介護と言っても、主介護者が全て1人で行うのは容易ではありません。
身寄りのない方以外は自身のきょうだいや子供、親戚が居ると思いますが、生活の中に介護が関わってくると同居家族や別居する身内の中で揉め事が起こり易くなります。
今回は、
・ それぞれがどう対処しスムーズに介護を行うべきなのか…
を上げていきたいと思います。
介護にかかるお金の事
多くの人が介護に関する金銭的な問題で頭を悩ませています。
問題が起きる立場の人
・ 介護が必要な本人
・ 同居する主介護者(または別居しながら介護に通う事も)
・ 介護に携わらない別居している子や親族
問題が起きる状況
主介護者としては生活が一変するわけですから、親や祖父母の金銭管理等は一手に引き受けてやりくりしたいところでしょう。
しかしながら、他の子やきょうだいにからみると「介護を理由に、財産を独り占めするのではないか」などという疑念を持つ場合があります。
予防策
施設入所をした場合でも年金や貯蓄で全て賄える人は少なく、足りない分を家族や親族が負担する事が増えています。
介護にかかる費用や、介護のために離職せざるを得なかった場合など、どの程度の経済的な負担があるのかを関係する人間(少なくとも財産分与に関わる人たち)に説明をしておくのが妥当でしょう。
あわせて、介護される側の人間(親・祖父母)の年金収入や資産も把握し、不要な土地や建物がある場合は処分を検討し、介護費用や治療費などに充てられるようにする事もひとつの考えです。
土地や建物の処分の場合も後から「聞いていない」と言われないために、しっかり親族と話合う事が必要です。
一番角が立たないのは、
でしょう。
介護の方針
介護について身内で揉めている方からよく
という言葉を耳にします。本来であれば、皆が協力し、金銭的・身体的・精神的な負担を分散させるのが望ましいですが、それぞれの生活があり難しい事が殆どです。
主介護者の思い
こんなに大変な思いをして介護をしているのに…と思う事でしょう。
人手があれば介護の負担が減ります。お金の援助が少しでもあれば、通所サービスなどの回数を増やし主介護者がフリーな時間を作ってリフレッシュする事ができます。その時間を仕事に当てる事もできますね。
問題が起きる状況
遠方で手を貸せないが心配な親族は
「もっと手厚い介護をしてほしい」
「年金があるのだから施設に入れて」
と考えるケースが多いです。と言われても、待機や金銭の問題で困難な場合に意見が合わず揉める事もあります。
予防策
主介護者が大変な思いをしているのは承知しておりますが、「お金を出さないのなら…」という言葉は簡単に口に出して良いものではありません。
在宅介護の場合は担当のケアマネージャー、施設入所であればキーパーソン(入所契約の際に決めた第一身元引受人や、何かあった時の第一連絡先の方)が施設ケアマネージャーと定期的にケアプランの確認や介護についての相談をしているはずです。
まずは現状と今後の事を、ケアマネージャーと話した通り親族に説明をしてみましょう。
それをふまえて、
・ 介護方針を主介護者に一任して欲しいのか
・ 皆に出来る限りの直接的な協力をしてほしいのか
を伝え、何かあったときは相談に乗って欲しいという事を伝えておくのがベストです。
親族間で責任や方針、金銭問題を押しつけあっていては、介護される側も気が気ではないはずです。
まとめ
実際に在宅介護をしている方々の苦労と負担は計り知れないものです。介護サービスを利用するにあたっても、常に金銭の問題が付き纏います。
親族間でもこまめにコミュニケーションをとり、お互いにいがみ合う事なく、出来る範囲での協力をする事が大切です。
介護はできる範囲の中でサポートすることが第一です。ご家族の介護にはここまでやらなければいけないというラインはありません。
介護者ができる範囲で、介護される側の人間が安心して暮らせる環境を作る事も介護の一つといえますよ。(執筆者:佐々木 政子)