この世で最もお得なもの、それは「無料」。
無料ならとついつい気軽に手を出してしまいがちですが、先人たちは「タダより高いものはない」というタメになる戒めの言葉を残してくれました。
「無料」というキーワードにつられて散財してしまわないよう、次のような「無料」に十分注意しましょう!
「送料無料」の罠
最近はインターネットで買い物をすることがすっかり定着しましたが、送料が気になるという方も多いのではないでしょうか。
特に
といったような場合は、「送料で500円を払うくらいなら、何か必要そうなものを見つけて追加購入し、送料無料にした方がお得」と考えてしまいがちです。
追加購入するものが本当に必要なもので、価格も適正なら良いのですが、「送料を無料にするため」と、特に欲しくもないものをカートに入れてしまったり、他の店ではもっと安く売っているものを買うことになったりすると、結局無駄な出費をすることになります。
また、「送料無料にするために、何かちょうどいいものはないか」とホームページを見続けてしまうのも、「あなたの大切な時間」というコストがかかっています。
送料をタダにするために、無駄なものを買ってしまったり時間をかけてしまったりするくらいなら、素直に送料分を支払ってしまった方が結局は損をせずに済むこともあります。
「送料無料」のお得感に引きずられ過ぎないようにしましょう。
また、「送料無料」というキーワードで欲しい商品を検索する場合も、気を付けて欲しいことがあります。
「送料無料」は、「商品の代金に送料が含まれている」というだけで、商品の値段が他と比べて安いとは限りません。
場合によっては、最安値で販売しているお店の料金に送料を足したものの方が、最初から送料無料で販売されているものより安くなることもあります。
「送料無料」に飛びつかず、本当にお得なショップで買い物をしたいですね。
「無料体験」「無料相談」の罠
TVコマーシャルでは、よく「無料体験」、「無料相談」という言葉が使われています。
化粧品やエステ、金融相談まで内容は様々ですが、「無料」と言われると、「ちょっと興味があるし、無料ならいいか!」とつい手を出してしまいがちです。
でも、会社がプロモーションの方法として「無料」を打ち出している限り、それは本当の「無料」ではあり得ません。
「無料」のコストを請け負う代わりに、必ず会社に何らかの「利益」がもたらされるようなシステムになっているはずです。
わかりやすいのが、無料で商品を配ったりサービスを行ったりする代わりに、会社が個人情報を得ている場合です。
会員登録やアンケートなどの名目で記入させられる個人情報のカルテには、小さく「ダイレクトメールの送付に利用します」とか「業務に必要な範囲内で利用します」といったことが書かれていることがあります。
会社側は「無料」というお得感のあるキーワードを使って個人情報を手に入れ、その情報に合わせた効果的なプロモーションをしかけて、お金を使わせることができるというわけです。
また当然ですが、「無料体験」のエステはその後の継続契約が狙いですし、保険の「無料相談」は保険商品を買ってもらうことが目的です。
「あなたのために」と勧められる商品は、「無料のコストを回収するために会社が売りたい商品」だという側面があることを忘れずに、本当に自分が納得できるものだけにお金を払うようにしましょう。
「初月無料」「初年度無料」の罠
スマートフォンなどのオプションサービスや、クレジットカードの年会費などで見かける「初月無料」、「初年度無料」の文字。
最大のデメリットは、言うまでもなく「不要になったのに解約を忘れてしまいがち」な点です。
「とりあえずお試しで」と入ったあとにサービスを契約していること自体忘れてしまい、クレジットカードや引き落としの請求で初めて気が付いたという経験がある方も多いのではないのでしょうか。
これを回避するのに便利なのが、カレンダーアプリのリマインダー機能です。
申込の際に、無料で解約できる期間の最終日を確認し、その場でカレンダーに登録しておきます。
リマインダーが表示されるようにしておけば、その日まで忘れてしまっても大丈夫なので安心です。
また、サービスによっては解約方法が非常に煩雑だったり、契約が始まってしまうと違約金が発生してしまったりする場合があります。
「無料なら」と深く考えずに申込をするのではなく、無料期間や解約方法などを、申し込む前にしっかりと確認するように心がけましょう。
「無料」なのには必ず理由がある!その理由をよく考えよう
「無料」の罠について書いてきましたが、もちろん上手に利用することができれば、お得に買い物ができたり、必要以上にお金をかけずに、その商品やサービスが自分に合っているかどうかを確認したりすることができます。
無料なのはなぜなのか、誰がその「無料」のコストを払うことになるのかをよく考え、「賢い消費者」になって無料サービスを活用するようにしましょう!(執筆者:青海 光)