はじめに
春が訪れる3月。卒業シーズンの3月。
季節替わりの3月ですが、親御さんの脳裏によぎるものは…。
冬期講習の費用を支払ったばかりなのに…。ボーナスも少なかったし…。
と、お子様の学費をどうやって支払うか頭を悩ませている親御さんも多いのではないでしょうか。
特に大学の4年間は大きな支出となります。
学費が支払えず、進学を諦めてしまうことがないよう、利用できる制度について知っておくことも大切です。
今回は奨学金制度について詳しくお伝えしていきます。
奨学金受給の現状
私の年代(40代)が大学生の頃は、奨学金を受給している方は2割程度でした。
その後の約20年の間、日本は不景気。さらに国公立の学費も値上がり、現在では5割以上の学生さんが奨学金を利用しています。
1. 学費の値上がり
2. 親御さんの収入の伸び悩み
子育て中の親御さんにその話をすると皆さん驚かれます。
ご自身の学生の頃の記憶を参考にされているので現状をご存じない方がほとんどなのです。
学生に必要な費用
実際、学生さんに必要な費用にはどのようなものがあるのでしょうか。
学費
大学の学費はどのぐらい必要?
以下の表からも学費だけで、少なくとも年間50~100万円は必要なことが分かります。
その他費用
学費以外にも課外活動費や学校納付金、通学費や食費・住居費などその他の費用も準備する必要があります。
学生の収支内訳
年間の収支(支出と収入)は以下となります。
収入の内訳を見ると、家庭からの給付が約100万円。それ以外の費用は奨学金やアルバイト代から捻出していることが分かります。
年間100万円ぐらいあれば、と準備をされていた親御さんも実際にかかる「その他の費用」に戸惑うことも多いのではないでしょうか。
奨学金制度について
奨学金制度とは
奨学金(しょうがくきん)とは、能力のある学生に対して、金銭の給付を行う制度。
修学を促すことを目的とするため、返済義務が全く無い給付奨学金の事をいう。
このような厳格な定義の下で奨学金事業を運用すると、選抜される給付対象者が著しく少なくなるため、通常は、学生支援の制度趣旨に鑑み、奨学金の定義を無利子ないし低金利を伴う貸与も含めることで、幅広い層が奨学金事業対象となる。「学生ローン」とは異なります。
奨学金の例
あしなが育英会
大学の奨学金、民間の奨学金、自治代の奨学金
奨学金制度を利用する際、親御さんの収入(世帯年収)により上限額があったり、制度そのものが利用できなかったりする場合があります。
その際は、国の教育ローンや銀行の学生ローンを利用される方も多くいらっしゃいます。
国の教育ローン(日本政策金融公庫)は、JASSO(日本学生支援機構)の奨学金との併用も可能です。
それぞれの返済額、返済期間などを確認し、あらかじめ無理のない範囲で設定しておけば、学費だけでなくその他の費用も準備できるかと思います。
これまで、奨学金はなんとなくマイナスのイメージがあったかと思いますがお子様にとっても、親御さんにとってもメリットがあります。
・ 学校へ行ける
・学業に専念できる
・学費を分割で支払うことができる
おわりに
多くの親御さんはそう思っているのではないでしょうか。
しかし、学費だけでなく様々な費用を考えると、かなりの高額です。
早くからの学費の積み立てはもちろん、こうした奨学金を利用することでお子様の進学をサポートできればと思います。
また、JASSO(日本学生支援機構)のホームページには奨学金の返済を終えた方のコメントも掲載されています。
“バイト等に時間を費やすことなく、大事な研究に存分に集中できたことは本当に恵まれていたと感じております。経済的に安心できたからこそ、研究活動に邁進できました。”
日本にはファイナンスの授業はありませんが、上記のようなコメントを読むと奨学金を受け、学び、返済することで「ファイナンス=お金の使い方」の授業を受けているのと同等だと感じました。
大学で学んだことプラス、お金の大切さも同時に学んだ方々は社会へ出てからも、きっと活躍されることでしょう。
お子様の学びのサポートとなる奨学金制度。
ご家族で進路などお話合いされる際にご参考いただければ幸いです。(執筆者:藤井 亜也)