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「エンバーミング」と「死に化粧」の違いとは



「亡くなった方を美しいまま見送りたい」というのは、残された人間にとってごく当たり前の感情だと言えるでしょう。



そこで出てくる考え方が、「死に化粧」であり「エンバーミング」です。





エンバーミングと死に化粧は違うもの~死に化粧の意味




≪画像元:一般社団法人 日本遺体衛生保全協会




エンバーミングと死に化粧はしばしば混同して理解されますが、この2つはまったく異なるものです。



「死に化粧」とは、一般的には、最後の旅立ちの前に、体を清めたり、顔を拭いたりして姿を整えるためのものです。女性ならば薄く化粧をされることがありますし、男性の場合はヒゲを整えられることもあります。



この「死に化粧」は、病院がやることもあれば葬儀会社がやることもあります。



また、一例ではありますが、「湯かんまでは病院が行い、化粧は葬儀会社が行う」というところもあります。多くの場合、希望すれば遺族が担当することも可能でしょう。



死に化粧は、あくまで「ご遺体を整えて、きれいにすること」を目的としています。死に化粧を施すときには、基本的には費用は発生しません。



葬儀会社の場合は、セットのなかに組み込まれているケースが大半です。



ただし、「専門機関に頼みたい」ということであれば有料になることもあります。



「6万円から」というところもありますが、特に「美しさ」を重要視する人は、このような専門機関にアクセスするとよいでしょう。





エンバーミングとはご遺体自体に手を入れる




死に化粧は、あくまで「ご遺体を整える」ために行うものです。



しかしエンバーミングは違います。



エンバーミングというのは、ご遺体に対して、防腐処理などを行うことを指します。こうすることでご遺体が傷みにくくなり、夏場でも異臭がしにくくなります。



防腐剤などを注入することもあるため、一般的な「死に化粧」とはまったく意味合いが異なります。



体内に残る飲食物や血液を抜き取ることも、エンバーミングの工程として存在します。



また、痛ましい事故でお体が損なわれた場合でも、ある程度までは修復することができると言われています。



亡くなる前と同じように、生き生きした姿でお見送りすることができるというメリットを持つエンバーミングですが、日本は火葬の文化であるため、それほど根付いてはいません。



エンバーマー(エンバーミングができる人)と連携をしているという葬儀会社はそれほど多くはありませんから、これを希望する場合は、葬儀会社に事前に問い合わせる必要があります。



また、死に化粧とは違い、エンバーミングは特殊な処置です。費用は状況によって異なりますが、20万円程度の予算は考えておかなければなりません。



エンバーミングも死に化粧も、遺族が「亡くなった方のために」と願ってすることです。この2つには軽重はありません。



費用や人員確保の問題もありますが、「心情」を優先して選ぶのがよいのではないでしょうか。(執筆者:鍋谷 萌子)



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