今週よりマーケットは名実ともに新年度相場入り。先週のマーケットを振り返ると、オバマケアの代替法案が否決されたことにより日米共に調整ムード。
また、期末要因によるポジション調整も相まって、冴えない展開に終始しました。日経平均はボックス圏下限での取引が続き、なかなか上値追いの展開にはなりません。
一方で、直近の下落で割安に据え置かれた銘柄も出てきています。新年度相場の攻略法はいかに。今後のトレンドを探ります。
下落の質を見極める
株価の下落がすべて「悪」かと言えばその限りではありません。個人投資家は下落の「質」を見極めることが非常に重要です。
下落の「質」を正しく読み解けるかどうかで、投資の成果も変わってきます。
行き過ぎた上昇を抑えるための「調整的な下落」
下落は下落でも「ポジティブ」な下落と言えるでしょう。むしろ買い場。押し目を積極的に拾っていい局面です。
金融危機に端を発する下落
こちらは言うまでもなく「ネガティブ」な下落になります。
株式投資の基本は「安値拾いの高値売り」。つまり、下落の「質」を見極めることで、利益獲得のチャンスが生まれるのです。
投資部門別売買動向がトレンドの転換の可能性を示唆
ここからは需給面について確認していきましょう。
需給分析をするうえで、投資部門別売買動向を確認することは非常に重要。主体別の商い状況を知ることで、今後のトレンドを読み解くヒントになります。
直近発表の投資部門別売買動向を確認すると、個人が大幅買い越し。昨年末から続いた個人の売り越しが、ようやくピークアウトしたと考えられます。
よって、ここからは個人主体に高配当銘柄が物色される展開を想定。先月28日の権利付き最終日を通過し、配当落ち後の優良銘柄が狙われる可能性が高いでしょう。
新年度相場は出遅れ高配当銘柄に妙味
直近の下落の質、需給面から考えると、新年度のスタートは、個人主体に「出遅れ高配当銘柄」が物色対象になる可能性が高いと想定します。
三井住友フィナンシャルグループ(8316)
メガバンクの一角である同社の利回りは約3.7%。株価の位置処も悪くない。米国では金融規制緩和が進まず、金融株が総じて下落しています。その流れを受けて、同社株も連れ安。
よって、下落の質はそれほど悪くはない。
キヤノン(7751)
投資妙味があると想定されます。28年間減配がない優待エリート銘柄です。今年初からの値動きを振り返ると、3,220円どころを下限に、上限は3,550円。
狭いボックス圏での推移をしています。業績改善見通しで、押し目は丹念に拾いに行ってもおもしろいかもしれません。(執筆者:徳田 陽太)