全体での上昇率のランキングをみてみました。その結果が図表5です。



[図表5]

【画像: http://prw.kyodonews.jp/img/201801260324-O5-iTiv8y7U



やはり上昇率でみても安室奈美恵が1位となっており、接触者数だけでなく接触率を引き上げる盛り上がりにおいても存在感が大きかったことがうかがえます。次点で渡辺直美、ブルゾンちえみらが出演したハーフタイムショー、「バブリーダンス」で話題の登美丘高校とコラボした郷ひろみとなりました。接触率が低めの前半にあっても、その企画が注目を集め大きな盛り上がりを作ったと言えそうです。そのほかにも、竹原ピストルや三代目J Soul Brothersなど、序盤に出演したアーティストもランクインしました。

同様に、この上昇率を年代層でみてみるとどのような特徴が表れるでしょうか。年代層別での上昇率ランキングの結果は図表6です。



[図表6]

【画像: http://prw.kyodonews.jp/img/201801260324-O6-FR24Am9n



結果から、年代層によってランキングの特徴に差がみられることがわかります。



M1/F1層では共にハーフタイムショーが上位にきており、若年層での関心が高かったことがうかがえます。上昇率の値に注目するとM1/F1層の振れ幅が非常に大きく、若年ほどチャンネルを変えやすい傾向があることがわかります。M1層の第5位に入っている氷川きよしは、安室奈美恵の直前であったためその影響を受けているのかもしれません。



M2/F2層では男女ともに安室奈美恵がトップとなっており、女性だけでなく男性でも高い注目を集めていたことがわかります。

M3/F3層に注目すると、西野カナやE-girls、Perfumeなど、やや中高年層のイメージとは異なるアーティストがランクインしていることがわかります。一人ではなく配偶者や子どもとなど複数人で視聴していることにより、自身の趣向とはやや異なるチャンネル選択がされている可能性があることがうかがえます。



こうしてみると、改めて安室奈美恵の影響力が大きいことがわかる一方で、年代層別では安室奈美恵以外にも注目度が高かったシーンは様々であることもわかりました。今年の紅白歌合戦は視聴率が「史上ワースト3位」というニュースもありましたが、全体傾向だけでなく、年代や性別、さらにはそれ以外にも多様な切り口でデータをみることで、意外な発見や生活者理解のヒントが見つかるかもしれません。







【i-SSP(インテージシングルソースパネル)】https://www.intage.co.jp/service/platform/issp/

インテージの主力サービスである SCI(全国個人消費者パネル調査)を基盤に、同一対象者から新たにパソコン・スマートフォン・タブレット端末からのウェブサイト閲覧やテレビ視聴情報に関するデータを収集するものです。当データにより、テレビ・パソコン・スマートフォン・タブレット端末それぞれの利用傾向や接触率はもちろん、同一対象者から収集している購買データとあわせて分析することで、消費行動と情報接触の関係性や、広告の効果を明らかにすることが可能となります。また、調査対象者に別途アンケート調査を実施することにより、意識・価値観や耐久財・サービス財の購買状況を聴取し、あわせて分析することも可能です。

※ i-SSP(読み方:アイエスエスピー)/シングルソースパネルは株式会社インテージの登録商標です。



【株式会社インテージ】 https://www.intage.co.jp/

株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚 純晃)は、「Create Consumer-centric Values ~ お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」を事業ビジョンとして掲げ、様々な業界のお客様企業のマーケティングに寄り添うパートナーとして、ともに生活者の幸せに貢献することを目指します。生活者の暮らしや想いを理解するための情報基盤をもって、お客様企業が保有するデータをアクティベーション(活用価値を拡張)することで、生活者視点に立ったマーケティングの実現を支援してまいります。



【報道機関からのお問い合わせ先】

■株式会社インテージ 広報担当:石渡(いしわた)/西澤(にしざわ)

TEL:03-5294-6000

サイト「お問い合わせフォーム」 https://www.intage.co.jp/contact/



【本調査内容に関するお問い合わせ先】

■株式会社インテージ データビジネス企画開発本部 メディア情報企画開発部

担当:田中/森山  E-Mail:i-ssp@intage.co.jp



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