第二次大戦後、1ドル360円の固定レートで外国為替が推移をしていたことをみなさんは義務教育で学習されていると思います。
このレートが適正か否かというのは、これはもう、内外一致して専門家は日本に有利なレートであったことは認めています。
今回は、円高を覚悟しなければ投資などできない、ということを説いていきます。
ドル円の考え方
円高というのは国力が強くて、円安は国力が弱くなること、これが字面の感想になると思います。
これは、間違いで、字面と反対のことで、国力が上昇すれば円安で、下降すれば円高なのは間違いがありません。
この理屈を説明するのには紙面の文字数が足りませんので小学生のようにこのままこのように覚えておいてください。
円安は株高イコール、日本の国力が上がっていることで、そして、逆は国力が下がっていることを指します。
360円レートは正しいのか?
正しくないのは冒頭に書いた通りで、非常に割安な状態で推移をしています。今もその状態は続いています。
前にも書いたようにリスク回避の円高はなぜ起こるのか、といえば、割安だから起こるのです。
つまり国際的な事件が起こった場合は、常に日本円は円高になるということを根本的に外為の専門家でも「理屈」、「ロジック」がわかっていない人が多いことを認識するべきです。
円安になる方法
円安にするのには、国力を上げればいいということになります。
ここでの国力というのは、国民総生産、GDPの総額を上昇させればいいということです。総額ということはモノやサービスの値段を上げればいいのです。
モノやサービスの値段が下がっていることはデフレ、といいこの脱却を旨とするのがアベノミクスです。
今、現在のアベノミクスの結果は、現在、円安によって物価が上昇をしていますが、それは円安と原油高のおかげで上昇しているのみで、決して日本の国力が上がったのではなくてお金の価値、円の価値が下がったから物価が上昇しているのみなのです。
つまり、現時点でアベノミクスなど「蜃気楼」と一緒の状態です。
円安になるには、少子高齢化・社会保障費の問題を解決することが必要
日本の根本問題は、国家では財政難、企業は売り上げが上がっているように見えますが実は、この20年間売上は横ばい、家計は増税と社会保障の減額によって支出を押さえる構造になっています。
政府の財政難というのは少子高齢化に起因するもので、家計は老後の心配で貯蓄をして支出なんかするわけがないのが現状。
企業は日本国内では消費が盛り上がらないのでコストカットのみで利益を上げている循環。従業員の給料コストは労働市場の自由化で減額されたのに内部留保をため込むのみです。
要するに、この少子高齢化には社会保障費の問題を解決しないと無理、というのが結論になりますので、結局、最終的には円高に行くということになります。
今の政府のやっていることは、財政難ばかりの解決を目指し、国民生活を豊かにすることは二の次、企業は生き残りと株主対策のため利益優先、家計は青色吐息の状態。
最後に
私も日本人ですから、円安になってほしいです。しかし、どうみても、無理なような気がします。
円安方向に舵を切るのはこれらの問題を真剣に取り組み、解決する方向性に向いたときに舵を切るべきであって、現状でその兆候は見えません。(執筆者:角野 實)