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【歯科医療に関する一般生活者意識調査】67%が「かかりつけの歯科医」あり


2016年5月26日



公益社団法人日本歯科医師会



【歯科医療に関する一般生活者意識調査】



67%が「かかりつけの歯科医」あり

―全国の10~70代の男女10,000人への調査―



■「定期的なチェック」のために歯科受診をする人が増加の兆し

■「現在治療者」の83%が治療に満足

■5年前に比べ、20代、30代で「かかりつけの歯科医あり」が増加。

■歯科医師に求めることは「技術力」に加え、「自分の歯を残してくれる

処置」「治療に対する希望を聞いてくれること」など



 公益社団法人日本歯科医師会(所在地:東京都千代田区九段北、会長:堀 憲郎)は、全国の10~70代男女を対象に、2016年2月12日(金)から2月14日(日)まで「歯科医療に関する一般生活者意識調査」を実施しました。

 本調査は、当会の広報活動の趣旨である「歯科医療に対する国民の認知度・理解度向上」および「歯科医師や診療に対する評価・イメージの向上」に向け、現状の歯科医療を取り巻く環境や生活者の意識を把握し、今後の広報展開に役立てることを目的として、2005年から隔年に実施しているもので、今回で6回目になります。

 同調査結果によって、以下のような実態が浮き彫りになりました。



■この1年以内に歯科検(健)診を受けている人は、約半数(49.0%)。

 この1年間に1回以上、「歯科医院もしくは病院の歯科でのチェック」を受けている人は44.6%、「学校や企業で、歯や口の中の状態をチェックしている」人は4.0%、「自治体(都道府県や市区町村)で行っている歯科検診」を受けている人は1.6%。これらのいずれかの検診・健診を受けた人は全体の約半数(49.0%)にあたります。

 いずれかの検(健)診を受けているのは、男性より女性のほうが多く、また高年齢になるほど多くなる傾向がみられます。年代別でみると、10代と70代で高くなっています。



■現在、治療中の人は全体の14.1%。5年前に比べ、「定期的なチェック」をするために受診する人が増加。

 現在、歯科治療を受けている人(現在、治療中)は全体の14.1%。「治療中断中」が7.1%、「過去に治療を受けたことがある(現在は治療していない)」(75.0%)を含めた、歯科治療経験者は合計96.2%。

 歯科受診のきっかけとして多かったのが、「痛み・はれ・出血があったから」(32.3%)、「定期的に通う(チェック)時期だったから」(31.9%)」、「過去の治療箇所の不具合が生じたから」(23.7%)というものでした。

 20~70代の結果を5年前と比べると、「痛み・はれ・出血があったから」(2011年:45.8%→2016年:32.6%)、「定期的に通う(チェック)時期だったから」(2011年:20.6%→2016年32.0%)、「過去の治療箇所の不具合が生じたから」(2011年:30.3%→2016年24.7%)となり、5年前に比べ、「具体的な痛みや症状を実感したら受診する」という人は減り、口の中の病気予防や健康チェックのために受診する人が増えています。



■「現在、治療中」の人の8割以上が治療に満足。決め手は「丁寧」「時間通りの診療」「治療前のわかりやすい説明」。

 歯科治療経験のある9,621人のうち、約7割(73.2%)が治療に満足していると回答しています。特に、「現在、治療中」の人では8割以上(83.7%)が満足しています。

 「治療の丁寧さ」(48.6%)、「時間通りの診療」(32.7%)、「治療方法の分かりやすい説明」(29.5%)などが満足度の決め手となっています。「現在、治療中」の人の「満足理由」は治療経験者全体に比べ、「わかりやすい説明」や「日常のアドバイス」などが高くなっています。技術力はもちろん、患者へのきめ細やかなサービスや患者との円滑なコミュニケーションも患者の満足度を左右する上で重要なポイントとなっているようです。



■「かかりつけの歯科医がいる」割合は67.0%。5年前に比べ20代・30代で増加。

 67%の人に「かかりつけの歯科医がいる」ことが分かりました。男女とも、年齢が上がるとともにその割合は増える傾向にあり、70代においては86.4%になっています(男性: 85.4% 女性:90.1%)。

 年代別に5年前と比べると、20代(2011年:43.7%→2016年53.5%)、30代(2011年:52.3%→2016年:58.5%)でかかりつけの歯科医がいる人が増えています。

 かかりつけの歯科医を選ぶポイントとしては、通院に便利な場所(自宅の近所、通勤・通学の途中)という「立地」を重視している人が多く(56.1%)、以下、「丁寧さ」(41.1%)、「技術」(32.4%)、「歯科医師への信頼」(29.5%)などが続きます。



■歯科医師に求めることは「技術力」「自分の歯を残してくれる処置」「治療に対する希望を聞いてくれること」など

■歯科医院に求めることは「設備」「清潔さ」「スタッフの丁寧な態度や清潔さ」など

 生活者が歯科医師に求めることは、「治療技術」(80.5%)、「自分の歯をできるだけ残すような処置を実施してくれる」(79.3%)、「自分の治療に対する希望を聞いてくれる」(77.6%)などが挙げられています。

 また、歯科医院に求めることは、「治療設備が整っていること」(80.8%)、「治療台などが清潔に保たれている」(78.8%)、「スタッフの言葉づかいや態度が丁寧で身だしなみが清潔である」(78.8%)ことなどが挙げられています。

 治療技術だけでなく、患者とのコミュニケーションや施設の清潔さも求められています。



■歯科医療に対する生活者の関心度は非常に高いが、詳しく知っている人は少ない

 歯科医療について、生活者はさまざまな関心を寄せており、「歯科疾患と全身の病気との密接な関係」(91.2%)、「歯並びやかみ合わせの悪さが歯の病気の原因となる」(91.4%)ことへの関心度は9割を超えています。

 また、認知度では、「歯科疾患と全身の病気との密接な関係」(82.4%)、「歯並びやかみ合わせの悪さが歯の病気の原因となる」(88.1%)も8割を超えていますが、いずれも、「聞いたことがある程度」という人が多く、「詳しく知っている」の割合は1~2割にとどまっています。

 歯科疾患と全身の健康との関わりについてでは、「歯周病」と「低体重児出産や早産」「血糖値を下げる妨げ」「肺炎」「脳卒中」「心臓疾患」へ影響を及ぼすことについては5割以上が「全く知らない」としています。歯科疾患と全身の健康との関わりについては、具体的に認知や理解を広げていくことが課題と考えられます。



■歯科医師会には「日常の基本的なセルフケア」に関する情報が求められている

 歯科医師会から欲しい情報は、「歯の正しい磨き方」(50.4%)、「歯や口の中の主な疾病とその予防方法」(49.3%)、など、約半数の人が「日常の基本的なセルフケア」に対する情報を求めています。

 特に男女ともに10代は、「日常の基本的なセルフケア」に関する情報を求めています。





 以上の調査結果により、1年に1度以上の検診・健診や定期的なチェックをしている人は全体の半数程度ですが、20代・30代を中心に、実際の治療率や「かかりつけの歯科医」を持っている人も増えてきています。また、「定期的なチェック」が歯科医院を受診するきっかけになっている人も増えてきています。

 歯科に関する情報に関しては、「歯科疾患と全身の病気との密接な関係」への関心が高いものの詳しく理解している人は依然として少ないことから、今後も引き続き、具体的な疾患と歯科疾患を結びつけた情報を提供し、国民の歯科疾患に対する知識や理解を深めていくことが重要であることが明らかになりました。





≪調査実施概要≫      

                                                 

■調査対象およびサンプル数

・全国の10~70代男女、10,000サンプル(有効回収ベース)

※10代の回答者は15歳以上となります。

※なお、歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士等歯科医療従事者は事前に除外。

・日本歯科医師会のブロック分けに従い、全国7ブロックごとの年代別人口比でサンプルを収集。



■調査手法

・インターネット調査

※インターネット調査会社の保有する調査パネルを抽出名簿とするインターネット調査(モニター会員にアンケートを依頼、アンケートフォームにエントリーした人を対象)。



■調査期間

・2016年2月12日(金)から2月14日(日)







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