という印象は誰しもが持っているものではないでしょうか。
介護費用といってもかかる費用は介護サービスに関わる部分だけではありません。介護に必要な消耗品なども含まれますね。
今回は介護に関わる出費をなるべく減らすためどんな事が出来るのか事例をあげて紹介したいと思います。
家庭の状況
主介護者をAさんとします。Aさんの家庭の状況は以下の通りです。
・ 実父 … 大病を患い自宅加療。
・ 実母 … 医療従事者。
・ 祖母 … 90代。要介護度3。歩行困難。認知症。在宅介護。
・ 姉妹 … 仕事のため遠方に居住。
Aさんが介護離職をし、家庭内で仕事による収入を得ているのは実母のみの状況です。
実父や姉妹が介護に協力できない状況で、実母の収入と年金だけで生活や介護をしていけるのでしょうか?
施設入居ではなく在宅での生活を望む祖母の介護のため、この家庭ではどのように介護費用をおさえているかみていきましょう。
通所リハビリの回数
祖母の意志がしっかりしている部分は尊重し、週に1度の通所リハビリのみ利用。
その際に入浴介助をしてもらい、外部とのコミュニケーションもとれるように配慮をしています。
通所での入浴は週に1度ですが、Aさんの家庭では小型のバスリフトをレンタルし、家庭で協力しながら入浴介助を行っています。
Aさんの祖母の場合、通所リハビリの利用料は週1回の利用で月額6,900円程度です。
レンタルする福祉用具の選定
介護が必要だからあれもこれも高機能で高価な物をと借りていては、幾ら1割負担といってもあっというまに金額が膨らんでしまいます。
要介護者の身体状況にあった介護用品を選ぶ事で、費用をおさえています。
ベッドひとつでも金額が様々ですので、貸与業者とよく話し合う事で解決できます。
Aさんの家庭でレンタルしているものは以下の通りです。記載する金額は全て1割負担適用後のとします。
8点貸与していますが、安価なタイプや必要最低限の機能のものを選ぶ事で5,000円未満におさえる事ができます。
ベッドやバスリフトは高額なイメージがありますが、1割負担と考えるとこんなにも導入しやすくなります。
購入した介護用品
長く使うものに関しては多少高価でも良い物を導入し、介護保険が適用されるものを上手に利用する事が大切です。
Aさんの家庭では以下の物を購入しました。
こちらは買い切りなので、買換えや別のものを買い足すまでは費用がかかることはありません。
選ぶ商品によってはもっと安価になる事も十分ありますので、介護する側や介護される側にとって最適な物を選びましょう。
住宅改修
要介護者が歩行可能な状況であれば、導線に手すりなどの設置が必要になります。
しかし、Aさんの祖母の場合、自力歩行が困難なため住宅改修は一切行っていません。車椅子を利用していますが段差も設置型のスロープを使う事で解消しています。
バスリフトも大きなものではなく、浴槽の上に置いて使うタイプの物を使用し洗い場のスペースを確保しています。
訪問介護サービス・移送サービス
Aさんの家庭では現状、訪問介護サービスを利用していません。入浴等も立ち上がりのリハビリを兼ねて家族と協力し行っています。
通院なども、外出用にコンパクトに畳める車椅子をレンタルしていますので、自家用車に移乗をし行っています。
現状は自家用車で問題ありませんが、今後は身体状況の変化に合わせて他のサービスの導入も検討しています。
まとめ
Aさんの家庭では世帯年収は下がりましたが、介護費用に関しては祖母の年金で十分賄える金額になっています。
今後多少の費用が増えても、まだまだ年金で対応する事ができます。
在宅介護で一番の出費になるのは、利用回数や時間が多くなればその分費用がかかる通所や訪問系のサービスと言えるのではないでしょうか。
Aさんの場合は介護離職をしましたが、それが難しい家庭もあると思います。
必要不可欠な部分でも、家族が協力し合って介護に携わる事で解決できる部分は多いでしょう。
それぞれの家庭の状況や環境に合わせて様々な介護のパターンを見つける事が大切です。(執筆者:佐々木 政子)